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投資講座第8回「不動産投資ってホントに儲かるの?(後編)」

このシリーズは、南山堂さんの月刊誌『薬局』にて2019年4月号から2020年8月号にかけて連載していただいた「薬剤師にもできる!将来幸せに働くための投資講座」をベースに、読者の範囲をもう少し広げて、データや戦略を更新し、大人の事情でカットされた部分を追加して書き直す連載企画です。相補的な部分もありますので両方読んでいただけるとなお良いですが、難しければこちらだけでも大丈夫なように書いています。
 なお、本記事の中では特定の金融商品や銘柄、投資手法を紹介することがありますが、投資判断はご自身でお願いいたします。よって失敗しても責任は取れませんが、知らせてくれたら一緒に悲しむぐらいはします(^^;)

オイシイ投資案件は自ら創造するもの

 前回は、たまに私みたいな薬剤師が電話勧誘される新築ワンルームマンション投資について、それがいかに儲からないのかを書いてみました。
 ですが、そもそも投資の素人に向かってあちらから勝手にやって来る案件は相手しか儲からないという悲しい現実を胸に刻んでおくだけで、わざわざ儲からないことをシミュレーションしなくても良かったのでした。そこだけ覚えておけばもうそんな甘い話に乗りませんよね……。
 とはいえ、そのような儲からない不動産投資に対する批判だけ書いておしまいにするのでは、この投資指南の連載としては中途半端かなと思いますので、もし今からでも勤め人の仕事の合間にできる不動産投資の方法があるのなら知りたい!という方がおられるのならその方に向けて、ある程度は成功する確率がある方法を紹介してみたいと思います。

 まず、前回話したことのキモは「不動産投資はビジネスである」ということです。投資をするというより、不動産賃貸業を起業するという考え方です。起業精神のある人は、ぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか。
 そもそも、オイシイ話というのはどこかからやってくるものではなくて、最初は自分で創造するものなのです。もちろんそこまで燃えていなくても、不動産投資は株式や外貨への投資と比較すると、あまり市場リスクに左右されず(地価や賃料の変動は通常ゆっくりです)、安定した現金収入(キャッシュフロー)を生み出すことができるメリットがあります。小遣い稼ぎ程度の物件を持っておくのも良いかもしれませんよ。
 さて、ここでは、最も一般的な居住用不動産を賃貸するという戦略で考えていきますが、そこで大前提となるのは、不動産の物件はこの世界に唯一無二の極めて個別性の高いものであるということです。なぜなら、全く同じ場所に2つの建物を建てることは不可能で、集合住宅であっても全く同じ空間に2つと部屋は作れないからです。似たような物件はあっても、完全に同一な物件は1つしか存在しません。そのように個別性が高く特殊な条件や性質が入りやすいために多様な物件で不動産の売買や賃貸は成り立っています。そうするとどのようなことが起こるでしょうか?

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