ストリーミング配信の収益変化について
※収益変化の部分だけ有料です。マガジン「YouTube、ストリーミングの海を泳ぐ」にも収録されていますので、マガジンを購入していただくとお得です。
twitterでもつぶやいたのですが、CDの売上が発売日から徐々に減衰していくように、ストリーミングの再生数も減衰していくようなイメージを持たれているようです。ところが、自分の場合は再生数はゆるやかに伸び続けています。
以下、Spotify for Artistsのデータを見ながら解説していくので、すべての合算の数字ではありませんが、ご参考までに。
ざっくりですが、2018年2月-7月は100〜500再生/日くらい、2018年8-12月は500〜800再生/日くらい、2019年1月-6月は800〜1,100再生/日くらい、と見事に右肩上がりを続けています。もちろんジグザグしながらですけど、アベレージを取ると右肩上がり、ということです。
なぜストリーミングの再生数が放置していても伸び続けているのか、今日はその考察を書いてみたいと思います。
要因1:フリーBGMの活躍
以前から、自分の曲「ワンダーランド」はゲーム実況動画投稿者さんのおかげで伸びている、と書いています。これはフリーBGMを動画のEDとして使っていただいていることで、露出が増えて宣伝になっているためです。
この投稿者さんのチャンネルが右肩上がりのため、同時に自身のストリーミングも右肩上がりに伸びているのかなと思います。
要因2:ストリーミング配信のアルゴリズム
ストリーミング配信ならではのアルゴリズムプレイリスト機能。公式がまとめることもあれば、ユーザーが自分好みのプレイリストを作ってシェアする機能もあります。また、それぞれのストリーミングサービスがユーザーの視聴傾向に沿って自動で生成するプレイリストもあります。これはイメージ的にはamazonの「この商品を買った人はこちらもチェックしています」みたいな機能に近いです。
Apple Musicであれば、「同じタイプのアーティスト」など。試しにハヤシユウで検索してみるとこんな結果が出てきます。
いや、畏れ多すぎ!音楽的にはあんまり同じタイプではないと思う!けど、みんな「インターネット発の、サブカル寄りなアーティスト」という点で、聞いている視聴者層が似ているな、というのはめちゃくちゃ感じています。こんな感じで新規のユーザーが飛んできてくれていたらめちゃくちゃありがたい・・・!
要因3:「CDの移動」の可視化
「CDの移動」ってなんや、って話なのですが、CDで音楽を聞いていた時代って、よく友人同士で貸し借りをしたり、中古ショップで買ったりしてたじゃないですか。でもそういう「CDの移動」って、どこでどのくらい音楽が聴かれたか、全く把握できないんですよね。制作側が把握できるのは、最初に新品のCDを売った枚数のみ。あとは貸し借りが行われようが、中古ビジネスが行われようが、売上は変わりません。
ストリーミングの場合、この「CDの移動」による再生のロスが、全部補完されるような気がします。
たとえば、CDの貸し借りって「おすすめしたい」から貸すことが多いと思うんですが、ストリーミングの場合「ハヤシユウ検索してみて!」で済むじゃないですか。それがちゃんと再生数として数字になる。CDだったら1枚だった売上が、ストリーミングでは2の再生数になる。これってめちゃくちゃありがたい。
要因4:サブスク人口の増加
単純に、サブスクリプションサービスに登録・課金する人が増えていくよね、という話です。今はサブスク解禁していない有名アーティストも今後は必然的に解禁していく流れになると思うので、そうしたら新規ユーザーもどんどん増えていきます。
でもそのユーザーは目的のアーティストしか聞かないんじゃ?と思われるかもしれませんが、要因2のアルゴリズム[プレイリストに表示される]、要因3の貸し借り[定額で聞けるのでおすすめされた音楽を開拓しやすい]にもつながっていくはずです。という希望的観測。
ストリーミング収益変化
最後に、再生数が右肩上がりなのはわかったけど、収益はどうなの?という疑問にお答えします。こちらはSpotifyだけではなく、すべてのデータを合わせた収益です。夢があります!
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