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篠さんアテンド飯能・堪能ライド

飯能の山に思いを馳せる

「飯能の山はいいぞ」 関東近辺の自転車仲間が口を揃えてそう言うので、以前から走りたいと思っていたエリア。その中でも飯能の地を知り尽くし、日本縦断の女子ギネス記録を保持するスーパーサイクリストがいる。言わずと知れた自転車インフルエンサーの篠さんだ。今回は篠さんにコース作成からアテンドまでしていただいた一部始終を書いていく。


篠さんとの出会い

初めてご挨拶したのは、2022年のサガンライド。世界選手権ロード3連覇やツールドフランスポイント賞、パリ~ルーベ覇者のペーター・サガンと走れる企画があった。一般応募で当選した私とゲストで来られていた篠さん。偶然にも同じグループで1日を共にした。興味がある方は下の記事を参照。


その後も交流を深める機会があった。同じ年の秋、山梨に来てもらい一緒にサイクリングを楽しんだ。地元の人もあまり知らない道を選んだのに、「ここ知ってる」とか「この道進むとあそこにでますよね?」みたいに脳内マップ解像度が高くて驚いた思い出。そのライド最中に、「今度は飯能を走りましょう」と話していたが、月日は流れて2年が経っていた。

山梨の秋ライド2022

2024年、川崎の自転車イベントにゲストで呼ばれていた篠さんと久しぶりに再会し、話していた飯能ライドの日程約束をした。

さらに、このnoteで何度か登場している
・トライアスリートのひらめさん
・富士ヒル2023から仲良くなったにんにんさん
上記のお二人も今回のライドに参加してくれることに。ゲストも豪華になって俄然楽しみが増した。篠さんも含め、全員強くて発信力もある方たちなので、会話の内容も面白い。自分が経験したことないアドベンチャー的体験談や海外でのエピソードなどを聞いていると、停滞している今の生活に目標をもたらしてくれる。もちろん人間性についても素敵なのだ。


コースについて

コースは100kmぐらいで中身はお任せした。郷に入っては郷に従え。他の人が知らない隠れた良道をご存知だから、きっと楽しいに違いない。ライド1週間前に篠さんからコースが送られてきた。

さて102kmって出てるけど、どんなコースだろうか。
ワクワクしながらリンク先へと進んだ。

え、、、100kmで3000mアップ???
土地勘ない場所だけど、コースプロフィールから坂しかないのは分かった。ひらめさんにコースを共有した際にはこんな返事があった。

ルートありがとうございます!
100km 3,000m😇😇😇
最高ですね😇😇😇泣きそう😇

ironman出てる方でも怯むコース    

夏にエベレスティングを経験しておいて良かった。そう思った。


ライド前日

にんにんさんと山梨にて晩御飯を食べることに。
1日前まで香川や淡路島でサイクリングしていて、そこから山梨へ来県。フットワークの軽さもプラチナライダー級だ。富士ヒルの話をしたり、自転車業界の話をしたり、会話が弾んだ。ちなみにその一部とライドの模様がにんにんサイクルチャンネルで動画になっている。にんにんさんは聴いていると落ち着く声で、コンテンツ内容も面白い。ほとんど自転車系YouTubeを見ない私だが、Zwiftするときによく動画を拝見している。是非見て欲しい。



ライド当日

私は877Clubのメンバーと車で飯能へ。甲府からだと高速乗って1時間半ほどで着く。意外と近くて良い場所だ。結局メンバーが総勢10名集まり、数ヶ月楽しみにしていたライドが今から始まる。

前日に篠さんから日が出なくて寒いと思うので暖かい格好でと連絡をいただいていた。こういう地元民のアドバイスは助かる。連絡の通り11月中旬にしては気温が低く、長袖ジャージにベスト、ビブタイツのコーデ。予備でウィンブレもポケットに。

飯能の公園をスタートし、街中を抜け、少しずつ山の気配がしてくる。紅葉が良い感じに秋感を出している。

下の写真の踏切まで一同はクネクネした面白い下り道を通っていく。普段コースを考える立場が多い私は、皆が楽しくなるような道を篠さんがチョイスしてくれたんだなと思った。

この日は結構寒かったのに素手の篠さんに「寒くないんですか?」と質問したら、「氷点下ぐらいまでだったイケるよ〜」と答えをもらった。日本縦断中の過酷な環境でも走り抜けた彼女にとって、このぐらいの寒さは平気らしい(7℃ぐらい)

