女子中高生向けのSTEAM教育 ~CPSを3Dプリントで体験してみる!Part5(2024/8/3)
2021年夏、遊びに行きたいのにいけない、いけない、いけない、が続き何か新しいことに挑戦しよう!と3Dプリンタを購入しました。その後、ほぼ毎日実験しています。こんな面白いものを独り占めするのはもったいない、という気持ちでいっぱいです。
また、リケジョを増やしたい!という思いで、女子向けSTEAM教育に関与したいなと常々思っており、大学のダイバーシティー推進センター企画のSTEAM教育に講師として参加しました。今回、第5回となります。先生、アシスタントの方、サポーターの皆様、ダイバーシティー推進センターの皆様に感謝!です。
ちなみに、私が大学生の時には、学科の女子率は4人/200人=2%でした。現在は10%程度ということですので、5倍になったということになります。それでもまだまだだなと。小さいときからモノ作りの楽しさを知ってもらうというのが重要かなと思っているため、STEAM教育に携わりたいと思っていました。
結果、18名の女子中高生の方が参加してくれました。
一緒に企画を盛り上げてくださった、大学生の皆様、サポートしてくださった事務局の方々に感謝!そして約半日、頭をフル稼働してくれた中高生の皆さんに感謝!です。
当日のルールは以下の通り。
初めにデッサンをする。寸法も書き入れる。ここで設計をすませておく。
色は1色まで
造形寸法は $${120mm^3}$$(複数パーツがある場合には、サポート最小の方向で並べる)
また、当日全体に向けて説明したのは、スケッチ、押し出し、回転といった基本機能のみです。全員、初めて3D CAD(Fusion)を使うため、視点の切り替えなどこれらの機能を使いこなす以外にも覚えることが多くなり、説明時間が長くなるためです。よって、アシスタントの力量が求められます(それなりに自分で設計した経験が必要)。Fusion上での設計は参加者の方が自ら取り組まれ、そのあとのスライス、プリントはこちらで担当しました。
前回までの反省点を生かしていくつかの準備をしました。
作りたいものの難易度とアシスタントのスキルを一致させる
実現困難なものは企画参加前にデザインの変更をお願いする
指定のサイズに入らない作品は事前に伝えて寸法を変更する。すべて0.4mmノズルを使用することとし、できるだけ早くお手元に届けるために大きさを制限しました。
デッサンに寸法が入っていないものは、CAD入力前に寸法をデッサンに書き込んでデザインを確定させる。
休憩時間をとる。根を詰めてしまう作業であるため4時間座りっぱなしにならないようにした。
設計の意図を最重要視する、ここ重要!
サポーターの方にアシスタントからレクチャーし、練習課題をモデリング。そのうえで、事前に参加者の担当分のデザインを設計してもらい当日指導できるようにした。
参加者の方には事前にデッサンを提出していただいていました。Formを使わないと実現できない、丸っこい設計図があって無いようなデザインや、実質の設計時間3.5時間の範囲で設計しきれない複雑なデザインはデザインを変更してもらうようお願いしました。
前回までの反省として、”自分の作りたいものを作れる範囲で作る”ことができるアシスタントの方が、必ずしも他人の作りたいものを実現できるわけではない、ということがわかっていました。中高生の参加者が作りたいというもの(バラエティに富んだ、作れるかどうかを考えないもの。これ重要!)を実現するにはかなりのスキルが必要で、難易度の高いモデルは経験豊富な方に担当してもらうこととしました。アシスタントの方々は自身が担当される方のデザインをどのように実現するのかを、それぞれが予習してきてくれました。本当に皆さんの頑張りに頭が下がります。
今回も、アシスタントの絶大な協力を得ました。(弊社の若手ホープ)サポーターの指導にあたってもらい、担当の割り振りから何までおねがいしました。そして、当日は全体に目を配ってもらいました。これが一番重要だったと思います。
こちらの難易度、工数の見積もりについては参加者の方の力量を一律と考えたときのものですし、実際には想定していなかった問題がありましたのであくまでも、デッサンから読み取れる情報から見積もったものです。
このマップに実際は足りない視点は、参加者の経験値・力量でした。実は、すでにFusionに触れている方もいらっしゃり、そうすると難易度が変わってきます。また、図面に描かれていない要素(後で足した要素など)もここでは考慮されていません。こういったところが、準備とリアルの差異となり、当日埋める必要があり、埋められる人をアサインする必要があるということです。
今回5度目だったわけですが、回を重ねるごとに完成度が上がっていると思います。前回、説明の難易度が高くてわかりにくいという声がアンケートでありました。私も初めの説明とか、もっと工夫しないとな、と反省しました。できる限り丁寧に説明したつもりですが、前のほうにいた方々がサクッと進めてしまわれていたので、丁寧に、でもサクサク進むと、ついてこれていません!と申請があり、ペースを落としながら説明しました。(単なる言い訳です)
次は、サポートに目配りしながら進め、もっと良い企画にしていこうと思います。
今回初めてテストピースを提供しました。サポートが必要!とか、サポートの下はあれるよ!球形の上面はがたがたになるよ!壁の厚みは薄いと貧弱だし厚くてもやぼったいよ!(5mm,10mmの壁としてよく仕上がってくるので)。これらは言っても伝わらないかなということでサンプルを作ってみました
麦茶さんのライブで紹介されたケースを作成し、テストピースを詰め込みました。
今回は、Prusa Research様にご協賛いただき、フィラメントをご提供いただきました。
また、こんなすてきな作品群をお貸出しいただきました。
絶対自分じゃ作れないよね、っていうのは悔しい限りですが、プリント作品に手を加えるとこんな完成度までに仕上がるんだ!というのを実感しました。きっとご覧になられたみなさん、感動し、インスピレーションを掻き立てられたことでしょう!
