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投資講座第17回「『企業型確定拠出年金(DC)』についての考え方」

このシリーズは、南山堂さんの月刊誌『薬局』にて2019年4月号から2020年8月号にかけて連載していただいた「薬剤師にもできる!将来幸せに働くための投資講座」をベースに、読者の範囲をもう少し広げて、データや戦略を更新し、大人の事情でカットされた部分を追加して書き直す連載企画です。2022年度からは隔月の連載とし、引き続き初心者向けの注意や解説、時事的な相場観、運用状況の報告などを続けていきます。
 なお、本記事の中では特定の金融商品や銘柄、投資手法を紹介することがありますが、投資判断はご自身でお願いいたします。よって失敗しても責任は取れませんが、知らせてくれたら一緒に悲しむぐらいはします(^^;)

 さて、ここまで何回かにわたって、税金を取られずに効率よく資産を運用する方法について、実例や実体験、過去データを使った試算を紹介しながら解説してきました。

 投資から得られた配当などの利益から税金取られると、それを再投資に回すことによる複利の効果が得られなくなっちゃうのが問題なのです。

 前回の記事がこちらですね。理解して使いこなせば本当に庶民が豊かに暮らすための大事な布石になります。

 実は、非課税で投資する方法がもう一つありまして、これは自分一人ではどうにも始められない環境の方が多いので、解説するかどうするか迷ったのですが、現在のワタクシの勤務先で制度が始まることになったので今回まとめてみました。

 それは企業型確定拠出年金(DC)です。

 これは職場自体が制度を整えて従業員に加入を選択させるものなので、概要を知って「やってみたい!」と思っても、職場が対応してくれないと無理な話なのですが、もし導入してほしかったら

「事務方や経営者にこう提案してみたら乗ってくるんじゃない?」

みたいな話も書いてみますので、DCを使った投資戦略や毎回報告しているワタクシの赤裸々ポートフォリオと合わせてご興味ありましたら読んでくださると幸いです。
 結論から言うと、利用できるならするべきというお得な制度ではありますので。

DCという制度の概要

 DC(企業型確定拠出年金)というのは、ネット上では「企業が掛け金を出してくれて、従業員が運用し、その運用によって将来受け取れる金額が変動する年金制度」という感じの説明が多いです。

 でもコレ、実態としてはウソなんですよね(苦笑)

 多分、実際に自分でやったことない人が厚労省が示す情報とか投資信託協会の記事とかを鵜呑みにして記事を書いてるんじゃないですかね。それかまあ、ずいぶん前からこの制度を導入していて大部分の従業員が自動的に加入しているような会社においては、表面上は会社が掛け金を出してくれているように見えちゃうと思いますが、実はですね……

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