Plant Potを作る実験
PrintbleのコンテストでPlant Potというお題がありました。先日、YoyomakerさんのYoutubeライブを聞かれている仲間内のBaGoonさんが、コンテストで入賞されたとのことで、私も刺激をいただきました。
基本、3Dプリントにどっぷりはまっているのですが、プライベートでも仕事の調べ物(量子xx)をしたり、苦手のソフトウェア開発(Python)を始めてみたりといろいろ寄り道をしています。今回も妄想だけはありつつ、毎日帰宅後にちょこっとデザインして、朝出社前にプリントし、帰宅後プリントしでしたので、やり切った感がありません。(いいわけです。締切日中に結果がでて、今回も入賞を逃しました)
自分なりには結構さくっとデザインできたので、次につながるかなと思っています。ということで、本日はデザインしたPlant Potに関するものにします。また、フィラメントですが、バイカラーフィラメントに興味があったのですが最近フィラメントを買い込みすぎのところがあり、海外からの購入を避けてきました。Amazonで見つけて購入してしまったのでそれを使った試行もしています。
実験条件
使用したフィラメントはこちら。使用したのはクリアですが、なぜか現在は購入できません。
MagicPLAはこちら。4色入っていて1kg。購入した時には2300円ぐらいだったような気がします。
Fusion360でのデザインコンセプト
丸ではなくちょっとおしゃれなシルエット(私にとって)にしたい、することを目指しました。また、水受けの皿があると景観を損なうというのが私の考えです。なので水受けの皿を引き出し式にして通常は隠せるようにしました。
まずはMini+でプリント可能なサイズのあたりをとります。何度か手を入れましたので線がたくさん書いてありますが、外側(左端のコンストラクションライン)が外寸(180mm/2)です。
前方方向から見た最大サイズをあたりとしてとって、その後それを外形寸法として底面に円を描きます。そしてそれを装飾する円を描いていきます。45°で一つの模様として描き、原点を中心にコピーします。
ロフトの機能を駆使しようと思いましたが、そんなことをしなくてもスイープ機能とガイドレールを使えばこんな形も思い通り。(実はロフトで作成した後でスイープ機能を使ってみたら問題なくできた例。)
次に、鉢の底面をV字型にして排水しやすいようにします。鉢の底面を切り取るためのスケッチを回転させて面を形成します。
作成した面で立体を分割します。
V字の頂点はメッシュ構造にして排水できるようにします。メッシュはパイプ機能を用いて作成しています。メッシュの幅でパイプ(断面:正方形)を描きその上面を引き上げる形でメッシュの高さを修正しています。メッシュを描いているのは切り取った面となりますので、メッシュの底面は切り取った面よりもメッシュの寸法/2だけ下がっていますので、その分も切り取って削除します。
メッシュをそれをうける形で下に皿を置きます。皿は引き出せるようにしておきます。うまく、下図のように切り取れるように何本か補助線で切って結合してを実は繰り返しています。
必要なクリアランスを設けると出来上がり。クリアランスは0.5mmとしました。サポートは最小限となるようにしています。そこもこだわりです。
こちらがデザイン後です。
一次試作
スライス
初めは何も考えず、0.4mmノズルでスライスしますプリントしました。
本体:17:40,受け皿1:22、トータル19時間かかります。出勤前にスライスする時間がとれず、とりあえずこれでスタートします。
プリント結果
できあがりがこちらです。
とりあえず、成功! これでコンテストに応募するための作品はできました!
インフィルにサポートキュービックを選択しており、インフィルの模様が透けて見えます。これはこれで良しとします。
1.5次試作
デザイン変更
メッシュが細かすぎると詰まるかなと思い目を粗くしています。
スライス
プリント時間を最小限とするためにいろいろいじりましたが、結果としてそれほど変わらなかったのでかなりデフォルトに近いです。特に、大型のものということで、0.6mmノズルに変更し、積層ピッチを0.3mmにしました。結果、本体:11:15、受け皿:0:57、計12時間ちょっとになりました。(1時試作はPETG,1.5次試作はPLAなので直接比較は意味がないかもしれませんが)
プリント結果
まず使用したのはバイカラーフィラメント。実は、このフィラメントは4色入りで1kgですので、各色250gしかないのですが、これまでの経験上いけると高をくくっていました。が、本体346.77g、受け皿32.11gの合計380gほど必要でした。ということで、本体の途中から木質フィラメントを使う羽目になりました。もうひと箱買い足そうかとも思いましたが、向きがずれる可能性が高く、そうすると見え方の一貫性が損なわれます。
見る方向によって印象が変わる、素敵な(自分でいうか?)作品となりました。しかしながら、最低限、受け皿と本体は同じフィラメントにすべきでした。次回は、受け皿→本体の順として、不足分は別のフィラメントで補うようにします。
2次試作
デザイン変更
如何せん、プリントに時間がかかりすぎるので肉厚を3mm→2mmに変更しました。
スライス
プリント時間を最小限とするためにいろいろいじりましたが、結果としてそれほど変わらなかったのでかなりデフォルトに近いです。結果、本体:8:47、受け皿:0:58、計10時間弱になりました。約2時間の短縮です。
プリント結果
写真を撮ることなく、同僚に差し上げてしまいました。結果としては、胴体(波型形状)部分のインフィルがなくなったことにより、初めにあったようなひし形の透かし模様がなくなりました。0.6mmノズルで240℃でプリントしたことにより透明度が増しました。主人公は花ですので、こちらのほうが主人公を引き立てるという意味ではそのうち、再プリントして掲載します。
考察
口はすぼめないほうがよさそうです。波形状のところに土が引っかかります。(ひっかかりました)
もしかしたらロフトを駆使して、口の形状と底の形状を変えるなりしたほうがよさそうです。タイトルのポットは母と一緒に花ひろばに行って購入してきた花を植えてみたものです。チランドシアという珍しい花です。
こちらに、時間短縮後のPETG、PLA、木質フィラメント用のgcodeなど共有していますのでご興味ありましたらダウンロードしてご使用ください。