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必死
三連休の中日、薪能を観に行った
…なんだけど、あいにくの雨で屋内での講演となった
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大阪城をバックに幻想的な能だったんだろうな
とか、なんとかなんだけど、ここ数日急激に冷えてきていたので実は「雨よ降れ降れ、さすれば暖かい屋内で観劇できる」と念じていたのでした
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一度でいいから野村萬斎さんの狂言を見たかったのでまことに嬉しきこと
演目は3日間とも違ってわたしが観たのは『六地蔵』
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田舎者が御堂を建てたのですが中に安置する肝心の六地蔵がなく、都へ仏師を探しに行きます
不慣れな都でうろうろしている田舎者にすっぱ(詐欺師)が近寄ってきて「我こそは仏師である」と金をだまし取ろうとします
すっぱは仲間3人と3体ずつ2度に分け地蔵の姿に化けて田舎者に見せ、騙す算段をします
翌日、本堂と脇堂の間を行ったり来たりして田舎者を騙しているうちに、だんだんと持ち物や立ち姿が変わっていき、田舎者に追い込まれ、すっぱたちは逃げていきます
というオハナシ
この騙す「すっぱ」を野村萬斎さんが演じたのですが、なんとも憎めなくて愉快
田舎者を騙そうとてんやわんやのシーンが滑稽で楽しく、微笑ましいのです
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そして、思ったのでした
『ヒトって必死になればなる程、はたから見たら滑稽に見えるときってあるよなぁ』
わたしも必死に大汗かいて頑張ってる姿が傍から見たら滑稽に見えてるときってあるんだろうな
けど、人さまが滑稽に思っても、いいや
一生懸命な自分を笑いたければ笑えばいい、そんな風に思えたのでした
ところで、詐欺師をすっぱ、というと初めて知ったのですが、これって『はすっぱ』の語源なのかな?と思いネットで調べてみたのですが、分からなかったです
ご存じの方、います?