見出し画像

#02.|質問コーナー|欧州(ドイツ)で日本製品を販売していきたい。どのようなWEB・SNS戦略がいいかを答えてみたよ。

ドイツ国内で日本製品を販売していきたいという専門商社から相談を受けました。日本製品は海外へ渡航する日本人、海外駐在員や留学生の中では、知る人ぞ知るブランドとなっています。

ですが、広告を出稿したことがなく、販売方法は直販(WEBフォームより購入)のみ。今回は新たに代理店契約を結んだ専門商社のルートを拡充し販売していくという点について、回答していきます。

ドイツの市場について

ドイツはEU圏内でトップの経済大国とおり、隣接するベルギー、フランス、スイス、オーストリアの国からの流入もあり、ドイツ語マーケットは人口以上と推測されます。EU加盟国人口も4.4億人(2021年1月)でアメリカと同等の経済圏となっています。

また、ドイツ市場と日本市場はよく似ていると言われます。国土や人口・GDPなど近い数値にあります。

日本の国土:377,915km²
ドイツの国土:357,022km²

日本の人口:1.26億人
ドイツの人口:0.83億人

【日本】
名目GDP:4,912,147(百万US$)3位
一人当たりGDP:38,674ドル
【ドイツ】
名目GDP:4,256,540(百万US$)4位
一人当たりGDP:42,045ドル

日本の年齢分布図・ドイツの人口ピラミッド

引用:Data and facts about Germany

日本・ドイツともに人口ピラミッドでは壺型をしており、若い年代の人口が少なく、高齢者が多い分布となっています。

次にドイツでは各支払手段は現金。唯一キャッシュレス決済で利用されるものは非接触型を除いたデビットカードとなっている。クレジットカード決済の利用率が低いため、オンラインでの決済手段では、PayPal(オンライン決済サービス)は使えるようすることを推奨しています。

オンライン決済でPayPalは欧州全域で人気が高く、2020年ドイツでは最も人気の高い決済手段になっています。

日本はクレジットカードがほぼ普及していますが、ドイツではクレジットカードを使う人は比較的少ないということが背景にあります。

引用:statia

ドイツには「閉店法」があり小売店(スーパーマーケットなど)は営業していません。

国が定める閉店法の閉店時間

  • 日曜、祝日

  • 平日(月~土)6:00までもしくは20:00以降閉店

ドイツ人の休日の過ごし方は、平日は働き土曜日に買い物や家の事をやり、日曜日は家族や友人とゆっくり過ごすというのが典型的です。

そのため、スーパーやECサイトでの購入は土曜が多く、30%。金曜日に購入する人が16%、日曜日が15%。月、火、水、木曜日にオンラインショッピングをする人は全体の39%。

引用:ECCLab

日本のECサイトであればアマゾン、楽天、ヤフーなどがよく使われるプラットフォームですが、ドイツでも Amazon同じです。

ドイツでのメディア選定

引用:デジタル 2022 ドイツ

ドイツでのWEB戦略もしくはSNS戦略を考えるときにターゲット層の理解は重要です。

ドイツも日本と同様に壺型の人口ピラミッドで、マーケティング戦略的には日本と同じような手法が用いられることが多いです。

その中で、SNSとは切っても切り離せない世の中になっているので、うまくからませながら運用していきます。

ドイツでは、「WhatsApp」「Facebook」「Instagram」が利用されています。日本では「WhatsApp」=LINEですが、同じような割合で利用されていることが分かります。

ドイツでの周知活動の手法としては「WhatsApp」でやり取りをおこない、 SNSする場合「Facebook」「Instagram」「YouTube」 を使うのが鉄板です。

マーケティング戦略

ドイツは19世紀末まで統一国家ではなく、小国や都市、王国、公国が乱立していたため、企業や人口が各地域へ分散化していますし、世界トップクラスの企業が地方にも多く見られます。

なので、主要都市4つ(ベルリン:361万人、ハンブルク:183万人、ミュンヘン:153万人、ケルン:108万人)を押さえておく必要があります。

ドイツの場合、最初にテレビCM、交通広告などマスメディアにアプローチする。
また、ブランドからの情報発信ではなく、口コミ(第三者評価)を広めていくことの重要度が高いのです。

引用:ドイツの消費者動向とマーケティング動向

例えば、交通広告が記念撮影に適したモチーフであるため、観光スポットのようになった。たくさんの観光客が電子看板の前で記念撮影を行ってもらい、それがブログやSNSで拡散されていく。

