bobbon

極まる駄文、元セイウチ。

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最近の記事

【読書】私的読書全集 4

 みんな!本読んでくたばり倒しの怪人と呼ばれ、地中海に身投げして甦る、そんな人間になりたいぜ。おい、馬の足はめて外に出ようぜ。サングラスのお前、日が沈んで涙々の物語が始まるんだぜ。いくら大行進。サーモンうまいぜ。かかってこい。不況の上昇気流に乗って、行くぜイタリア。ルネサンスの残骸になりたい。筋肉はいらない。でも、舌で巨大岩塩の端を舐め回して、感動したい。エレベーターに家具をのせて、僕は春風に乗ろうとして発熱、外来種の渾名をくれ。旅行先はなるべく辺鄙な都会がいいけど、御輿担い

    • 【読書】私的読書全集 3

       読書をすれば、知性超越、筋肉隆々、色情成就、なんてことになる。そうして、多方面への才能を開花させ、文筆すればドストエフスキー、音楽すればビートルズ、絵画すればダリ、ボクシングすればアリ、足らぬものはなし。毎日が健常トリップである。嗚呼、素晴らしい日々だ。私の足元からは、生命のエネルギーが止めどなく流れ、草花が命の芽吹きをあげる。さらに、一本の楠木が出でる。それは、むくむくと巨大化し、葉を余りある程繁らせ、限度を弁えぬ光合成をし、地球温暖化を後退させる。感激の涙は人々の頬をつ

      • 【書評阿呆】No.3 『岬』(中上健次)

         何か負い目をもつ人間の、その底流に由来する姿みたいなものを描くのは、常人には出来りゃしない。それは、暖房全快で恵方巻をしゃぶり、挙げ句の果てには残飯多し、なんて人々が、アフリカの陽光に刺され、腹と背中を一緒にしている人々の本心など、どうやったって分からないのと同じだ。もし、本気で、描こうとするなら、どうしたって、狂わねばならない。 本データ 書名 岬 著者 中上健次 価格 110YEN(BookOff 新品500YEN) 発行 文藝春秋 シリーズ 文春文庫 収録 ・黄金比

        • 【読書】私的読書全集 2

           この全集は、我が読書の遍歴より見出だした、金剛石の如き名作を列挙したものである。列挙、と聞いて貴方は、「この手抜き野郎が!お前のような人間は、阿鼻叫喚の地獄に落ちてなお、奥歯に詰まったマカダミアナッツを気にかけていればいいのだ!」なんて憤死するかもしれない。しかし、なぜ、敢えて列挙に留めるのかと言うと、各々読み手の感性で作品を捉えるのが一番だと思うからだ。私が何処其処の偉い作家だとか、教授だとかなら、私見にも席が用意されるところであるが、私は所詮、一端の薄汚い男子高校生であ

          【読書】私的読書全集 1

           「私的読書全集」とは、何であるか!それは、例えるならば、何の前置きもなく、突如として君の眼前に登場、それだけならまだしも、二十四皿の逸品を並べ始め、「これ、美味甚だしい(誤用)から、食え。」なんて言ってくる如くである。(昼食をたらふく食べた後なのに!)  遠回りの例え話など、誰も欲していない。もう、単刀直入に言う。胃袋を一裂き。  この試みは、拙僧の読書遍歴から、「うひゃー、これは素晴らしいぞよ。」なんて作品を兎に角羅列するのみである。ちなみに、既に8までが完成している

          【読書】私的読書全集 1

          【書評阿呆】No.2『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)

           理想論は、理想であるだけに大切なものが込められているのだと思った、そんな微満員電車の中である。自分の失ったもの、いや、草臥れた万人の無意識の紛失物は、どうやったて返ってこないわけだけれども、どうしようもない。ただ、やれやれ、なんて格好つけて、干からびた微笑をすることくらいしか、私たちにできることはない。そうでもしないと悲しいものだし。やんぬるかな。 本データ 書名 星の王子さま(原題 Le Petit Princ) 訳者 河野万里子 著者 サン=デグジュペリ(Antoin

          【書評阿呆】No.2『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)

          【言葉】ポシェットに名言を

           私が何からの影響汁を啜ってこんなものを書くのかは明白であろう。勿論、言わずもがな、寺山修司の『ポケットに名言を』である。  すると、或る侍ウィズ無精髭出できて曰く、「お主、名作を愚弄する気か!四条河原で英国紳士が展覧会の運びでございまして、ざるうどんをいかがあそばせ、浅草の人。」憤怒余りて脳における言語を司る部位が発火し、訳のわからぬ戯れ言を曇天に呟きながら、目ばかりはぎらぎらと、鮮血を前にした野獣の如く光らせて、鞘に収まる御自慢の名刀、腰の辺りから引き抜き、刃先に発光小

          【言葉】ポシェットに名言を

          【書評阿呆】No.1『一人称単数』(村上春樹)

           まず、言っておこう。私は、村上春樹の短編集が大好きで、静かに、都会の裏にある清潔(のイデアのような、単に部屋が綺麗とかそういうことではなく、そこが暗示するようなもの。)な宇宙的空間へと上昇していく程だ。それは単に、ビルやコンビニの建物の裏手ということでなくて、こう、もっと、高質で無機質な厚紙を都会から剥いだところにある。 本データ 書名 一人称単数 著者 村上春樹 価格 1650YEN(新品) 備考 初版 帯 発行 文藝春秋(2020.7.18) 収録(○は個人的に響いた

          【書評阿呆】No.1『一人称単数』(村上春樹)