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此の親にして、、、
先日の稽古で夏ハゼを使った
夏ハゼはわたしが人生初稽古でいけた花材だ
だからとても思い入れのある、そしてなんだか懐かしいような初々しい気持ちにさせてくれる植物だ
植物って不思議でお外にあるときはそのままでとても美しいんだけど、一旦切って家の中に持ち込むと表情ががらりと変わってしまい、そのままいけても、なんだかなぁ?どうなんだかなぁ?となってしまう
だから≪手≫を入れなくてはいけない
(これはイタヤモミジだけど…)
お弟子さんの前で、夏ハゼにどんどん鋏を入れていった
どんどん表情がはっきりして植物がイキイキと輝きだす
一枝、一枚葉を取るたびにお弟子さんが
「はっ」と息を呑んだ
先生の手は魔法の手
いけばなを習うようになっていつもいつも、ずっとずっと、毎回毎回感動し続けてる
いつの間にか自分も魔法の手を持つようになったみだい
さて、それでは落とした小さな小枝や葉はどうするかというと、わたしの親先生は
「これも持ち帰ってちょっとした小さな器にいけておきなさい」
そういって持ち帰らされた
わたしも気づけば同じことをいっている
10年以上も前に書いたブログにも同じことが書いてあった
このお弟子さんは男性でとても熱心に稽古してくれた
此の親にして此の子あり
この感覚がどんどん広まってゆきますように
お弟子さんが置いていった小さな小さな夏ハゼを拾い上げ、台所の青い小さなガラスに足した
習い始めた頃にはこんな日が来るなんて夢にも思っていなかった
それでも幸せな予想外の人生だ