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マーケティングトレース 日常編②

「ファミリーマート」におけるマーケティングトレース

 本noteでは、ファミリーマートの「お値段そのままデカくてうまい!!たぶん40%増量作戦」におけるマーケティングトレースを行う。ファミリーマートは8月6日から「たぶん40%増量作戦」というキャンペーンを行っており、増量の対象となっている初週の4商品の売り上げは通常サイズの商品と比較して250%にもなっているという。このキャンペーンの裏にはどのようなマーケティング戦略があるのかについて、考察を行う。

「ファミリーマート」に関するリサーチ

 ファミリーマートはセブンイレブンやローソンと並ぶ大手コンビニエンスストアであり、国内外合わせて24,000店舗以上を展開している。コンビニ業界内では2番目(3番目というデータもあった)のシェアを確保しており、1位のセブン-イレブン(セブン&アイ・HD)を追随する形となっている。コーポレートメッセージは「あなたと、コンビに、ファミリーマート」で、地域や顧客に寄り添った経営を目指している。
 そして「40%増量作戦」は、ファミリーマートの創立40周年を記念して2021年から開始されたキャンペーンである。4年目の今回は作戦名に「たぶん」という言葉が使われており、CMでも刑事に扮した吉田鋼太郎さんと八木莉可子さんが「たぶん」という言葉にツッコミを入れつつ増量作戦の真相を確かめようとしている。

考えられるマーケティング戦略

 この増量作戦の狙いとしては、①新規顧客の獲得②クチコミによるキャンペーンのさらなる拡大が考えられる。まず①新規顧客の獲得に関しては、価格面やコストパフォーマンス面を大きくアピールしている事から読み取ることが出来る。デロイトトーマツの調査によると、現代の消費者は「品質」「機能性」「ブランド・メーカー」などよりも「価格」や「コスパ」を理由に購買やリピートを行っている。ファミリーマートのキャンペーンはこの傾向を踏まえたうえで、そのような消費者に対して効果的なアプローチを行っていると言える。
 ②クチコミによるキャンペーンの更なる拡大に関しては、「たぶん」というフレーズが大きな意味を持っている。作戦名にある「たぶん」の一言は、実際にどれだけ増量しているのかを自分で計測しようとする顧客を生み出す。そして増量作戦の真相を確かめた顧客は、周囲にその結果を共有しようとする。各種SNSの発展などによって、現代におけるクチコミは大きな力を持っている。クチコミの活用によって広告費を抑えつつ、より多くの消費者へキャンペーンの存在を周知することが目的だと考えられる。

トレースを終えての感想など

 今回は、ファミリーマートの「たぶん40%増量作戦」に関するマーケティングトレースを行った。「たぶん」という言葉の曖昧さと「40%」という数値の組み合わせが消費者の関心を集め、効果的なキャンペーンになっていると感じた。
 またリサーチを行っていく中で面白いと感じたのは、キャンペーンが開始されてから少しずつ作戦の名称が変化していることである。以下にその変化を示す。

2021年:「お値段そのまま40%増量作戦」
2022年:「お値段そのまま!!40%増量作戦」
2023年:「お値段そのままデカくてうまい!!だいたい40%増量作戦」
2024年:「お値段そのままデカくてうまい!!たぶん40%増量作戦」

 2021年は内容そのままのシンプルな名称になっているが、2022年には「!」が2つ追加されてお得感を訴えかけるような名称へと姿を変えた。2023年には「お値段そのままデカくてうまい!!」とキャンペーン内容が一目で分かるようになっていると共に、敢えて「だいたい」という言葉を使う事で注目を集めようとする狙いが伺える。そして2024年は「だいたい」というフレーズが「たぶん」というものに変更され、増量作戦の不明瞭さが強調される事となった。これによって消費者の好奇心を刺激し、注目を集めることが出来ていると考えられる。ファミリーマートが漫然とキャンペーンを行っているのではなく(当たり前だが)、作戦のブラッシュアップを行っている事が分かり感心した。

参考文献

お値段そのままデカくてうまい!!たぶん40%増量作戦|キャンペーン|ファミリーマート (family.co.jp)
「たぶん40%増量作戦」初週売上が通常品比で250%に!40%以上増量していた商品も!?SNSで“測ってみた”人続出 第2週目は猛暑におすすめのアイスなど4商品が登場 | 株式会社ファミリーマートのプレスリリース (prtimes.jp)
2024年度「国内消費者意識・購買行動調査」|消費財|デロイト トーマツ グループ|Deloitte


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