目的と試験方法、使用材料
使用条件と使用したフィラメントはこちらです。
信頼性の高い機材であるPrusa機と、信頼性の高いノズルであるKaikaと信頼性の高いフィラメントの組み合わせにより、失敗のリスクを減らします。
残るリスクは、私のモデリングとスライススキルです。
3Dプリンター
今回使用したのは、新規に購入したPrusa Mk4 1台と、Prusa Mini+ 2台の計3台です。
ノズル
新規にPrusa機向けに購入するノズルはKaikaのみになっています。
今回使用したのは、kaika640(穴径 0.4mmノズル)と、耐摩耗Kaikaです。
3D CAD
個人ユースであれば無料で使えるFusionが私の味方です。年間収益が ¥145 336 未満で、非商用目的で個人的に デザインなどされる方は無料で使用できます。学生さんであれば機能限定されないバージョンを無料で利用できますので是非ダウンロードして使ってほしいです。
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/personal
スライサ
Prusa機との相性も良く、完成度も高く、どんどん機能が追加されるPrusaSlicerを愛用しています。私のnoteでもスライスのTipsを共有しています。チューニングしなくてもそのまま使えるのがPrusaSlicerの強みだそうです。(私はいじりますが)
今回、印刷時間を比較として載せていますので、同等の条件としています。(PrusaMiniとMk4で異なるでしょうが)
すべて、PLA利用、0.4mmノズルでInput Shaper利用 0.2mm STRUCTURAL からできるだけ条件を変えずにプリントしています。
https://www.prusa3d.com/page/prusaslicer_424/
接着剤
PLA素材の接着にはアクリサンデーが最強です。今回もそちらを使いました。樹脂を溶かしてくっつける溶剤タイプです。
フィラメント
以下、使用したフィラメントです。
最近は安定したプリント品質を提供してくれるSK本舗さんのフィラメントを主に愛用しており、そちらにどんどんスイッチしています。(3,800円/kgとちょっとお高め)
今回、Prusa Research様のご協賛により艶あり系はPrusamentでのプリントとなりました。ありがとうございます!残念ながら日本のAmazonだと在庫切れのようですので、本家のリンクを張っておきます。私も、ここぞというときにだけ使用する、高級・高信頼のフィラメントです!
光沢あり・シルク系(画像にリンクあり)
Prusament Lipstick Red
Prusa Galaxy Black
Pearl White (Blend)
Oh My Gold (Blend)
Simply Green
Gravity Grey
艶消し・マット系
マット薄緑
ホワイト
マット黒
マット水色
マットイエロー
マットピンク
1. くるみさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
小物入れです。図面の数値が読みにくいですが、きちんと寸法まで入れられていました。
手数も少なく、垂直方向の辺にはフィレットが入り丁寧な作りになっています。デザインはシンプルですが、手数の少なさから初めてではないのかなと感じました。
角だけとがっていると見た目に恐いので、面取りをしました。必然ではないので、修正扱いとはしません。
Prusaslicerによるスライス
スライスした結果はこちら。大変時間を要します。なので、出勤中にプリンタにがんばってもらうこととしました。
ちなみに、通常のプリントだとこのぐらい要します。1層の高さ(レイヤハイト)を0.2mm→0.3mmとすることでプリント時間を一時間ほど短縮しました。
プリントした作品
美しく、使える作品に仕上がったのではないでしょうか。Prusament シルクホワイトでプリントしました。
総括
手数も少なく、手慣れた感じでデザインされています。作図においても原点をうまく利用されています。使える作品が仕上がったと思います。プリント時間が約9時間と長くなったのは壁が厚すぎたことが原因です。5mmの厚みは不要と思いますが、シンプルな作品ですので壁厚を変更すると質感が変わるので今回は手直しをしませんでした。是非次はもっといろんな機能を使ってオリジナル作品に挑戦してもらえればと思います。
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
2. りんさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
小物入れです。寸法もすべてデッサン上で記入されています。見取り図と全方向からの図面が作られていました。きちんと設計されているということになります。
手数も少ないです。
本来は水平方向の辺の角をとるのはフィレットよりも面取りをおすすめしていますが、フィレットを使用されていました。大変惜しかったのは一か所だけフィレットをかけ忘れていましたので、こちらで修正しておきました。細かいところまで配慮されているので惜しかったです!
