BTSはどうして日本でここまで流行ったのか?<おまけ1>~BTSが人気になるまでの軌跡~
どうも8810sekkeyです。前回は「BTSがどうして日本で最も注目されるアイドルになってしまったのか」を中年・高年層にターゲットを絞り,ジャニーズ事務所の視点で解説していきました。そこで新たにメディアの向き合い方と言う新たな仮説を導入することで中年・高年層はSMAP解散報道をキッカケにジャニーズ事務所に対する不信感を抱き始めましたというところで終わりました。その際,中年・高年層の特徴を表すものとして集団心理に対して極端に嫌う側面と集団心理に流されやすいという側面の二面性を持ちその感情が相反することからこのような心理状態のことを集団心理のアンビバレンスと定義しました。
詳しい内容につきましては第5章のリンクを下に貼っておきますのでそちらを見ていってください!さらに最初からこのお話を見たいという人のためにも第1章のリンクも張っておきます。
最初から見なくても内容が理解できるように書いていくつもりですが第1章からこの話を読んでいただくと内容がより分かると思うので最初から内容を追っていくことをおすすめします!
↑第1章のリンクです
↑第5章のリンクです
では今回のテーマに移りたいと思います。今回は本編とは内容が異なり閑話休題となります。このシリーズの普段であればジャニーズ事務所を主人公としてジャニーズ事務所の失敗や良くない点をさまざまな根拠や理論によって分析していきますが...
サブタイトルにあるように主人公をジャニーズ事務所のアイドルではなくBTS率いる男子KPOPアイドルに主軸を置き軽く分析していこうと思います。
なお今回はあくまでもおまけですので詳しい内容には踏み込まない可能性がありますのでご了承ください。
では行ってみましょう!
〇メディアの向き合い方とKPOPアイドルの戦略
第5章で中年・高年層は集団心理のアンビバレンスに強く依存しやすい傾向を示す世代であることからジャニーズファンという何よりアイドルを肯定し熱狂的に接してくれる太客を国民の冷静的な批判によってファン(特に中年・高年層)の気持ちは国民の総意へと偏りだして結果ファンの熱い思いを冷ましてしまうという事態を招いてしまった。
このように集団心理のアンビバレンスは時に個人の個性やアイデンティティ(自分とは何か)を奪ってしまうことが分かる。
それに対してKPOPアイドルは若年層が多く支持しているという理由からメディアの向き合い方も中年・高年層が多く支持しているジャニーズアイドルとは大きく異なっている。(第4章で詳しく分析しているので下にリンクを張っておきますよければ見てください!)。若年層はSNS(ソーシャルネットワークサービス)を使いこなしたりする具体例を第4章で挙げて最終的に結論は若年層は様々な様式や世界観を使い分けることが得意だということが分かった。
↑第4章のリンクです
このメディアの向き合い方というのは第5章で分析したようにアイドルグループが事件や騒動に発展した際のファンの対応や反応に大きく関係していることがSMAP解散報道からも分かるようにもちろんBTS率いるKPOPアイドルの騒動や事件にたいしても当然言えることなのである。
ここで最もKPOPに熱狂している若年層のメディアの向き合い方を前提条件として男子KPOPの頂点BTSの騒動や事件を具体例として話を進めていこうと思う。
〇BTSの原爆Tシャツ騒動
2017年頃,まだ日本ではコアなファンが認知している程度の人気であったBTSがファンイベント?に出演した際,BTSのメンバーJIMINが背中に1945年第2次世界大戦末期,広島に投下された原子爆弾の起爆後の上空に出現したきのこ雲をプリントしたTシャツを着用して登場した。そのことがきっかけにその何週間後に予定していたミュージックステーションの出演を断られ,その年のNHK紅白歌合戦の候補からも外れるという事態が起こった。
このことが多数メディアで取り上げられるとテレビでは否定的な意見が目立ち,韓国が反日の国というイメージが後押しされとても多くの人に嫌悪感を与え,さらにこの事件をきっかけにBTSを知った人がとても多かったことからBTSの第一印象やあまりよく分からない人にとっては「BTS(防弾少年団)って原爆Tシャツを着たグループ」と脳内で定義する人も未だに存在するうえ「原爆少年団」という不名誉な異名までつけられてしまった。
その騒動の後,BTSの所属する事務所Big hit entertainment(現HYBE)から着用したTシャツはファンからプレゼントして頂いたものであり日本に対して攻撃するような意図はないという声明を発表したが着用した本人からの謝罪はなくさらに事務所がそのTシャツに対する許可や確認を行っていた等の内容がなかったことから事務所およびBTSの対応が不適切として日本のワイドショーやネットを大きく騒がせた大事件となった。
