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しまいがちからの脱却
日本という国には
『道』と名がつくものがあって
いけばなも言い換えれば『華道』となる
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昨年12月つまり先月の稽古は
家元がいけたいけばなを見て
受けた印象を基に作品をいける、だった
前もって作品を見ておき
構想を練って行くのではなく
その場で家元がいけ、
それを見てから花材と花器を選ぶ
作品を作る瞬間までなにも準備できない
アート、創作活動いろいろあるけど
ここまで準備ができないものってないと思う
しかも相手は植物、
必ずしも欲しいものが手に入らないし
やり直しもきかない
度胸と瞬発力が必要だ
受けた印象を基に、ということは
ひとそれぞれ感じることは違う
受ける印象は違う
さらに印象を基にだから
受けた印象と正反対のことをしてもいい
表現をする、とはいえ相手は植物
「こうしたい」を強く持ち『過ぎる』と
そのとき手にした植物の面白いところを
見逃すことになる
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手にした枝は四方に脇枝が張っていた
いつもならあっけなく落とすんだけど
そのまま使ってみようと思った
家元がいけながら
「自然な留まりでいけよう」と
仰ったのでそれをやってみよう
そして全体的に滑らかに垂れ下がる構成だったので
そんな感じにしてみた
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肝心の家元の作品は公開することができないので
なにがどう、という説明はできないんだけど
こういうのができた
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使った器
足は付いてるわ
しましま模様だわ点々が点いてるわ
形は特徴的だわ、でとにかく強い
それをどのように生かすか、も考えなくちゃいけない
なかなかに一度にいろんなことを
計算しなければいけない
そしてそれを的確にカタチにする
『手』の技術も必要だ
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この日総評で家元が
「やってしまいがち」から脱却しなさい
と仰った
教室にはたくさんの花器があるけれど
すべてを使ってるわけじゃない
ついつい同じ花器を使っていないか
じゃあなぜあの花器を使おうと思えないのか
それを考えるだけでも広がりが出る
それを繰り返しているうちに
日々の暮らしのなかでも
そういった考え方ができるようになる
なぜあの仕事をやらないんだろう
なぜあのひとを避けているんだろう
敢えて遅く教室へきて花材を選べない状況をつくる
苦手と思う花器を使ってみる
どうなるかわからない
けど、やってみよう えいっ!と
自分を追い込んでみる
そんなことを繰り返すのが稽古
するといつの間にかゆるぎない自信がつく
『道』がつくものは凝り固まった考え方の
ヘンテコな癖を矯正してくれる
そういう側面も持ってるのだ
いけばな教室 西宮市🐰
へなうさ工房:甲子園球場そば
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