Prusaslicerによるスライス
サポートは必要ありません。プリントの難易度は高くありません。
プリントした作品
マット水色でプリントしました。端正な形です。
総括
デッサンでは必要な寸法など抑えたうえで、モデリングは手数が少なく、慣れていらっしゃるのかなと思いました。出来上がりもとても美しいです。是非、次回はほかの機能も駆使して新しいデザイン、世界に挑戦してほしいです。
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
3. るなさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
小物入れだそうです。スケッチにしっかり寸法が入れられています。丸い形の直径などが記入されていないのは大目に見ましょう。耳は前後中央のどこに位置するのか、耳と耳の間隔は記入されていません。
履歴の黄色の部分はエラーです。かなり苦労されながらモデリングされたのだと思います。それでよいと思います。一人だとどうしてよいかわからなくても、この場なら優しい先輩が手ほどきしてくれます。是非いろいろ挑戦して、目指すところにたどり着いてほしいです。
一つ非常に気になったのは厚みの分布です。かなり厚い場所があったり、薄い場所があったりします。厚い場所はプリントに時間を要すだけ、薄い場所は割れやすくなります。
ご本人の意図を想定し、薄すぎる部分、厚すぎる部分を修正しました。一切外観には手を入れていません。
実はこの作品は4度目のプリントで成功しました。その理由は、立ち上がりんの角度(下の図はひっくり返してみてください。頭頂部を下にしてプリントします)が浅かったためです。ここが浅いためにサポートをつけざるを得ず、サポートをつけるとサポート痕が残ります。サポートをつけないとそれはそれで表面が荒れます。
Prusaslicerによるスライス
設計変更後のスライス結果です。
サポートはつけません。耳の部分のへこみも、面積が小さいですのでサポートなしで行きます。
こちらがオリジナルです。サポートが付く分時間を要します。
以下、当初のコメントです。
上部、下部が丸い形になっているためにサポートが付きます。初めのデザインであれば丸みはなく水平に切り取られていたのでこのほうがきっときれいにプリントできます。(サポートの上の丸みは汚くなることが多い)
プリントした作品
マットピンクでプリントしました。当初の形とは少々違ってしまっていますが、ほぼ思い通りの作品に仕上がったのではないでしょうか。この形状にすることにより、サポートをなくし、きれいにプリントすることができました。
ちなみに、失敗(とした)ものがこちらです。
総括
たくさん手を動かしてモデリングに挑戦されました。素晴らしい!そのためのイベントです。たくさん失敗して次につなげてほしい!
そして、かみ合わせ構造の作品を断面のスケッチをして回転させる工程は、シンプルながら頭を悩ませたと思います。こういった使えるものは、どのぐらいのクリアランスとか重なりがあったらよいかというのは何度か経験してわかるものです。是非、また新しい作品にチャレンジしていただきたいです。
サポートの必要性: なし
設計変更: あり
4. まこさん(高1)
スケッチ&Fusion360での設計
花瓶です。人の顔を回転させることにより花瓶にしています。この時点では、厚みを10mmとしていましたが、モデリングで厚みを減らしてもらっています。(助かります!)
手数はそれほど多くありません。綿密に設計するというよりは、アイデア勝負ですね。回転機能をうまく活用した作品を考えられました。スケッチして、回転すれば実現できる作品ですが、スケッチが履歴上いくつもあるのが気になります。顔の線を複数のスケッチで描いたので閉じた形とならず、回転できませんでしたので、最後にすべてのスケッチをコピーして一つのスケッチにしました。お疲れさまでした。
また、思い通りのラインを一本のフィット点スプラインで描こうと苦慮されていたようでした。フィット点スプラインはできるだけ少ない点で構成する、連続して描けない部分はあきらめて別のラインとする、フィット点スプライン同士は補助線(フィット点スプラインの各点での接線をコントロール線)の拘束で滑らかにつなげるといったテクニックが必要です。
デッサンとモデルは必ずしも一致していません。額の線がかなり寝たこともあり、その部分にサポートが付きます。また、内部にサポートが付く場所があります。台座部分のプリント時間も長くなります。(実は、サポートなしで強行でプリントしたのですが、内部にたくさんフィラメントが浮いています)
ですので、こちらのように内部の形状をシンプルにさせてもらいました。また、上部で2つに分割してサポートが付かないようにしました。
Prusaslicerによるスライス
オリジナルの構成では5:13時間プリントに要します。実はこちらでプリントしましたが、サポートが付いた部分がざらつき、内部のサポートが必要かどうか微妙な部分でプリントに失敗したため、先ほどのような設計変更をしました。
設計変更後のスライス結果はこちら。時間を3:02に短縮できました。
プリントした作品
Prusament Oh My Goldでプリントしました。
こちらが設計変更後のものです。
こちらが設計変更前です。
総括
スケッチ→回転→シェル(くりぬき)のシンプルな工程でしたが、顔のスケッチに苦労されました。実現したい形との兼ね合いですが、サポートが付かない輪郭とすることにこだわってもよいかと思いました。また、使用するフィラメントを変更することでもサポート上部のあれを提言することができます。こういったことは、プリントも含め、自分の手を動かして初めてわかることだったりもします。是非今後も継続して新たな作品を生み出してくれるとうれしいです。
