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これからの「正義」の話をしよう⑤

「結婚」ってなんのためにするの?

急に質問を投げかけてしまいましたが、決して結婚できずに病んでる訳ではないのでご安心ください。(笑)

今回の投稿では結婚の目的について改めて考え直し、そこから導ける「正義」に対する考え方について書こうと思います。


現在私達にとって結婚や恋愛の在り方は多種多様になってきました。"ゲイ" や "レズビアン"といった同性愛者も身近になり社会的にも受け入れやすくなってた一方で、結婚となるとまだ否定的に見られてしまうということも現状としてあります。実際にキリスト教徒の中には同性愛者について「ふさわしくない」と考える人も多いですが、ここで改めて問われるのが「結婚の目的」です。


結婚の目的


同性婚反対派の多くは、結婚の目的は「生殖」であると考えるそうです。男女それぞれが持っている生殖機能によって子孫を残す関係こそ結婚本来の目的であると言います。


しかしそれは必ずしも正しいとは言えません。なぜか。


私達は結婚する際に、結婚条件として生殖機能の有無について国から問われることはありません。ましてや子供を産む意思は無くても、婚姻届けさえ提出してしまえば結婚は成立するのが現状としてあるからです。



それでは結婚とは何なのか。かつてマサチューセッツ州で行われた同性婚を巡る裁判にて、最高裁判長のマーガレット・マーシャルは

「結婚とは、独占的で永続的な愛情関係である」

と述べます。これを聞いて「あれ、なんか重くね?」と感じている読者も出てきそうです。(笑)


しかし マーガレット・マーシャル は単に独占的永続的に愛せと言っているのではなく、同性婚にしろ異性婚にしろ ”どんな人に結婚の資格があるのか” を考えるためには、結婚の目的と美徳を考えなければならないと主張しているのです。つまり最高裁判長として "どっちが正しいのか"をジャッジするのではなく、あくまで中立する立場を取ったのです。


ここでのマーガレット・マーシャルの行動は「正義」を考える上で非常に大切な姿勢であることが分かってきます。同性婚か異性婚どっちかのみ認めるという判決を下した場合、もう片方の結婚に対する尊重は無くなってしまいます。人の価値観に尊重の意を無くしてしまった場合、これは人の正義、つまりは人格さえも押し潰してしまうことになるのです。


「結婚の在り方」に限らず、これまでの投稿で紹介した臓器移植や所得格差といった社会問題についても同様に言えることで、正義について考える際の "姿勢" について、本書では重要なヒントが隠されているのです。


では結局「正義」とは何なのか。「善い生き方」とは、「道徳」とは何なのか。次の最後の投稿でまとめたいと思います。



ここまで読んでいただきありがとうございました。



追記))
私の投稿では「本で得た知見を具体的にどう生活に活かすことができるのか」を自分なりにアプローチしたコンテンツを配信しています。「本を読みたいけど時間が無い」方も読むことができるコンテンツを発信していくのでぜひともフォローの方よろしくお願いいたします。

この記事では、マイケル・サンデル(2010)『これからの「正義」の話をしよう ーいまを生き延びるための哲学』 を参考に書いてます。本の内容を通して一緒に考える時間を過ごしましょう。








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