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アマチュア芸人のR-1グランプリ2023初挑戦レポート
きっかけはねじのササキユーキさんに言われた一言だった。
「R-1グランプリ出なよ。勉強になるから。」
そう言われて元々2023年出るか出ないか迷っていた私の脳は出るという結論を出した。
2023年1月8日。本番当日。
お昼頃発の新幹線に乗り、夕方東京に到着。
一旦宿へ行き、荷物を置いて少し早いけれど会場がある渋谷へ向かう。
この時人生で初めて渋谷という地に足を踏み入れたのだが秋田では考えられない人の波、大音量・大画面の電光掲示板、街宣するトラック…等のありとあらゆる刺激にもうすでに心が飲み込まれていた。
交番のお巡りさんに道を訪ね、なんとか会場のシダックスカルチャーホールまでたどり着いた。
会場入り。
客席の当日券は売り切れていたがチラリと見えた客席はガランとしていた。
そりゃそうだ。なんせ13時から1回戦は始まっているのだから見たい人が終わったらみんな帰るのだ。私がお客さんでも帰るかもしれない。
そんな状況のなかで出場者である私たちは2分間一人で舞台に立ってネタをしなければならない。
他の人はみんなピリピリしている。当たり前だ。真剣勝負なのだから。
私の出番が近づく。
私のネタは一応コントだった。
面白いか面白くないかは別として私はとにかく大きな声で全力でやろうと思った。
出囃子がなって数十秒ネタをすすめながら
「これはダメだ。受からない。」
と思った。しかし私は全力でやり通した。とりあえずオチまで持っていけた。そんな感じであっという間に私の出番は終わった。
とにかくやれることはちゃんとやりきった。そんな気持ちで宿に戻った。
翌朝起きて結果を見たら案の定、私は1回戦で敗退していた。
圧倒的実力不足。会場が悪いとかお客さんが少なかったからとか全く関係ない。ただただ私が作ったネタが面白くなく、伝える力もなかったのだ。
こうして私、薬師丸ひこうきのR-1グランプリ2023はあっという間に終了した。
しかし結果としては1回戦敗退という不甲斐ない結果になったわけだが個人的にはかなり収穫があった。
やはり挑戦して実際の会場に出向かないと得られないことがあることに気がついた。
何より自分で驚いたのは、1回戦敗退というのがわかって「悔しい」という感情が湧いてきたことだった。
「まあ負けるだろうからやるだけやろう」という気持ちでいたのだがいざ敗退すると「悔しい。勝ちたい。笑いを取れるようになりたい。」と心の底から思ったのだった。
あとR-1グランプリに挑戦できるのは9年。
この9年で私は面白い芸人になれるだろうか。
そう思いながら私は東京から新幹線に乗って秋田へ帰ったのだった。
PS
新幹線の車内販売で売ってた比内地鶏のたまごのプリンが美味しくてメラメラ燃えて興奮していた脳みそが秋田に着いた頃にはチョロ火になっていました(チョロ火になったからといって消えたわけではないです!)