心のフィルターを探せ!
さてさて傾聴について、大詰めを迎えましたよ。
傾聴技法のみのお話しであれば、だいたいは、ここまでで終わりとなりますが、こちらは、傾聴を土台としたカウンセリングとはなんぞや?をお伝えしたいので、さらに話を進めていきたいと思います。
カウンセリングとは言いましたが、メンタル系のクリニックとかで治療として行っているカウンセリングではなく、もっと広義のカウンセリングをイメージしていただいた方がよいかな?と思います。
話はちょっとそれますが、日本人は目に見えないモノ、コトに対して、それを繊細に受け止められる気質を持っているにも関わらず、実質の伴わないもの、知的財産に対して価値を見出すのが下手くそだと思うのです。
カウンセリングも、もっと身近にあって、ちょっと苦しい時、つらい時、心が疲れたと感じたらすぐに手当て出来るようになれば良いと思うのですが、まだまだ「我慢の精神論」を美徳としている民族には不必要であるとされているんだろうなと思ってしまう今日この頃です。
話しをもどしますね。それでは、傾聴技法がある程度理解出来たところで、次にくるのは、問題や課題のあぶり出し。でも、その前に知っておくことがあります。
今日は、そのお話し。
前回の質問の話しでも触れましたが、その方の主訴っていったい何なのかなぁ〜?って話を聞いていくのですが、その時、相手の経験や価値観をまるで映画を見るように状況を共有していく事ができるようになれば、本物。
私たちは、脳みそは共有出来ないんです。当たり前だけど。
例えば、『りんご🍎』って言うワードがあったとします。私の思い描くりんごは、父親の好物で、割と蜜の入った少し大きめな感じ。りんごは割と夕飯の後にデザートとして食べたけど、本当はミカン🍊が大好きなので、ちょっと残念な気持ちだった。でも、りんごをナベに敷いてホットケーキの元を入れ蒸し焼きにしたものは、めっちゃ大好きで、ソウルフードとも、言えるかも!etc…。
まだまだ、言語化すると、たかが りんごだけれどエピソードや記憶、感覚として持っているものってたくさんあって、そして、当然の事ながら、人それぞれ違います。
好き嫌いに話を限定したとしても、
大好物!
まあ、好きかな?
出されれば食べるけど
得意じゃない?
嫌いかな
見るのも嫌〜
と言う風に、違ってきます。そこに様々なエピソードが、深層心理下にあったとしたら、たったひとつの『りんご🍎』というワードでも捉え方は千差万別となります。
つまり、私の見ている世界(事実と思っている事)と、あなたの見ている世界(事実と思っている事)は全く、違うモノ・コトだと言う事を意識しないと、話しはどんどんすれ違っていくんです。
つまり、自分は赤いメガネをかけて、世界を見ていて、相手は青いメガネをかけて世界を見ている感覚です。
言葉も同じ。赤いフィルターと青いフィルターを通して、相手に伝わる。相手からの言葉も、青いフィルターと赤いフィルターを経て、自分に伝わります。もちろん、聴く側のフィルターが無色透明であればよいのですが、それは無理な話しです。
機械じゃないんだから。
そこで、大切なのが自分のフィルターを知っている事です。カウンセラーだと、教育分析とかスーパーヴィジョンなどを受けて、自己分析・研鑽をしていくんだと思いますが、そこまでしなくてもという方は、ちょっとした性格診断などからやってみると良いと思います。
自分のフィルターの色を客観的に知っていれば対処はできますからね。
本日は、次の段階に進むための、自分を省みるというお話しでした!ではまた!