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紙コップホルダを作る実験

modified Apr. 9 2022
プリントモデルのリンク追加

一番の趣味は陶芸です。とはいえ、諸事情あって陶芸に集中できずにいます。陶芸は最も集中できる趣味でありながら、土練りをして、ろくろ整形して、削って、素焼き、釉がけ、焼成と工程が多岐にわたります。特に、ろくろ成型から削りまではタイミングをはかりながらになりますので、この時期(冬)は土曜日に造形して日曜日にタイミングを見計らって削る必要があります。こころがざわつくとタイミングを逃して硬くなって削れなくなった作品を見てため息をつき、また気持ちが落ち込むので最近は全く土に触れなくなっています。3Dプリントは、よっぽど詰めて設計するもの以外は隙間時間に設計して、ながら印刷ができるので今の精神状態にぴったりの趣味です。ということで、残念ながら参加できなくなった陶芸のグループ展で使ってもらうための紙コップホルダを設計、試作しましたので情報共有します。とはいえ、大したことはしていません。あくまでも記録として残しておくことが目的です。

ここで、グループ展の宣伝も。是非お近くの方、お立ち寄りください。私も問題が発生しなければ週末は詰めている予定です。もし、来られる方がいらっしゃいましたらコメントいただけますと幸いです!きっと桜もきれいなはず!銀閣寺の近くです!


実験条件

目的:紙コップホルダの制作
実験日:2022年3月13日
実験環境: 3Dプリンタ Prusa Mini+
      ノズル:0.4mm
      ノズル交換時期:2022年12月8日(0.4mm)
      フィラメント: Overture PLA シルクグリーン
              

使用する紙コップはこちら


Fusion360でのデザインコンセプト

Fusion360を使用してデザインしました。そもそもこういったものであれば購入すれば済むものですので、なにかしら工夫できれば、市販されていない色会いにできればと考えました。

試作

デザイン1

記憶にあるデザインにしました。指が入るデザインです。何となく2本それぞれのリングに入れられると安定するかなと思いました。

あと、紙コップに食い込ませる部分を側面に仕込んでいます。
ハンドル部分はXZ平面のスケッチをZ軸を中心に±5度回転させています。

スライス

こんなちゃちなものでも1時間半プリントに要します。この辺りは要調項目となります。

試作結果と考察

プリントした結果はこちら。丸い部分がありますので、アダプティブレイヤハイトを有効にしたら筋になってしまいました。それは大目に見たとして、

ハンドルの下の部分がいただけない。サポートをつけなかったためなのですが、手触りがよくない。角度としてはそれほど浅くないので大丈夫と思ったのですが。プリント時間が長いこととハンドルの下側が気に入りませんので、次の試作に移ります。

デザイン2

次は、指が入る部分を一つだけにしました。ハンドルの下のカーブをサポートなしでも行けるようにしたつもりだったのですが、あまり改善していません。

スライス

目論見通り、プリント時間は減らすことができました。

試作結果と考察

指は1本でも安定すると想定していました。しかしながら、そうでもなかったようです。指1本だと安定感に欠けるようです。また、リング部分が細い(水平方向に)というのも不安定な理由の様です。こういうものは、設計してサクッと試作して手になじむかどうかを調べるのがよさそうです。そういう意味でいうと、3Dプリンタは絶好です。

そして、ハンドル下部も反省が生かされておらずブリッジ部分が乱れています。これでは使い心地が悪いでしょう、ということで3Dプリントした作品自体がだめだしされてしまうかもしれませんので再設計です。

次は、ハンドル下部の造形にこだわることとしました。

デザイン3

宣言した通り、ハンドル下部のブリッジ部分を改善することを最優先しました。また指が入る部分を太く(水平方向に)しました。ブリッジにならない角度でハンドルをデザインしました。なんだか、いまいちなデザインです。

スライス

印刷予定時間はデザイン2と同じく1時間10分ですので、サクッと印刷できます。形はいまいちですが。

試作結果と考察

カッコよくはないですが、安定した仕上がりです。ハンドルの下、上がざらついているのは0.3mmレイヤのせいでしょう。(ということにしておきます)。やはり、陶芸グループ展というセンスの良いものが並ぶ場所でこれはないだろうなと思います。ということで、デザイン1をベースに練り直します。また、デザイン1押しの夫が、(特に下側の穴に)指が入りづらい、中で指が動かないと使いにくいというのでもう少し指を入れる部分を大きくすることとしました。形も、親指が当たる部分(角張っているところ)がとがっていると不安定だというので、丸みを持たせることにしました。


デザイン4

デザイン3の反省を生かして、指の入る部分を大きくしました。また、ブリッジ部分をできるだけ鋭角に持っていくようにしました。

スライス

プリントに約1時間半を要します。

試作結果と考察

試作結果を評価してもらったところ結構高評価でした。自分としては、やはりブリッジ部分が気に入りません。また、下側の〇(中指を入れる部分)の直線的なところが気に入らず、結局もう一度手を入れることになりました。

デザイン5

下側のリングのデザインを変えるついでに、ちょっと形を凝ってみました。葉っぱのようなデザインです。


スライス

こちらもプリント時間としては1:30を要します。

試作結果と考察

狙い通りの形となりました。

レイヤ高さが0.3mmのための荒さはありますが、ブリッジを減らした効果が出ています。しかしながら、下側のリングの縦方向の寸法をへらしたことから指が入らないというクレームが。残念。また、頂点がとがっているのがいまいちだそうです。デザインと機能の両立は難しい!


デザイン6

次こそは最後、と思っています。デザイン4で気に入らなかったのは下側のリングの下面が直線的だったこと。これを修正して最終としたいと思います。修正は微々たるものです。


スライス

これで本当に死後の最後のつもりなので、積層ピッチを0.2mmにし、3つをシーケンシャルプリントするようにスライスしました。プリント時間は6時間30分ほどです。シームは目立たないように内側に配置しました。

朝プリントされた物を取りに行くと、なんと2つしかヒートベッド上にない!1つ目のプリントを終了して2つ目のプリントにホットエンドが向かう途中で吹っ飛ばしたようです。真横の移動はNGのようです。(きっと)

よって、2度目は上から見て横の移動をしないように配置をし直しました。

試作結果と考察

最終形がこちら。シルク系フィラメントのほうがきれいな気がします。ブリッジ部もそれほどあれていませんし、指は入りそうですので、これで終了とします。明日、配送に出して水曜日から活用してもらいましょう!

たいした話はありませんが、最後までご覧いただきありがとうございました!

Modelはこちらにアップしました。

https://www.printables.com/model/165612-coffee-cup-holder


カップホルダーを作る際に気を付けること。


  • できるだけ、ブリッジのないデザインにする

  • ハンドルの幅は広めにしたほうが安定する

  • 指がハンドルのリングの中で余裕をもって動くようにする(抜けにくいのはNG)


一日で計6種類のデザインをして、試作して、ができるのが3Dプリンタの醍醐味です。ご興味あれば、是非一緒に遊びましょう!

カップホルダーはカップの大きさに合わせる必要がありますが、もしこのモデルを見てみたい方がいらっしゃればコメントください。コンポーネント化を試行錯誤している様子など見られるはずです。

Happy Printing!

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