引用:ドイツの消費者動向とマーケティング動向

別の例では、サムスンがオランウータンに新製品(デジタルカメラ)を使わせ、オランウータンが自分で撮影した写真をFacebookへ投稿、大きな話題を呼んだ。「操作がとても簡単で、猿にでもできるぐらい」というアピールポイントが一目瞭然です。

それは広告主が顧客にどのようにSNSを絡ませて拡散していくかを設計されている。

販売者(メーカー側)の情報発信よりも第三者から聞く情報・評価がどのようになっているのか重視される傾向があるからですね。

ドイツ市場の攻め方

新規事業をドイツ国内で立ち上げ売り上げを上げていこうと計画した時、よく使用されているSNS広告へ投下することは非常に簡単です。ですが、評判・連鎖(口コミなどの広がり)のない商品は広告費をすぐに溶かしてしまいます。※今回の場合、日本人駐在員や留学生には認知度が高いがドイツ人への認知度は低い

そのために、ドイツ人向けのストック型のコンテンツを作成していく必要があります。
それが、記事広告やコンテンツマーケティング、インフルエンサー活用などストック型で積もっていくものに費用を投下します。

また、専門商社取り扱い製品の購入にいたるまで動線は製作しておくことは前提です。
※ECサイトやLP(入力フォーム・カート一体型)もしくは商品ページ

ドイツ国内で資産になるコンテンツを増やしていき、●●(取扱商品名や関連キーワード)と調べられて時の情報を貯めておきます。もちろん、認知されているメディアや影響力のあるインフルエンサーが投稿すると興味関心を持ってもらえるため、積極的に活用していくべきでしょう。

その中で、施策の優先順位を決めていく必要があります。
参考にマーケティングファネルを見ながらどのように優先順位を決めていくべきかを考えます。

今回のように海外へ渡航する日本人、海外駐在員や留学生の中で知る人ぞ知る商品であれば、すでにその商品を利用したことのある人が多い。そのため、商品の良さは実証済み。そうなるとその商品に対する評価・評判はわかります。その評判・評価を自社のSNSやHPでシェアすることで、「情報発信」→「興味」へ優良顧客から潜在優良顧客をさらに獲得できるよう広げていきます。

日本人の中でもドイツ語の話せる日本人をピックアップし、ドイツ語での情報をシェアし、拡散を促します。
また、キャンペーンを打ちながら、ドイツ人のサンプリングや口コミを集めていきます。

  1. 日本人が使用した口コミ・評判・評価をSNS・HPでシェア

  2. 日本人の中でもドイツ語の話せる方をピックアップし、インタビュー

  3. ドイツ人向けのキャンペーンを打ち、サンプリングと口コミをもらう

  4. ドイツ国内で認知度のあるWEB系のメディアへタイアップ記事広告を出稿

  5. ターゲット層と合致するインフルエンサーを起用する

  6. コンテンツマーケティングで情報を蓄積する

こちらが大まかなWEBやSNSでの戦略です。

また、商品を購入される場(LPや商品ページ、店舗)がある場合、「比較・検討」を考えている顧客からあたります。それはファネル内の認知フェーズまで施策を広げてしまうと広告費をかなり投下しなければなりません。=「比較・検討」を考えている人の方が購入する確率が高くなるからです。

新たにドイツで始める事業であれば「比較・検討」→「興味」→「認知」という順で戦略を広げていくことをおすすめします。

また、購入後自社のファンになってもらえるよう、購入者限定の情報や使い方、ノウハウなど共有することでより魅力的に感じてもらうことができます。=今回の場合は日本製の商品がすでによい評判をもらっていることから、SNSでシェア・拡散しながら、徐々にドイツ人へ認知を広げていきます。

ドイツ市場ではWEB広告やSNS広告へ予算投下するのではなく、まずSNSを基軸とした口コミマーケティングをおこなっていくこと。そして、ストック型の広告(タイアップ記事広告やコンテンツマーケティング、インフルエンサーの活用)など自社商品に関する情報の土台を作ること。

その後、商品を知ってくれた方に対してLPや商品ページへの誘導。という流れになります。
この商品に関する情報や露出を増やすことで、より多くの見込み客および売上に繋がると思います。

以上、質問者さんに回答した事例です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?