サポートの必要性: なし
設計変更: あり
6. ちひろさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
キーホルダーです。バスケットボールでしょうか。
手数もそれほど多くないです。スケッチ、押し出し、コピー・ペーストのみで作品を実現されています。
Prusaslicerによるスライス
小さい作品ですので、プリント時間も短いです。サポートも必要ありません。
プリントした作品
マットイエローでプリントしました。
デッサン通り、モデリングした通りの作品が出来上がったのではないでしょうか。
総括
表面を丸くしたりせずシンプルにしたことで美しい仕上がりになったと思います。一方で、せっかく使える領域(面積)があるのですから、残った時間で別の作品も作られてもよかったかもしれませんね。是非、次はほかの機能も用いて新しい作品にチャレンジしてください。
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
7. ももこさん(高1)
スケッチ&Fusion360での設計
当初の計画では、壁の厚みが5mmの四角い筒でした強度的には5mmの厚みは不要ですので、厚みを減らされたことは賢明だと思います。
表面に鱗様の模様を入れられました。また、模様を追加されたのは素晴らしいことだと思いますが、デッサンに反映されるとさらに良かったかと思います。いくつもデッサン上でひねりを入れることができます。
うろこ模様は凹凸などいろいろ検討されていました。時間のある限り手を動かされていたのは素晴らしいと思います。
Prusaslicerによるスライス
水平面に凸凹がありますのでサポートが付きます。
プリントした作品
マットホワイトでプリントしました。このように美しく仕上がっています。サポートが少し取り切れていないようですが.…
総括
始めはシンプルなデザインでしたが最後まで手を動かし続けることで素敵な作品を作られました。もしかしたら経験者でしょうか。手慣れた感じがあります。
次回は、もっといろんな図柄を入れたり、柱をねじったり複雑な形にするなどして、新たな作品を作られることを期待します。
サポートの必要性: あり
設計変更: なし
9.さきさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
アクセサリースタンドです。きちんとデッサンに寸法も記入されており、作られるもののイメージをしっかり持って参加されていると感じました。
モデリング結果はこちら。履歴を見ると、様々な機能を駆使してモデリングされたことがわかります。作りたいものを実現する手法は一つではないので、どんどん手を動かして、失敗して、チャレンジしてほしいです。この場所はそれを実現するところです。
元のデザインですと、Fがうまくプリントできない(サポートが必要となる、サポートの上部はフィラメントによってがりがりになる)ことがありますので、半分に分割して後程接着することとしました。
差し込みが浅かったことが気になりました。これだと差し込んでもすぐに外れる可能性があります。この作品は発送時のサイズを小さくするためにはFの部分を外せるようにしたほうが良いと思いましたのでなおさらです。
差し込み部分を深くしておきました。
Prusaslicerによるスライス
プリント自体は難しいデザインではありません。サポートも不要です。
プリントした作品
マットグリーンでプリントしました。Fは外せるようにしてあります。デザインした通りの作品になったのではないでしょうか?きっと、Fを分割しないでプリントすると、穴にうまくはまらない、クリアランスをとりすぎるとグラグラします。
総括
たくさんの機能を用いてたくさん手を動かしてモデリングされていました。サポートが付かないようにしたことできれいに仕上がったと思います。Fusionにはたくさんの機能があることを理解されたと思いますので、次はもっとほかの機能を駆使した作品にチャレンジしてほしいです。
サポートの必要性: なし
設計変更: あり
10.なつきさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
キーホルダー掛けです。デッサンにすべての寸法を記入されていました。
モデリングした結果です。たくさんスケッチがみられますが、本来はここまでのスケッチは不要ですし(最小2つ)、フィレットも何回かに分けて掛けられています。一度に複数個所にフィレットがかけられますし、順番によって出来上がりも変化しますので、次回はやってみてもよいと思います。
クリアランスも半径で0.15mmとられていますので抜けないようにするにはちょうど良いと思います。もし、抜き差しするのであれば0.25mm~0.3mmのクリアランスが必要です。
3Dプリント品はZ方向の強度が弱いのです。なので、分けてプリントするように設計されたのかもしれません。ただし、強度を確保するために寝かせてプリントする場合には、分割する必要があります。この太さであれば一体でプリントしても、垂直方向(積層方向)の強度も問題なしと思います。もしかしたらご自身で接着される予定なのでしょうか?発送時の大きさを考えると別体としたほうが良いとは思うのですが。ということで、せっかくここまでしていただいたのですが、一体でプリントしますね。内部の縦方向にXを押し出して抜いたことで、表面積が増えます、すなわち強度が上がるのです。なので、ちょっと手を入れさせてもらいました。これは、私の勝手な思い付きなので、設計変更にはカウントしません。
