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積極的に出来ない積極技法

ここまで、傾聴についてお話しをしてまいりましたが、この傾聴、カウンセリングの土台を成すものであることはご理解いただけたでしょうか?
なんとなーくでいいんですよ。これは、技法なので技術です。技術は一朝一夕で獲得できるものではないですからねぇ。技法を意識しながら聴く事を積み重ねていきましょう。
別に、カウンセラーになる気はないからー。という方は、ここまででも充分、人の話を聴くスキルアップが出来ると思います。でもその先、相談にのるとか、アドバイスをするという場面に役立つと思いますので、是非ともこの後もお付き合いいただければ幸いです。

さて、です。カウンセリングが本当に、難しい…。わからん…。と、本当の意味で壁にぶち当たるのは
実はここから先の話しになります。

ちょっと、話を外すと学校の授業が、ある日突然急に難しくなったと感じた経験はありませんか?基礎の部分って、簡単な事から何度も繰り返すので、「わかる!できる!好き!」なのです。しかし、ある日突然、手のひらを返したように、わからなくなる。すごいスピードで進んでいく。「わからない!出来ない!嫌い!」となって、玉砕。苦手な科目となって、さらに泥沼化していく。。
この話に、うなずいてくれたアナタなら、この後のカウンセリングの進み方が、一気に怒涛のようにやってきて、しかも一番重要な部分に突入しつつも、説明がわかりづらく一気に事が進んでいくという感覚を、肌感で『なるほど!』とご理解いただけるはずです。
このお話は、そんなアナタにお届け致します。

積極技法
(指示、論理的帰結、解釈、自己開示、助言、情報提供、説明、教示、フィードバック、積極的要約)

はい。これです!と言われても、さてさて何としたものか?となりますよね。

積極技法の段階とは、傾聴によって、信頼関係が構築され、その方の全体像や、課題がなんとなく見えてきた次のステップです。その課題をさらに明確にしながら、方向性や道筋を立てていく作業になります。
彫刻でいうなら、荒削りの次にくる工程。さらに対象物を生き生きと描き出すための繊細な作業となります。
積極技法と、4文字で書けるこの技法。びっくりするくらい、広範囲で奥深く、経験値が求められる部分です。
これまで、いくつかの講座で傾聴について学んだのですが、やはりこの積極技法になると、後はそれぞれで!解散!みたいに野に放たれる感が否めませんでした。
それは、そうですよね。経験値や知識、人間味みたいものまで要求され、ギュギュッと集約されている段階ですから。
積極技法のカッコ内に書かれているひとつひとつを、キチンと紐解いて、わかりやすして、身につけないと、結局カウンセリングって、話を聞くだけ。何も変わらんわ。と言われてしまう原因となります。
さてさて、カウンセリングの技法は日々進化し続けていますが、アイビーさんという方がカウンセリングをわかりやすく段階的に説明したものがあります。(アイビー マイクロカウンセリングで検索すれば、図が出てきますので、一度見ていたどけると良いですね〜)積極技法が、どの段階なのかよくわかると思います。

そこでですね。急がば回れと言いますので、この積極技法の前に相談者のマインドをもう少し考えたいと思います。
相談者は問題や課題が、ぐっちゃぐちゃになっている事が普通です。整理されている人なんていません。事柄(起こっている事の事実)と感情が掛け合わさり、その人独自の解釈によって、事実とは違う事柄(本人が起こっていると思われてる事態)が生まれていきます。
何本かの糸が複雑に絡み合い、どうにもこうにもならない状況です。
何色の何本の糸が絡んでるのか?一番太くて、長い糸はどの糸か?どの糸からほぐすと、上手くほぐれそうか?みたいな事をひもときながら進めていくのが、積極技法の姿勢だと思います。
指示という技法があるからと、突然、「あなたの問題は〇〇ですから、△△してください!」なんて、言ったら一瞬でこれまでの土台が崩れます。
そうならないためにも、ここからはゆっくり、じっくり腰を据えていきましょう。
To be continued!

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