暖かい格好のにんにんさんと対照的な篠さんの構図

飯能の良いところは街中から山までのアクセスが早いこと。スタートから20分で武蔵横手駅手前を曲がって、ジブリ感のある大好物の林道へとつながった。

林道を登っていく際、「今日ってコンビニとか昼ごはん場所とか補給する場所ありますか?」と私が尋ねると「山入ると中々なくて……その辺に落ちてるどんぐり食べてください!」と言われ周囲は大爆笑。真面目なのか冗談なのか、本当に食べてそうだから怖い。

横手山から奥武蔵グリーンラインに入ると、勾配10%ほどの山を登ったり下ったりして進んでいく。ここらへんは、山梨のクリスタルラインと凄く似ている。ただ違うのはクリスタルラインは標高1000~1500mまで登らないと入れないが、飯能は標高300mから林道へアクセスできる点だ。

10人も参加していると走りながら全員とコミュニケーション取るのは難しい。折角の機会なので、集団の前に上がったり後ろに下がったりしていた。

ちょうど10%以上の長めのダウンヒル中に最後尾にいた時、事件は起きた。私の前にいたフィジカルオバケぼーたく君のタイヤがバーストしたのだ。ホイールからタイヤが外れており、本人も軽傷を負っている。小型電動ポンプを持っていたので直ぐに復旧できたが、この後更に急勾配が現れるので不安が残る。


ひとまず安全に下って、奥武蔵小学校前の自動販売機で小休止。先程どんぐり発言していた篠さんは、この日ボトルも持ってきてなかった。決して忘れたわけではなく、「このぐらいの気温ならボトルはいらないです~♪」と言っていて慄いた。3000mアップでボトルレスって人間的に強すぎる。

総フォロワー10万超えの3人
私のFACTOR OSTRO VAM Gen1と篠さんのORBEA ORCA OMX

この後は、高山不動尊へ登る。どんな道かは知らなかったけれど、激坂に現れるドーナッツ状の凹みがあるそうだ。STRAVAのセグメント区間を念入りにチェックしているのは、にんにんさん。ここからアタックするとのことで、私も付いていくことに。

可愛いらしいMAAPのウェアに身を包んではいるが、脚は全く可愛くない。序盤の勾配が緩い区間でドラフティング効果があるのに余裕で5倍を越えている。どんどん道が狭くなっていって、路面が少し荒れてくる。10分過ぎまでついていったが、富士ヒル終えてからレースを引退した今の私には過強度だった。千切れてからは後ろの集団まで引き返して、皆と一緒に。

合流してからは20%の激坂が永遠に続き、ドーナッツも登場。ヒルクライムというより筋トレに近い。いつ終わるんだよ。。。と泣きそうになりながら登っていると、先にゴールしたにんにんさんがロードレースの応援「アレ!アレ!アレ!、バモス!バモス!」と煽りを入れてくれた。

全員登り終わったところで、少し休憩。先程パンクしたぼーたく君のバイクチェーンが、落車時に曲がってしまいこれ以上の走行は断念。普段は東京に住んでいて、久しぶりに走る機会だっただけに残念。また次回の参加を心待ちにしている。

高山不動尊の頂上近くに奥武蔵グリーンラインの苔アートが出現。思わず停止して集合写真を撮影した。(一人減ってしまったのが寂しい)

ホッカイロで有名なホカロンから靴下がでていて、撮影案件を受けた篠さん。内側が起毛していて暖かいとのこと。

足元がお洒落

さらに進んでいき、刈場坂峠へ。
8の字になっているコース上の中心点に当たり、この後また戻ってくることになる。広い駐車場があって、以前は茶屋があったらしい。

かりばさかと書いて「かばさか」と読む

砂利の駐車場に、老夫婦が軽バンで軽食を販売していた。カップ麺やキノコ汁、バナナ、飲み物など。缶コーラ1本だけ購入したのだが、気温が結構低くてエネルギーが枯渇しそうな気がした。

どうしようかなあと悩んでいたら、周りの皆がカップ麺をどんどん買っていく。コーラ飲んでたら余計に寒くなってきて、欲に負けた。すごく久しぶりにカップ麺を食べた。富士ヒルガチ勢だったときは摂生していたので、五臓六腑に染み渡った。(だって皆があまりにも美味しそうに食べるから…)