現在もBTSおよび事務所のこの騒動の真相や動機に対する内容は不明である。
この章においてBTSの原爆Tシャツ騒動に対する意見や分析は詳しく行わないがこの事件をきっかけに日本のBTSに熱狂するファンARMY(アーミー)がJIMINおよびBTSを強く擁護したことでも大きく注目され,彼女らの生のコメントは「ジミンちゃんは事務所が選んだ服を着ただけで日本を攻撃しようとはしていない!」とか「この騒動とは別に私がBTSが好きなんだから関係ないでしょ」とネット等で意見を書き込んだことによりBTSだけでなくそのファンARMYが世間で疑問視されるようになった。
BTSのファンARMYは世間の厳しい声に対しても自分たちの仲間である他のARMYとの結束を強くして自分たちがARMYであることやBTSを好きでいることに対して誇りを持ち自分たちのテリトリー(領域)を荒らすものに対して真向に否定し続け,その意見を一切曲げることはなかったのだ。
BTSもジャニーズ事務所と同様にこれ以外にも数々の騒動を起こしているがSMAP解散報道とBTS原爆Tシャツ騒動の大きな違いとしてファンの対応が大きく違うということが考えられる。SMAP解散報道によってファンの熱狂的な感情が国民の冷静な意見に流れるように心を冷ましてしまったが,BTSの原爆Tシャツ騒動で明らかになったファンはよりBTSやARMY同士のコミュニティを結束して否定的な意見を示す人に対して攻撃的に対応するという違いがある。
このような違いにそもそもジャニーズアイドルのファン層とBTSのファンの年齢層は全然違うからBTSのファンが世間知らずで心が未熟なだけではないかと主張する意見もあるがそれだけとも言えないと筆者は考える。
年齢層はとても大きく関係はしていると思うが,若年層が本当に世間知らずなのか?と言われたら中年・高年層だってテレビの意見で左右されるしそれ自体も世間知らずだって考えるし,若年層は本当に心が未熟なのか?と言われたら韓国に対して強く反発し喧嘩根性むき出しになっている中年・高年層(ネトウヨ)だって心が未熟なのではないかと筆者は思うのだ。
ここでわざわざ第4章で解説したメディアの向き合い方にスポットライトを当ててこの騒動のBTSファンARMYの心理を分析しようと思う。
〇自分は自分,他人は他人と区別して考えられる若年層
ここで若年層のメディアの向き合い方の特徴である様々な様式や世界観を使い分けることが得意ということを使って分析していく。
ARMYの結束力が強くなってBTSのことを擁護する行動を移したり,BTSを批判する人たちに対して強く反発するという行動を起こすのはあくまでもネット上ということがとても重要なのである。
オフラインの状態,つまりARMYが学校の教室や初対面の人が多い相席居酒屋の場で「私BTSの大ファンでARMYとして推し活やってるんです」と言っても多くの人は全くBTSに興味がないし最悪の場合相手側その発言に対して反骨精神むき出しにして全力でBTSの悪口を言い続けることはARMYだって目に見えている。
だから普段はBTSが好きであることを自分がARMYであることを共感や肯定してくれる人やBTSに興味がある人,同じようにARMYである人にしかその話を持ち込まないように自分でセーブ(制御)している人がほとんどなのだ。
もちろんその原因には韓国というお国柄や日本人が韓国示す態度もある。反対にネットの世界ではBTSが好きという設定や世界観を構築して活動し,自分はこのアカウントでBTSを愛でることやARMYとして活動することを目的としているのでその使命を全うするために自分たちの国境線を荒らしてくる悪い奴らを徹底的に排除しようと行動する。仮にオフラインでBTSのことを愛でている人に出会えなかったとしてもネットに行けばどんな時間でも自分のBTSに対する熱い気持ちに紳士に向き合ってくれる人がいるのでその人たちと大切な物さえ守ることさえできればそれでいいのだ。
基本的に若年層のマインド(考え)として自分は自分,他人は他人であって自分が好きなものは他人の好みであるとは思ってないし他人に自分の好みを分かってもらおうとは一切しない。だからこそ自分と好みが一致した他人のことをより大切にしようとしてその人たちと築き上げたコミュニティを破壊しようとする悪魔を全力で阻止しようとするのだ。
様々な様式や世界観を使い分けることができるということは言い換えると自分自身をそのスタイルによって変化させることができるということ,そして自分自身がオフラインの時と違う他人として演じることができるということである。
つまり若年層は常日頃,自分と他人というテーマに多く触れる機会があるのでそのような経験を通して自分と他人の違い等に対して無意識のうちに強く影響されやすいのだ。これを中年・高年層の集団心理のアンビバレンスに対抗して若年層の多重人格のアイデンティティと定義しようと思う。
