「民主主義ユースフェスティバル」
=選挙期間中、珍しく札幌市内での活動となった1日。過去に類を見ないほどフル稼働した中、取材できた部分だけでも『個人的』に書き残しておきたいと思います。=
若者たちが主体となり「政治や社会についてみんなで考え合おう」と、10月20日に札幌市(狸小路の"空き地")で「民主主義ユースフェスティバル2024」が開かれていました。
「誰でも自由に政治家と話ができる」というコンセプトで2回開かれてきた同イベント。初めて開催された東京都下北沢のイベントに参加した北海道十勝の高校生、角谷樹環さん。「違う考えを持っている人たちがあちこちで対話を繰り広げている」と感銘を受け「ぜひ地元の十勝でも開催したいー」と、その足掛かりとして今回の札幌開催を企画し呼びかけたものです。
〜突然の解散総選挙となったため、衆院選挙中の開催となりました。〜
「立候補年齢引き下げプロジェクト」「Fridays For Future Sapporo」「札幌レインボープライド」などのブースの他、選挙小屋では、日本共産党北海道委員会もテントを構え、候補として活動していた、千葉尚子さんと宮内詩織さん。札幌市議会議員が訪れた若者たちと対話しました。
メインステージでは、「民主主義教育」「居場所づくり」「ヤジと民主主義」「まちづくり」のディスカッションや、「気候変動」「哲学対話」「北欧民主主義」のワークショップが開催されました。
「ヤジと民主主義」には、2019年に安倍首相(当時)の街頭演説中に批判のヤジを飛ばしたことで、北海道警察からの違法な強制排除や、執拗な付きまとい行為を受けた市民が裁判を起こした事件を基に、トークセッションがくり広げられました。
この事件を題材にしたドキュメンタリー映画「ヤジと民主主義」の山崎裕侍監督が進行を務め、弁護団の神保大地弁護士、憲法学者の内藤光博専修大学教授。
ヤジを飛ばされる側の代表として、政党から日本共産党の畠山和也元衆院議員。
ヤジを飛ばす側の市民代表として民青同盟北海道委員会の山本朱莉委員長(実際に飛ばしたことはない)が登壇し、寒空の下、焚火を囲んで座り込み、登壇者も来場者も同じ目線でのトークがくり広げられました。
来場していた当事者で原告の大杉雅栄氏が「国会の議論を軽視し、強行採決で民主主義を踏みにじる安倍首相に直接声を届けることができる限られた方法だった。最高裁の決定について不満はあるが、高裁では同様の裁判で1番主張したかった『ヤジを飛ばす権利はある』という決定がさたことは評価している。〝半分勝訴〟と受け止め負けたとは思っていない」との心境を語り「自民党も、共産党のようにこうして対話の場に来てくれたらわざわざヤジを飛ばす必要はないのに―」と呟きました。
内藤さんは、「表現の自由」として「憲法で保障されるべき」と強調ー畠山さんも「憲法に基づいて考えることが重要」と答え、「政治家や政党は権力者であり、市民の表現の自由や意見表明の機会を力で抑えつけることはあってはならない」と話しました。
山本さんは「声を上げる行為が肯定される社会になるといいなと思いながら裁判を見守ってきました。自分の権利が奪われないように、行使できる方法で意見表明をすることは大事」と話しました。
訪れた人たちが想いを自由に書き込むメッセージコーナー「私が首相になったら」には、「学びたい人が学べる社会を」「給料上げる」「消費税ゼロ」などが並び、畠山さんは「民主主義を学校に!」宮内さんは「世代間の対立ではなく格差を正して自由で平等に」と書いていました。
夜には音楽ライブなどもあり今回のフェスティバルには1600人が来場したとのこと〜。
「民主主義ユースフェスティバル」は次回3月に神戸と東京での開催を予定しています。