Prusaslicerによるスライス
サポートは不要です。特にスライスの難易度は高くありません。
プリントした作品
マットピンクでプリントしました。きれいに仕上がっていると思います。各角もフィレットを入れることで滑らかな(痛くない)仕上がりになっています。
総括
本体にフック部分を差し込む設計とし、クリアランスもきちんと設けられていました。(設計変更してしまってすみません)シンプルながら、細かいところにも配慮が行き届いていました。Fusionにはたくさんの機能がありますので、是非次回は新しいジャンルの作品に挑戦してください。
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
11.しのさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
ペン立てだそうです。寸法から設計方針までデッサンに書き込まれています。一方で、手の部分の構造がわかりません。よくよく見ると、底の厚みが20mmあります。プリントに無駄に時間を要します...…
こちらがモデリング結果です。無事、手がついています。手にはフィレットも入れられており、細かいところまで気を配られています。
あぁ、やはり底が分厚いです。プリントする際は気づけなかった..…ここまで厚くしても強度的には変わりません。(効果なしという意味)
Prusaslicerによるスライス
大きく、分厚い作品のため、プリント時間が長いです。あと、手と目が飛び出ていますのでサポートが付きます。サポートは一分以内ですので誤差ですが..…
プリントした作品
マットイエローでプリントしました。かわいらしい作品に仕上がったと思います。
総括
最終的なモデルはもともとの意図に沿っていたのでしょうか。つけられたらつけるとしている”手”まで作れたということは、ご本人的には満足されたのでしょうか。最後まで手を動かして工夫されていたことを記憶しています。Fusionのいろんな可能性に触れてもらったことと思います。是非次回は難しい作品、曲線のあるボディ、プリント時間の短縮にも挑戦してほしいです。
サポートの必要性: あり
設計変更: なし
12.まほさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
スマホスタンドです。細かく寸法を書き入れてくれました。このような作品は、通常は作品自体を図として取り込み、それをトレースしていく方法を採ります。パーツを3つ作り、差し込む方法で、不要なサポートを避ける、賢明な構造です。
こちらがモデリング結果です。部品が3つに分かれています。履歴を見ると、それほど手数が多いようには見えません。
実は、輪郭が多くのフィット点スプラインで描かれています。フィット点スプラインは点を多く打ちすぎるとかえって修正が難しくなります。なので、できるだけ少ない点で描く、連続して描くと前の線に引っ張られるときには、いったん区切ることが重要です。
組み立てたときに成立しているか(十分なクリアランスがとられているか)断面解析してみると、隙間が全くありませんでした。3Dプリントではおおよそ0.15mm程度の寸法誤差がありますので、隙間を開ける必要があります。
設計変更により、クリアランス(0.2mm)を確保しました。
Prusaslicerによるスライス
作品自体はそれほど大きいわけではないので、プリントに時間を要しません。また、サポートも不要です。
プリントした作品
マット黒でプリントしました。かわいく仕上がりました。少々、はめ込みがきついです、実は。
総括
スケッチにかなりの時間を要していました。構造も複雑なので、組み立て可能な形状にするために苦労されていたようです。デッサン上でクリアランスを考えていたらもう少し簡単だったかもしれません。それでも、思ったものが形になったのであれば、良い経験になったのではないでしょうか?是非次回は立体をそのまま形にすることにも挑戦してもらえればと思います。
サポートの必要性: なし
設計変更: あり
14.るみさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
ハムスターのお家だそうです。デッサンでは丸型の穴を考えられていましたが、サポーターの方に相談され、しずく型の穴に変更されました。これにより、サポートがなくなりきれいな出来栄えになります。
手数も少なく実現できています。
設計手法も面白いです。円を中心と半径を変えて重ねているのですね。デッサンとは違うようですが。
せっかくサポート不要にこだわったのでここまでこだわってほしかった、ということで一点だけ手を加えています。プリント不良にはつながらないので、設計変更の件数にはカウントしません。
このままだと、頂点付近の裏側にサポートが付きます。
なので、このように内部をとがらせてました。これでも角度は30°と鈍角なので、フィラメントによってはざらついたり失敗するリスクがあります。
Prusaslicerによるスライス
サポートは付きません。大きな作品ですのでそれなりに時間を要します。
プリントした作品
マット水色でプリントしました。細かいところまで設計に手をかけられたので、綺麗な作品に仕上がったと思います。
総括
