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雑誌と書籍における編集者の違い

雑誌と書籍の本としての性質の違いは、編集現場の取り組み姿勢や進行管理にも違いが生じる。また編集者に要求される能力や資質も異なる。

タウン情報誌のような雑誌の場合、編集担当者はまず複数のライターやカメラマンへの作業依頼の交渉、取材先のアポイント、取材時のアテンド/フォローなどを行う。 次に出来上がった原稿や画像をチェックし、指示書と一緒にデザイナーへ渡して誌面デザイン(初校)をアップする。その後、クライアントへチェックを依頼する。

この一連の作業を進める上で取材件数が相当数あると、さまざまな事が起きるのは茶飯事なので決められたスケジュールに沿って進行するのが難しい場合がある。発売日の定められた雑誌の場合、締切は絶対なので編集担当者を含めライターやデザイナー、作業を補助するスタッフ全員に大きな負荷がかかることになる。このような場面においては、編集担当者のマネジメント能力と各スタッフの技量によって、その局面をクリアすることが可能になる。

ところが、ずさんな編集担当者による現場は悲劇が起こることになる。言うまでもなく編集担当者の怠慢な行動は、各スタッフに混乱と疲弊を与え現場は修羅場と化すことがある。

一方、ビジネス書のような書籍の場合、目次構成や執筆スタイル、誌面レイアウト案が固まっていると、編集担当者は1人(または2~3人)のライターを適宜管理することで、 その後の誌面デザインに至るまで割とスケジュール通りに進行することができる。

ただ、書籍は入念に校閲するという作業の性質上、チェックや修正、確認作業を何度か繰り返すことになる。執筆内容を修正すると修正箇所以外にもさまざまな影響を及ぼす場合があるので、一般的に編集担当者は注意深く真面目なのだが人を巻き込むよりも自分一人で抱えて進む傾向もある。傍からすると消化不良を感じることがある。

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