TPUのリトラクション条件出しの実験(その1)
TPUは吸湿すると厄介なので、はやいところ使ってしまおう!と思いいろいろデザインしていました。以前EDOさんから参考情報をいただき、それを神様として使っていましたが、自らの手で条件出しをしたくなってしまいました。あぁ、またどはまりの道まっしぐらです。
条件出しのために、たくさんのgcodeを算出しました。まとめてプリントして比較できるように、ということでgcodeを一つにまとめてみました。今のところは手作業で取りまとめをしていますが、近日中にexcelマクロで取りまとめられるようにしようと思っています。
マージしたgcodeのリンクもあります。
写真が多く、途中で思い通りに動かなくなってしまいましたので、複数編に分けて記述します。
実験条件
使用したフィラメントはこちら。タイムセールでお安く購入!
参考情報
お手本とした手順はこちらです。チューニングの手順が伝授されています。まだこのレベルまで行かない..…
実験手順
TempTower
お手本では、初めにリトラクション距離を詰めて、次に温度タワーで適切な温度を選択し、最後にリトラクションスピードを合わせこむということでした。しかしながら、温度タワーは先にプリントしてしまい、5時間プリントに要するので順番を入れ替えてしまいました。
こちらがあらかじめ取得したTempTowerです。ゴーストっぽいものは235℃以上で消えています。そのような判断をしてよいのかどうか。225℃までは層間の密着度が弱いと思いました。
ちなみに、FanをMaxにしたらどうかなというかなと思い試してみました。糸引きがすごく、冷却が十分ではないのかなと思ってのことです。しかしながら結果は変わらず。
いずれも、設定は以下の通りです。
このフィラメントの適正温度が210-230℃とのことでしたが230℃まではあまり芳しくなかったので235℃でプリントすることとしました。
Retraction Length
次に、リトラクションの長さを調整しました。リトラクションの長さは0mm~7mmまで試しました。
使用したモデルはこちらです。FoxyLadさんのモデルを拝借しました。モデルが小型でプリント時間が10分以内というのが魅力です。
一方で、複数の設定を試したいのですが、一度にプリントできないのが難点です。プリンタのある部屋とモデル作成の部屋が別ですので行ったり来たりになります。これを避けるためにOctoPrintを導入したわけですが、今回ばかりはそうはいきません。それで、位置をずらし条件を変えたgcodeを複数作成し、手作業でgcodeを結合して一つのファイルにすることとしました。そのうち、エクセルマクロ化する予定です。gocodeファイルはこちらから入手してください。
https://www.printables.com/model/223598-merged-retraction-test-0-to-7mm
実験結果はこちら。同じ条件で2方向から撮影しています。
235℃で試行したデータはなぜか手元にないため、230℃のデータを載せておきます。
リトラクション長0mmからスタートします。(プリントは同時にしていますが)
リトラクション長0mmのときにはさすがに滲みが気になります。
こちらも大胆に滲みがあります。
写真ではわかりにくいのですが、下側の写真の右から2番目の柱の右ににじみが見えます。
にじみが見られなくなりました。ということで、リトラクション長としては2mm-3mmによいところがありそうです。
念のため、ほかに取得済みのデータも載せておきます。