鍼灸とはなにか?
鍼灸は、古代中国で生まれました。
「へん石」といって、石の破片で、膿んでしまった傷を切開したことが、鍼のはじまりです。つまり今で言うなら「手術用メス」
麻酔がなかったので、なるべく痛みなど、患者さんの負担を減らそうとしていった結果、珍しい「鍼の形のメス」に進化したんですね。
その鍼灸は東洋医学の一分野です。
皆さんが思うより、案外「治療法がない」という疾患はありふれています。
でも「治療法がありません」で、治療を諦めてたら、医者はいらない。
東洋医学が生まれた古代中国。
今より、治せない病気はありふれていました。
治せないけど、何とかしないと、古代のことだから、人が乱暴ですからね。
医者が、いつもいつも「手遅れです」「手は尽くしたのですが」ばかり言ってたら、最悪殺されます。
治せないとしても、症状を軽くしよう、痛みを軽くしようと、医者は、現代の医者以上に、「まさに命がけ」でやっていたと思います。
「治療法がない」ことが、即「治らない」ということではない!
そう考えて、古代の医者がやっていたことは、ひたすら病気に食い下がること。治せないまでも、症状を緩和しよう、免疫力を高めよう、いや、病気になったら治せないから、養生を徹底させよう…
古代だから非科学的、反科学的なんてことはない。
当時の医者も、医者だった。
その精神を、現在、東洋医学をやっている、わたしたち、鍼灸師も引き継いでいる。
鍼灸師は、治らないと言われる病気に食い下がる力が強いのです。
一気に病気の原因にリーチできなくても、からめ手を考えます。
免疫力を高めること。疎通(←東洋医学用語。身体の中の流れ、幅広い意味で代謝全般のこと)を悪化させている原因を取り除くこと。
とくに、鍼灸の場合、それはコリ…と呼ばれているものですね。
私は「気」が操れたりはしないので、
目に見えるもの
手で触れるもの
鍼先で蝕知できるもの
だけを取り除いていますが、
あきれるほど、色んな病気、症状が軽快します。
もっとみんな、やればいいのにと、思わずにいられないほどです。