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#私が旅に出た理由

5/16 かつて、松尾芭蕉が“おくのほそ道”の旅を始めた日。そんな日が今では #旅の日 らしいから、旅のお話でもしようか。


電車にして2駅先までで完結する世界しか知らない私には、その外はもちろん、海外なんて夢の国みたいだった。

“小説の中に文章だけで描かれる世界”と同じくらい手には届かない存在。目を閉じればこんなにも頭の中では鮮明なのに、目を開いた瞬間音もなく崩れ去るそんな場所。

それが、大きなリュックに荷物を詰め込んで、飛行機に乗れば眼下には待ち遠しくて仕方ない憧れの土地。

ああ、世界はこんなにも近かったんだ。

一度、踏み出してしまえば、あとは簡単だった。

もう、大丈夫。

一年前、おそるおそる異国の地を踏みしめた足は次の“夢の国”に走り出す準備が出来ている。

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