【読書記録】2023年6月

もう7月!……も、終わりかけてますが!
6月の読書記録です。



1冊目:松井玲奈『累々』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

23歳の小夜は、同棲中の恋人からプロポーズを受けて戸惑っていた。私の年齢は、結婚するのに適しているのだろうか――? 獣医師のセフレと奔放に夜を過ごす「パンちゃん」、恋愛ゲームのようにパパ活女子との逢瀬を楽しむ星野の前に現れた不思議な女子大生「ユイ」、才能あふれる美大の先輩に切ない恋をする「ちぃ」……現代を生きる女性のさまざまな顔を描く、たくらみに満ちた連作小説集。

上記のあらすじを読んで勝手にそれぞれが独立した恋愛小説なんだと思い込んで読んでいた。読み進めると徐々に紐解かれるある女性の姿。

人間の多面的な部分が凄くわかりやすく描かれていると思った。自分が見てる「その人」は一部分でしかない、というのを知らしめてくる。

人はみんな絶妙なバランスで「自分」を維持しているんだろうな。

それにしても松井玲奈ちゃんの才能が凄い。アイドルとして大活躍して卒業し、バラエティや役者をこなしつつ、こんな小説も書けるなんて……普通に嫉妬しちゃうね!!同い年だし!!

2冊目3冊目:三浦綾子『氷点‹上›‹下›』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用元)

辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気付くことになった夏枝は、激しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけたーー。愛と罪と赦しをテーマにした著者の代表作であるロングセラー。

三浦綾子『氷点‹上›』

海難事故で出会った宣教師の行為に心打たれた辻口は、キリスト教に惹かれていく。しかし夏枝を許せず、陽子への愛情も生まれない。夏枝は陽子に気づかれないように冷たい仕打ちを続けている。兄・徹は陽子に愛情をそそぐが、思いを自制するために友人・北原に陽子を紹介した。北原と陽子は心通わせるが、夏枝は複雑な嫉妬心から、2人に陽子の出生の秘密をぶちまけてしまう。人間の愛と罪と赦しに真正面から向き合う不朽の名作。

三浦綾子『氷点‹下›』

上下巻なので2冊分の感想を一気に書きます。


三浦綾子さんは北海道出身の作家さんということで、いつか読みたいと思っていて、やっと読むことができました。

氷点は過去に何度かドラマ化もされていますが、そちらを見る機会もなかったので、全く予備知識なく読みました。


この作品の感想をひと言でいうと、「とてもしんどい」ですね。

大人たちがとても身勝手なので、それに振り回される陽子も徹もルリ子も可哀想でした。


陽子が素直で真っ直ぐな絵に描いたような良い子なので、夏枝の精神的な幼稚さが浮き彫りになって読んでいて腹立たしかったです。

割とまともな大人かな?と思えるのは啓造の友人・高木と夏枝の友人・辰子くらい。

下巻の辰子が眠っている陽子にかける最後の台詞が好きでした。

「ねむるだけ、ねむったら早く起きるのよ。全くちがった人生が待っているんだもの」

陽子の明るい未来を示唆しているようで、いち読者としては救われました。


おわりに

6月は3冊2作品の読了でした。

6月は引越し作業でバタつき、読書があまりできませんでした。

無事に引越しも終え、暑い日が続いているので、エアコンが効いた新しい自宅で積読を消化しています。


無理せず暑い夏を乗り切りましょう。



いいなと思ったら応援しよう!