喜んで怒って哀しんで楽しんで、そして愛する
例えば、
好きな人があなただけに向けて笑うとき。
憧れの土地に足を踏み入れたとき。
人生でもうこんな素敵なこと二度とは来ないだろうなあなんて思ったとき。
そんな瞬間が流れ星のように突然きらめいたならあなたはどうするのだろう。
日記に書く人がいるだろう。
写真に収める人もいるだろう。
とっておきの大切な人に話すかもしれない。
今のご時世SNS投稿するのだって朝飯前だ。
もしくは、あえて表には出さずにそっと心の奥に閉まっておくんだろうか。
私は感情がメーターを振り切れるそんな瞬間、なぜだか絵を描きたいと思う。
幼い頃の私には、カメラなんて高価なものが手元になかったからかもしれない。あるいは、文字ですらない心の叫びを言葉に変換するだけの語彙力が。
だからいつだって、稚拙ながらに鉛筆やシャーペンを握ったのだ。
カメラには収められない、それでも残しておきたい。
そんな瞬間を、私はきっとこれからも描き綴っていく。
「あのね、今日こんなことがあったんだ。」
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