細かいところまで気を配った作品に仕上がったと思います。サポートが付かない形にしたことで、当初のデッサンとは別の形になりました。こういうところまで手を入れられる、手数も少ないことからこれまでも経験されているのかもしれません。
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
15.ちかさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
卵型の小物入れです。合い口(重なる部分)の構造や寸法があいまいです、実は。また、この作品の構想を実現するのは非常に難易度が高いのです。
こちらがモデリング結果です。それほどの手数をかけずにモデリングできています。
実は細かく見ると、上部と下部の部品がぶつかっています。
また、全くクリアランスがとられていないので修正しました。外形は変えていません。
合い口の内側の裾はプリントしやすいように、水平にしました。ギザギザにするとその部分にサポートがつき、失敗のリスクが上がります。
最終的に、実はかなり形を変えました。
上の設計変更の場合だと合い口が、はめるときに干渉します。これは、合い口に丸みがあるからです。上のモデルだと無理やりはめる必要があります。なので、分割箇所をたまごが最も膨らんでいる部分としました。
また、底面近くの角度が浅いので、サポートが必要だったりプリントが失敗したりします。角度を35°確保するように底近くのカーブを変更しました。
Prusaslicerによるスライス
スライス結果はこちら。サポートは、形状が複雑なので、はがしやすさを優先し、オーガニックサポートにしています。
プリントした作品
マットホワイトでプリントしました。
オリジナルデザインのかみ合わせだけ修正したもの
外観がほとんど変わらないと思える範囲で、底面近くの角度を少し変更してサポートが付かないようにしています。
総括
モデリングの結果を拝見すると、それほどの手数を経られていないことから初めてのモデリングではないのかもしれません。しかしながら、断面解析すると、プリントしてもはめられないことがわかりました。
この作品は、プリントの難易度が高かったものの一つです。合い口の直径が変わらないもの(円筒)、合い口が直径最大の位置にあるもの(球を重心でぶった切るなど)であれば問題なかったのでしょうが、今回の形状は合い口がギザギザになっているのでかみ合わせ個所の直径が変動する、合い口が直径最大の部分にないことから修正が必要でした。また、立ち上がり角度が浅かったのでうまくプリントできませんでした。これらの一つ一つをできるだけデザインの意図を損なわないように修正をかけていったのでかなり苦戦しました。
きっと、経験者の方だと思います。
是非、デザインを紙上に描き切る、それをモデリングする、断面解析などでモデルに問題ないことを確認する、というのを実行してもらえればと思います。また、このような構想のデザインができる方ですので、新たな作品を生み出していってほしいと思います。
サポートの必要性: なし
設計変更: あり
17.れいさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
可愛いちょきんばこです。有機的な形なのですべて図面に入れ込むことは無理ですが頑張って書き込んでくれました。とはいえ、壁の厚みは読み取れませんし、帽子の構造やお金を入れる穴の縦方向寸法も記載がありません。
履歴をみると、かなり手を動かして作品を生み出したことがわかります。
ただ、作りを見ると必要なところをおさえられており、また数々の機能を駆使されていることから経験者かなと感じました。
底が厚いです.…
なので、下部の厚みを減らすようにしました。(シェルだと複雑な形なのでうまくいかないかもです。)
また、合い口(蓋と本体のかみ合わせ部分)を大きくする工夫もしてみました。ついでに蓋の肉厚も減らしました。こちらは、オリジナルと比較して、サポートが付くというデメリットがあります。
実は、こんなのをプリント後に気づいてしまいました。
腕(水平方向)の一部を壁にめり込ませることで解消します。
これにて問題は解決しました。
Prusaslicerによるスライス
オリジナル作品(ボディ、帽子の肉厚を薄くしない、帽子の差し込みを深くしない)のスライス結果はこちら。スカートと腕、コイン挿入口にサポートが付きます。
一方で、肉厚を減らし帽子の差し込みを深くしたものはこちら。防止のインフィルが結えることで印刷時間が伸びました。
プリントした作品
Prusament Oh My Goldでプリントしました。
肉厚を減らしても外観は変わりません。こちらはオリジナルの帽子をかぶせたところです。防止の差し込みについては特に問題ありませんでした。
オリジナルの帽子です。
合い口を深くした帽子です。
結論として、オリジナルの帽子で問題ないということになりました。
総括
回転体ではない形状で、合い口のはめ合わせもあったりと細かい考慮が必要な作品ですが、ほぼ完ぺきにモデリングされました。手数が多い=無駄な工程があるわけではなく、多くの機能を使いこなしてモデリングされており、手慣れていると感じました。
是非この続きが見たいです。
サポートの必要性: あり
設計変更: あり
18. しほさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
小物入れです。上部に桜の花が載っています。桜の花以外、ほぼ必要な寸法が書き込まれており、他の方でもこの構想をもとにモデリングできそうです。
