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わたし遺産

わたし遺産という
題材の公募は落選したのだけど
大切な思いをここに残しておきたいなぁ。
わたし以外の誰かの感性に引っかかったり、
何か響くことがあれば嬉しいなぁと思う。

とにかく
何日も孝作した思い出の作文を読んでもらえたら
当時の、そこで体験した私も、
この作文を作った時の私も
幸せだなぁ。


こちら↓

「蛍が綺麗だ」
と父が言ったので、数年ぶりに熊谷に帰省して地元の小川を二人で歩く。父の背中は、以前より年をとって丸くなった。
「うわぁ!」
黄金色に点る光たち。こんなにも美しい場所が地元にあったのかと初めて知る。
「手のひらの中で蛍の光を見てみたい」
と言って私は、白髪の父が蛍を追いかける後ろ姿を見つめながら、父と一緒にふるさとで過ごす今の恵みを胸いっぱい吸い込んだ。
「ホッ、ハッ」
と揺らめく光とダンスをしていた父の手中に収まった蛍を、私も父に手のひらを重ねてそっと包み込む。

父はいつも私の願いを叶えてくれる。結んだ手を開くと、蛍は満天の空の星の一つに加わるように飛んで行った。
帰り道、五百円玉を環境保護募金箱に寄付する父の背中と故郷の美しい自然は、これからも見つめていきたい大切な、わたし遺産だ。

以上。

ああ、

もうすぐ蛍のシーズンが来る!
とても楽しみ♡


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