ドライヤーハンズフリー化への試行錯誤(2)
ドライヤーホルダーを作る動機
実験条件
洗面所で使用するドライヤーをハンズフリーにしたのですが、破損してしまったので再挑戦しました。
設計手順
今回はスキャナを使ってドライヤーの外形を取得しました。試用したスキャナとは、iphone12 Pro MaxとQlone(アプリ)の組み合わせです。スキャンしたSTLファイルはこんな感じ。上部はスキャンエリアから外れてしまったので半分だけ残っていますが、それでも何とか使えています。ハンドル部分だけあればよいので。(このデータはすでにローポリ化されています)
縮尺を合わせてキャンバスと組み合わせるとこんな感じ。みにくいですね。
xz平面に投影したのがこちら
yz平面に投影したのがこちら。
ここを起点に設計しました。設計は動画にまとめてあります。お聞き苦しいかもしれませんがこちらをご覧ください。
写真を撮ったりの工程は以前のnoteにまとめてあります。やってみようかなって方がいらっしゃればこちらもどうぞ。
ちなみに、ドライヤーは、Panasonic製、EH-NE6Eです。
STLファイルを使う方もいらっしゃらないと思いますが、念のため。自分のデータの管理にもこちらを利用しています。写真はきっと古いPCにはいったままでFusion360に取り込んだものを外部に持ち出せないので諦めます。
Prusa Mini+でのプリント
始めはPETGでプリントしました。上部のひっかける部分の積層強度が弱いかなってことで以前は寝かせてプリントしていたのですが、今回は立ててプリントしますのでPLAより積層方向の強度がたもてる(?)PETGにしました。サポートはチューニング済みです。
この時の条件に追加して使っているのはサポート材の射出幅を減らすことです。これによりサポートの取り外しが容易になります。
しかしながら、これでやるとサポートがスカスカになって途中で崩れ、インターフェースレイヤーが十分な領域作れないままに造形をするので失敗となりました。
再プリント
次は、サポートが付かないようにFusion360で分割してプリントしました。
プリント後、接着剤で接着します。くみ上げたのがこんな感じ。継ぎ目がはっきりわかります。
ま、一つ不備があってまたプラグが穴を通りませんでした。なので電源ケーブルをまげて上部からケーブルを出しました。
で、半日後に見たら崩壊していました。まぁ、確かに強度が不足していそうです。メカ屋さんなら絶対にやらない失敗だろうな。
PLA proでの再プリント
結局、PLANproでプリントすることとしました。今回の違いはこちら。積層方向の強度が弱いのでPETGにしたり分割してプリント方向を変えたりしていたのですが、PLAでプリントするということでこのように筋を切ってみました。こちらもはるかぜポポポさんのnoteからお知恵を拝借しました。
スライスするとこんな感じ。外周を3としていくつも刻みが入っていますので積層方向の強度も増しているのではないでしょうか?きっと。信じています!(壊れたときにはドライヤーが落ちてきますので)
あと、サポートの幅もがっちりするように強制サポートでがっちり付けました。
結果はこんな感じです。良い感じ、としておきましょう!あとは崩壊しないことを祈るばかりです。
ちなみに、前回のバージョンがこちら(すでに崩壊)
今回のほうがスマートな印象になっているのではないでしょうか?
結果と考察
今回は、写真と3Dスキャンを組み合わせることでドライヤーのハンズフリー化を実現しました。ここまで来るまでに、はるかぜポポポさんのnote、テルえもんさんのyoutubeに大変お世話になりました。
課題として残るのは、2点。
切れ込み幅を0.1mmとしていたのですが意外と目立つ。ここはつながってもよいと思いますので、0.05mm程度まで細くしてもよさそうです。次回は..…きっと崩壊しないと思いますので別の作品でやるか、実験で確認したいと思います。(最近、実験頻度が下がっています.…)
フィレットや面取りがうまくいかないことがある。今回は特にここで苦労しました。面を削除してつないだりといろいろやってみましたが、エラーになってしまって最終的にはあきらめました。(スリットを切る前でも上面はフィレットや面取りができず、でした)
テルえもんさんの動画で解説してくれると嬉しいなと思いながらこのブログは書き終えたいと思います。
必要な方がいるかどうかは別にして、Printablesにアップしておきました。
Happy Printing!