手数はそれほど多くないです。通常、このような形状だと回転体として実現することが多いのですが、押し出しとシェルで作られていました。いろんな設計手法があって面白いです。2つ手を加えました。
一つは左右で形が若干異なるということ。ということは上部と下部の円の中心があっていないということです。”拘束”を使うことにより位置合わせをすることが可能です。説明には入れていませんでしたが、結構重要な機能です。
蓋の桜は一体化させるとふたの内側にサポートが付くこと、花弁の下についたサポートは除去が困難と想定しましたので分離してプリントするように変更しました。
Prusaslicerによるスライス
桜を分離したものの、桜の花びらの下にはサポートが付きます。部品が3つになると、Prusa Mini+には載りません。なので、MK4でプリントします。
こちらがオリジナルです。(蓋とボディの位置合わせはしました)
花びらの下にあるサポートはとりにくそうです...…
プリントした作品
マットピンクでプリントしました。花弁は接着済みです。
蓋の裏側を見ると接着した痕がありますが、表面には出ない位置で接着していますので気にならないはずです。こうやって見ると、合い口(蓋とボディの重なる部分)が浅いとも思えます。
総括
基本機能の組み合わせで素敵な器が出来上がりました。まだまだたくさんの機能がFusionにはありますので、こんな作品どうやって作るのだろう?ってぶつけてもらえると嬉しいです。是非、継続してください。
サポートの必要性: あり
設計変更: あり
19. たまきさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
小物入れです。120mmのプリント領域に入れるためにこのような大きさになったのかもしれません。きっちり寸法を入れてくれています。厚みについてもデッサン上で決定されています。
モデリング結果がこちら。一つエラーが見受けられますが、いろいろ手を動かされた痕だと思います。手数少なくきちんとフィレットを入れるなど配慮された作品です。
きちんと重なるように設計されています。
Prusaslicerによるスライス
小さい作品ですので印刷時間は短く、特に印刷の難易度は高くないです。
プリントした作品
マット白でプリントしました。かわいらしい作品い仕上がりました。
総括
設計図を完全に作り切って、それをFusion上でモデリングされました。各所にフィレットを入れるなど配慮もされた、小さいながらきちんと作りこまれた作品でした。プリント可能な領域もまだ残っていましたので、小さいものを何かモデリングされてもよかったかもしれません。次の作品を楽しみにしています。
サポートの必要性: あり(1分程度)
設計変更: なし
20. まゆさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
小物入れ(シマエナガ)だそうです。シマエナガというのは北海道に生息する小さな鳥のようです。くちばし付近で割る計画だったのですね。
モデリングされた結果がこちら。いくつか問題があります。まず、小物入れにはなっていません。上下に分割されていないのです。
また、くちばしはプリントするには(強度を得る、プリント失敗しない)長すぎる、細すぎるのが気になります。当初設計通りでないのは、思ったようなくちばしの形状にならなかったからだと思います。(自分でやってみて、思ったようにくちばしを作るのは難易度が高かったです。)
手がボディと一体化されていません。手は取り外すつもりはないでしょうから一体化させておいてほしかったです。
ということで、意図を組んで以下のようにリモデルしました。
頭とボディの分割箇所は、当初の計画からずらして首の部分にしました。また、頭の内側はサポートが付かない形状にしました。
Prusaslicerによるスライス
目、くちばし、手の下にサポートが付きました。それ以外に難易度の高いプリント箇所はありません。
プリントした作品
マット白でプリントしました。くちばしがあまりにもとがっていると恐いのこれぐらいでよいと思います。
頭を取り外すと内部はこのような感じです。
総括
きっと一番苦労されたのはくちばしと合い口(上下の重なる部分)をどう作るかということだったのではないでしょうか?もし、ご自身でもう一度やりたいということでしたらプロジェクトファイルを提供しますので是非なぞっていただければと思います。
そのうえで、ご自身の作品に昇華させていただければ、そして次の作品にチャレンジしていただければと思います。
サポートの必要性: あり
設計変更: あり
22. ゆきほさん(中1)
スケッチ&Fusion360での設計
ペン立てです。このデッサンからどのようにペン立てになるのかの想像が難しかったです。
原図をなぞってスケッチし、それを参照しながらForm機能で作られたことがわかります。履歴からは様々な機能を使ってモデリングされたことがわかります。
ペンが差し込めるように穴が開けてあります。穴は、上向けと斜め上向けで合計9個開いています。
Prusaslicerによるスライス
ボディの下にサポートが付きます。できる限りはがしやすいようにオーガニックサポートとしました。ほかにプリントの難易度が高い点はありません。
プリントした作品
マットイエローでプリントしました。かわいく仕上がっているのではないでしょうか。
サポートはきれいにはがれましたが、この形状(水平方向の角度が浅い)なので積層痕が気になります。積層ピッチはこの部分(おなかの部分、背中の上)は細かくしていますがそれでも積層痕が気になります。気になるようであれば、やすりで処理するなりして滑らかにしてください。
