ぬーちゃん
アルバイト先は
大阪のど真ん中、というわけじゃないけれど
それなりに都会の中心に近いところにあります
なんだけど
職場前は鬱蒼としたクスノキ林があり
職場の窓からの景色は
このクスノキの葉でいっぱい幸せいっぱい
しかも森林管理のお仕事で
自然界に長けてる人が多いのです
職場1階はギャラリーになっていて
山林に関することの展示がされてます
出入り自由
小さなお子さんが遊べるように
木のおもちゃも置いてあります
2年前に異動しちゃったけど
お隣の席は入社4年目という若い男性でした
その方が11月に2本の黒文字の木を
管理してる山から掘り出してきました
「これに電飾すれば
なんとなくクリスマスっぽいでしょ
たくさんの人に触れてほしいんだ」
黒文字は落葉樹です
だからここへ来たときは葉がない状態でした
けれど年が明け
春が来ると新芽を出したのです
そんなある日
別の部署のおじさんが
「〇ちゃ~ん
(お隣さんは苗字一文字に
ちゃんづけで呼ばれることが多かった)
黒文字新芽が出とるよ~見たかい?」
彼も嬉しそうに
「生きましたね」と答えてました
そのやり取りを聞き
「山に帰さないの?」と聞くと
「樹木も動物園の動物と一緒
いちど人の手が入ると自然には帰せないんだよ」
と教えてくれました
彼が去って2年経つけど
その黒文字は今年も元気に花を咲かせ
今は青々と葉を繁らせてます
そんな職場でノーストレスで
働かさせていただいてます
その職場前には
ゆったりとした川が流れていて
昼休みはそこを散歩するようにしてます
晴れて気持ちよいある日
出勤時に見た亀の写真でも撮ろうと
川を覗くと!
ぬぬ?ビーバー?
ビーバーって日本の川に普通にいるの?
謎の茶色い大きななんかがいました
早速写真を撮りお隣の彼に確認
「ああ、これ巨大ネズミですよ
ヌートリアっていうの
戦争中に防寒用の毛皮を取るために
海外から連れてきて
終戦後いらなくなって棄てたのが
繁殖して増えちゃったんだよね
たしか駆除対象動物だったはず」
と教えてくれました
ほんと、なんでも知ってるな
確かによくよく見ると
ビーバーはしっぽが
太くなくちゃなのに細い
「ほんとだーねずみだー
かわいいって思ったのに
ネズミって思ったらかわいくない」
そういうとお隣さんはにやにやしてました
その日帰宅後
ネットで調べると
確かに大阪市も駆除対象なので
見つけたら報告して、ってあったけど
ニンゲンの都合で欲しかったりいらなかったり
なんだかな、とそのままにすることに
天気がいい気温が高い日に探すと
よく泳ぐ姿を見るようになりました
心の中で
「ぬーちゃん」と名付け
天気がいいと
「今日もぬーちゃんいるかな」と
探しに行くようになりました
ところがです
昨年は1回しか見ることできず
ことしは一度もお目にかかってません
駆除されたのかな、なんだかな
そんな日々が続いてるうちに
梅雨入りしました
しばらくぬーちゃん探すことできないな
🐰🐭
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