食後は、一気に標高差550mのダウンヒル。予想通り勾配はきつく、九十九折りも多い。テクニカルで楽しい。「最近MTBばかり乗っているのでロードの下り方を忘れてしまった」と話す篠さん。確かに最初はぎこちなさがあったが、どんどん順応していきめちゃくちゃ速い。以前山梨を一緒に走った時も思ったが、下り方も綺麗ですぅーっと進んでいく。気を抜くと置いてかれそうになるので、集中してついていった。

あとクライマーあるあるだが、人より登ることが多い=下ることも多くダウンヒルが速い人が多い気がする。にんにんさんも例外では無かった。

小さな山を登り直すと、今日一番開けた場所についた。Vlogを回しているにんにんさんが、下界に見える街を指さし「あそこに見えるのが大宮ですよ〜」とホラを吹く。いくら山梨県民で土地勘が無くても流石に騙されない!!


再度こちらで記念撮影。
30〜60代まで幅広い年齢層なのに、ここまで一緒に楽しめるスポーツってすごくないか?改めて思う。あと子育て終えた40〜50代が強いのも自転車の特徴だと思う。

その後、定峰峠へ向かう。
定峰は今まで登ってきた山と比較するとなだらかだ。トレインで練習するのにも良さそう。私は中盤から1人で踏み始め、所謂『前待ち作戦』を決行。いい感じの撮影スポットを探すためだ。ブラインドコーナーを抜けたところで待ち伏せして、撮影した。

にんにんさんが「プラチナとるんだろ!!」(なおしさんの富士ヒル感動コンテンツ参照)と言わんばかりの鬼引きをしてるように見える。しかし、3倍ぐらいで踏んでて顔だけ作ってくれてる。ユーモラスなノリをわかってくれてる。

さて、登り切るとイニシャルDの聖地でもあるこちらの茶屋が見えてくる。少し休憩。走り屋世代ではないのだが、実家にあった漫画本を読んでいたので、あーここか!と思い出した。ちなみにMFゴーストも全巻読んでる。ヒルクライム仲間のしろわん君もよくここで写真あげているなあとか考えていた。

残り時間を考えると日暮までギリギリなので、長居はせずに最後のヒルクライム『子ノ権現』へ。と、その前に定峰峠から先程の刈場坂まで結構登る。

ここで、ひらめさんが結構キツそうにしてる。脚が元気な人は前に行ってもらって、私は殿(しんがり)を務める。大人数ライドだと脚力の差がどうしても生まれてしまう。特に終盤で一人にされるとメンタルにくるものがある。だから前半は前目で元気な強い人たちと走って、後半は遅れた人をケアするようにしている。

苦しくても決して脚を止めることが無いひらめさん。9月にフランスで開催されたIronmanニースでは獲得2400m超の山岳コースを走り、さらにスイムとフルマラソンをしている訳ですから、メンタルが弱い訳がない。海外の地で訪れるトラブルを乗り越え、出場し無事に完走するだけでも尊敬だ。レースレポートを読むと痺れるものがあるので、ぜひ。

さて、子ノ権現の麓まできた。平均10%のヒルクライム。ここまで来たら出し切ろうと思って、にんにんさんについていく。この日のライドが楽しすぎて、速く登りたいけれど、ずっと終わって欲しくもないような不思議な気持ちになっていた。

峠へのアプローチは前半からイーブンペース。アベレージ261W(5.1倍)で途中前に出ることもあったが、最後は先を行かれてしまった。やっぱり強い。サイコンに表示されているセグメントのゴール地点が少し下ったところまであり、それを知らないメンバーたちが頂上にいる。Uターンし肩で息をしているところを撮影された。富士ヒル選抜クラスで走った仲間とこうして勝負できるように脚をキープするのは至難だ。また遊んでもらえるように練習しなければならない 笑。

下りは最大勾配28%の超激坂があり、お尻を後ろに引いて下っていく。反対からここを登るのはかなりキツそうだ。集合地点まではあっという間で、本当に平坦が無かった。

ゴール後は、篠さん著書の『ヒルクライムステップアップ』サイン会が行われた。以前に2024買って良かった自転車用品で紹介した本だ。

Amazonでも購入できるので、自転車をもっと楽しみたいと思う方はご一読を。篠さん、コース作成からアテンドまで本当にありがとうございました。またの機会でご一緒できれば幸いです。


帰りに談合坂SAで食べたすた丼。染みた・・・。

おわり

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