総括
かなり難易度の高い作品ですが、アシスタントの方の絶大なサポートもあり実現できたと思います。
次回は、設計図にもう少し明確に設計の意図を反映させるとよいと思います。たくさんの機能を使った経験を活かし、是非新しい作品を設計していただければと思います。
サポートの必要性: あり
設計変更: なし
23. きいなさん(中2)
スケッチ&Fusion360での設計
ペン立てです。当初の設計では厚みが10mmあったようですが、少し減らしてくれたようです。
花びらの形状が描かれておらず、手を動かしながらの作成となったようです。
当日モデリング結果はこちらです。少し戻って作業をすると途中でエラーが出て思うようにいかなくなったようです。この形状にフィレットを入れて滑らかにしたかったのですがうまくいきませんでした。
ということで、後日こちらで手を加えてご本人の意図を反映させました。
結局のところ、ボディを6分割し、花びらをロフトで作成し、フィレットを入れ、円周上にコピーすることで実現しました。ました。ロフトの設定をうまく使用することで(点の接線、接線ウエイト0.8)このような花びらの形状になりました。この辺りは細かい機能の使いこなしなので限られた時間では難しいことも理解しています。
Prusaslicerによるスライス
スライス上は特に問題ありません。花弁の先がもっと垂れ下がっていたらプリントの工夫も必要でしょうが、今回の形状でしたら問題ありませんでした。
プリントした作品
Prusament シルクホワイトでプリントしました。
総括
サポートの必要性: なし
設計変更: なし
反省と全体総括
今回は、5回目の試みとして、前回の反省点を生かして進めることができました。
アンケートを拝見すると、難しかったと答えられる方もいらっしゃいましたが、それは当然だと思います。私もはじめたときには、オンライン講座を約一週間かぶりついて見て、手を動かして勉強しました。でも、できなかったことができるようになるのはうれしい、モノづくりの幅が広がるのが楽しかったことを記憶しています。
今回は導入編でしたが、皆さんが作りたいものを、ほぼ初めての手段である3D CAD+3Dプリントを通して実現されたことになります。モノづくりの楽しさを再認識していただけていたらいいなと思います。
また、アンケートからは工学への興味を持てたという方をお見受けして、目指しているところに少し近づけたかなと思います。講師・アシスタントの方々のサポートと、ホスピタリティ、事務局の方々の完璧な準備とサポートのおかげだと思います。
受講生の方のレベルが多様で、それへの配慮が必要であることがわかりました。Fusionの経験値についてはアンケートで調査していますが、実は、”PC”の経験値に対して配慮が必要でした。私たち世代だと、PCの使用は当たり前だと思いますが、現代はプログラミングなど含め、iPadでやられている方も多いようで、タッチパネルとマウスは使いこなすものの、ESC、Tab、Shift、Ctrlキーが通じない方もいらっしゃいました。すると、説明してもその部分で付いていけない方がいらっしゃいました。
説明のテンポが速すぎるという指摘がありました。今回はできるだけ周りを見ながら進めていたのですが、たまたま見ている方がサクサク作業を進められていたので暇にならないようにとこちらもサクサク説明を進めると、ついていけません!とサポーターから声が上がりました。全員に合わせることができないので、その辺りは事前にサポーターと話をあわせていきたいと思います。サポーターの方が声を上げてくださったことに感謝!です。
作品の壁の厚みが5mmと、厚かったものがありました。厚くしても強度は変わりません。プリント時間が増えるだけです。なので、次回は必要がない限り壁の厚みは3mm程度にするように指導したいです。
一つのスケッチ上で描かなければならない部分(押し出したりする単位)が複数のスケッチにわたっていたため、後工程に進めないという事例が多発しました。次回の説明ではここは力を入れたいです。また、サポーターの方にも指導いただけるようにしたいです。
強度的に問題ないか、部品の干渉がないかなどのチェックのために、モデリング完了!とする前に断面解析をしたほうが良かったかと思います。モデリングを完了して、まだ時間が残っている場合があります。できるだけ参加者の皆さんに完了までしてもらったほうがご自身の作品になると思いますので最後まで手を動かし続けていただくためにも、外から見えない内部の解析機能を使って確認してもらうのが良いかなと思います。
また、アンケートからは工学への興味を持てたという方をお見受けして、目指しているところに少し近づけたかなと思います。アシスタント、サポーターのホスピタリティ、飛び込みでお助けいただいたTommy(@Tomy_cn)さんの働きと、事務局の方々の完璧な準備とサポートのおかげだと思います。
また、Prusa Research様にはフィラメントをご提供いただきました。大変ありがとうございました。
今回も、良い経験をさせていただきました。自分が普段作らない発想の作品を実現するために、スライス条件の条件を変更したりと勉強させていただきました。
是非継続、発展させたいです。3Dプリンタ、プログラミング、動くものなど発展の方向性は様々です。
ますます、STEAM教育に本腰入れたくなってきました。同志で意欲的な方と、活動を広げていきたいです。
本業は、もちろん!6G・IOWN成功に向けて、動きを加速させていきます!