ここでの多重人格とはネット上で複数の趣味やアカウント,SNSを使い分けることで様々なキャラに成りきっていることを指す。それに対してアイデンティティは複数のキャラを演じることによって自分とは何だろうか,自分は何が好きなんだろうかと考える機会が多かったりそれを自覚している人が多いことを指す。
このように世代間で考え方に大きな違いがあるから世代間の溝(ジェネレーションギャップ)というのが発生する。
具体例を挙げるなら忘年会に出席したがらない若年層が考えられる。中年・高年層が平社員の頃は忘年会に出席したところで自分のメリットが全くないことは分かるが誘いを断って欠席してしまうとチームから置いてかれているような気持ちになってそれが嫌だから渋々忘年会に出席するという行動をとる。
それに対して若年層は自分にメリットが全くないしチームのメンバーそれぞれにもメリットがある人とない人がいることが分かっているので常に「忘年会に参加したい人だけでどうぞ」という考えがある。そのため上司から忘年会に誘われたとしても参加を拒否するという行動を示す。
もしも中年・高年層が上司になって忘年会を誘う立場になったら,中年・高年層はチームの団結力を高めるという口実で他の社員に忘年会に参加することを強く勧め,それを上司という特権を利用して半ば強引に勧誘する。
それに対して若年層は仮に自分がパーティを開き複数人でお酒を交えて会話するのが好きだったとしてもそれぞれの社員に好き嫌いや他にやりたいことがあると考えるため,それを好きではない人に強要することはほとんどないしそれが好きな人達の間で忘年会を開催すればいいと考えるのだ。
だが忘年会に参加した人は自分と気が合う人と上司は悟るようになって自然と忘年会に参加した人に対してえこひいきを行うようになっていくと筆者は考える。忘年会に来ない人のことを上司は見下したりしないが忘年会に来てくれた社員のことを手厚く歓迎するのは当たり前だし若年層はその傾向が非常に強いだろうと考える。その結束力は中年・高年層のチームより遥かに強いだろう。
こういった考え方の違いがあるから忘年会に来るか来ないかの勧誘一つで中年・高年層(上司)と若年層(新入社員)の間で大きくトラブルに発展すると考えてもよい。
〇まとめ
今回の内容をまとめると
〇BTSの原爆Tシャツ騒動によってファン(ARMY)の結束力が明らかとなった。ARMYはBTSおよびARMYたちのテリトリー(領域)を荒らすことを極端に嫌い,荒らしてきたものに対して反発する。
〇様々な様式や世界観を使い分けることが得意な若年層は複数のキャラを演じ分けることによって自分と他人の違いや自分自身とは何なのかを見つめ直す機会が多い。このことを多重人格のアイデンティティと定義する。
〇多重人格のアイデンティティの強い若年層は自分たちの好みを全く興味のない他人に強要したりはしないが興味のある人同士で話題を共有して結束力を強化したり,そのコミュニティを邪魔する人に対して容赦しない傾向がある。
若年層のファンを多く抱えるBTSはちょっとばかりのTシャツ騒動で心が折れるほどのアイドルグループではないのだ。そのようなこともあってARMYは非常に信仰性が強く「信者」と呼ばれていると考えられるがアイドルの運営や経済効果とかを考慮するとそれぐらい熱狂的の方が利益が大きいのだ。
果たしてここまで熱狂的なのもどうなのか,今回全く触れなかったがBTSをビルボードで1位にするためにネット票でイカサマをするというルール違反を起こしていいのだろうかという問題もある。自分たちの推しが1位になるためにずるをしてはいけないとももちろん思う。
↑多重人格のアイデンティティ(信者性)が強すぎるとどうなるのかについて詳しく書いてある記事です。是非ご覧になって下さい!!
だが今回はあくまでも人気を維持するため,経済的な利益を増やすためという側面でジャニーズ事務所とBTSを比較すると戦略的にBTSに軍配が上がると個人的に思う。
このようなジャニーズ事務所とBTSには違いがあるため同じようにイメージが悪化する騒動が起こったとしてもそれに対する被害が全然違うと筆者は考察する。
〇最後に
BTSがどうして日本でここまで人気になったのか?の<おまけ1>の「多重人格のアイデンティティ」についてのお話はここまでです!もともと2000字くらいでお話を止めようと思いましたが話したい内容が膨らみすぎて結果は本編レベルの長さになっちゃいました(第6章にしたほうがよかったかな...)
本編からたまにBTSを主軸としておまけという形で紹介していけたらなと思います!そして次回はSMAP解散報道で始まったジャニーズ事務所に降りかかる数々の騒動や今までジャニーズ事務所を支えてきたジャニー喜多川さんの死等に触れてどうしてジャニーズ事務所が衰退していったのかを分析していこうと思います!
♡ボタンを押していただけると僕のモチベーションになるのでよろしくお願いいたします!それでは!
最後までご愛読ありがとうございました!
次回へ続く...