オーストラリアの10歳児とのリアルな生活、わからない悲しみ
昨日の夜、オーペアで一緒に暮らしてる10歳の子が21時半ごろに「眠れない」とのことで私の部屋に来た。ほんのさっきまで歌って踊って、翌日友達と映画に行くのが楽しみすぎて逆立ちとかしてたんだけど、すっごい悲しそうで泣きそうな顔してた。
そろそろ一緒に暮らして11ヶ月なのですが、もう部屋のノックの仕方で用事のジャンルがほぼ把握できる。普通に頼み事や連絡がしたいとき、面白いことや新しい洋服/ダンスを見せたいとき、悲しいとき、全然違う。笑
その子を気にかけている大人として、安心できない時に助けを求めてくれることは嬉しい。ママ(里親)が出張で不在な時も多く、そういうときに不安になりがち。頻繁ではないしだいぶ成長してきてて、本人も自覚してる。部屋に入ってきて「花都の時間を奪ってないか心配」って言ってた。全然大丈夫。最近そういうことを気にするようになった。私のことを気にして助けが必要な時に我慢されるほうが嫌なので、来てくれてありがとうとは伝えた。
悲しい?って聞いたら泣き出したので落ち着くまでしばらくハグしてた。何かあったのなら、いつも聞かなくても自分から話してくれるので聞かなかった。たまに彼女は外の音が気になるとか部屋の暗さが怖いとかで(いつも同じ暗さですが)眠れないって私の部屋に来るんだけど、その度にキッチンで白湯タイムする。なんか私がいつも白湯か水しか飲まないのが気になるみたいで、真似したいらしい笑。寝る前にカフェイン取りたくないもんね。私は甘い飲み物が昔から好きじゃなくて。
今回はハーブティーにした。先週日本から遊びに来てくれた友人がハーブティーのブランドやってて、いくつか持ってきてくれたので。そのハーブティーがハイビスカスとローズヒップとかのブレンドで、お湯入れたらピンク色になったからテンション上がってた。三度の飯よりピンクが好きなので。ラッキーピンク。友よ、ピンクのハーブティーを作ってくれてありがとう。あなたはオーストラリアの子供のメンタルヘルスに貢献したよ。
こういう、自然と落ち着く流れが私は心地いい。無理に悲しさを無くそうとしたり、寂しさを埋めようとしたり、眠れないのに寝かそうとするんじゃなくて。たまに眠れない時くらいある。毎日だったら大変だけど。
「眠れない時どうしてる?」「寝たいのに色々考え事をしてしまう」みたいな話を聞きながらハーブティー。私もいい時間だった。彼女は昨日まで親戚の家で過ごしてて、1週間くらい親戚と一緒に寝てたから久しぶりに一人で寝るのが不安だったみたい。
なぜかわからないけど悲しい、なぜか涙が出る、というのは私には理由はわからないけど、自分の知らないうちに色々溜まってたんかな。彼女は、生まれてから5歳ごろまで実母から虐待を受けていたり、今の家も養子として引き取られているので、普通に友達といたり学校に通うだけでも周囲との違いを感じることも多く、寂しさや悲しさを感じることは人一倍だろう。1週間親戚たちと過ごして、実母にも会ってたので(会う時は必ず第三者が必要)、帰宅して色々思うこともあったのかもしれない。ただの想像ですが。
彼女自身にもわからない悲しさがあるんだと思います。知ったところで理解できないものを聞こうとするのも傲慢な気がするし子供たちとは実母との過去の話はしたことがない。情報はママから聞いてるので、する意味がわからない。私は彼女を「可哀想な子」として扱いたくないので、今のその子に対して、今の自分にできることを、という感じで一緒にいる時間を大事にしている。
結局、ティータイム後に彼女の部屋でベッドで寝転んで15分くらい雑談してたんだけど、一人で寝られなそうだったから私の部屋で一緒に寝た。深夜に喉ちんこ飛び出るくらいの咳してたので体調悪いんかと思ったけど、今日は朝からハイテンションで何より。
彼女のベッドタイムはいつも20時半で、ママからもそれは厳守するように日頃から言われている。昨日も出張中のママから「スクールホリデーだけど寝る時間は守ってね」って電話で念押しされてたんだけど、状況的に彼女が夜更かししたいわけではないと思ったので、彼女が自然と眠くなる22時前までゆっくり過ごしてた。ルールを守ることは大切だけど、こういう状況は彼女に対して「ルールを守らなくてもいい」というメッセージにはならないと思ったから。
ただ、彼女は疲れてたのもあると思う。スクールホリデーで楽しい日々が続いて、就寝時間に厳しくない親戚の家で夜更かしが続くと、疲れが溜まって感情のコントロールが難しくなる。本人は楽しいだけなので疲れに気付かないけど、それが続いて制御が効かなくなることが今までもパターンとしてあった。就寝時間を守らせるのはその意味もある。
昨晩みたいに、ママの不在時に不安になるのも時々なので全然良いんですけど、さっき一緒に映画観ながら「昨日は遅かったから、今日はしっかり時間通りに寝ようね」って言ったら拗ねながら私を説得しようとして、それが通じなくて泣き叫んでた。楽しいから起きてたいんですよね。この感じは疲れてる時のやつ。今回は全然マシな方だけど。
これを許し続けると、彼女自身も周りも大変になる。彼女は自分のパターンを理解する必要がある。10歳相手に厳しいかもしれないけど、トレーニングすることがたくさんある。本人の努力も見えるので、すごいなぁと思う。私は、彼女に安心感を与えながら自立を促すのが難しい。
私も彼女から本当に多くを学んでる。それは子育てとかだけじゃなくて、むしろ自分のこと。私も日々トレーニングしてるんです。それを振り返るにはまだ早いので(今に必死なので)いつか書こう。
出張から帰宅したママにバトンタッチしたら、気分を戻すために睡眠が必要ということを理解したみたい。そして特に悲しいことがあったわけじゃないとは言ってたみたい。ママと二人三脚です。
ではまた〜!