【読書記録】2024年11月

12月になりました。今年も一年あっという間だったなあ。
今回は11月の読書記録です。


一冊目:安田夏菜『6days 遭難者たち』

単行本で、あらすじ等は見当たらなかったので省略します。
こちらはYAに該当する小説みたいです。X(旧twitter)で知り、図書館で借りました。

それぞれに葛藤を抱えた女子高生3人がある日、初心者レベルの山へ登山に行くことに。そこで予定外の行動をとったことにより遭難に発展してしまう……。

初心者レベルの山といえど登山は侮ってはいけないし、時間に余裕があるからと言って予定外な寄り道はしない方がいいし、セオリーに反した行動は慎まなければならないんだな、と思いました。

登山をすることはないけれど、もしすることがあれば肝に銘じて楽しみたいです。


二冊目:東野圭吾『虚像の道化師』

あらすじ(文庫本裏表紙より引用)

ビルの5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。男は何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りた様子だったが、教祖は自分が念を送って落としたと自首してきた。教祖は本当にその力を持っているのか、そして湯川はからくりを見破ることができるのか(「幻惑す」)。ボリューム満点、7編収録の文庫オリジナル編集。

亀のようなペースで読み進めている探偵ガリレオシリーズも7作目。

今回は第一章の「幻惑(まどわ)す」、第四章の「曲球(まが)る」、第七章の「演技(えんじ)る」が特に好きだった。

特に第七章「演技(えんじ)る」は湯川先生が事件に関わっていくキッカケがいつものパターンとは違っていて新鮮でした。


三冊目:三日市零『復讐は芸術的に』

あらすじ(文庫本裏表紙より引用)

悪質なグルメ系YouTuberの恨みを買い、嫌がらせを受ける定食屋に現れたのは絶世の美人・エリス。店主の依頼を受けてYouTuberを返り討ちにしたエリスは、自身を「合法復讐屋」と名乗る。ブラック企業の死亡事故、柴犬の虐待事件……さまざまな依頼人の復讐を請け負うなかで、エリスは予想外の事件に直面する。元恋人への復讐を依頼してきた青年が、殺害容疑をかけられたのだ——。

「合法復讐屋」シリーズ(で、いいのか不明だけど)2作目。
こちらは4編収録で、全編面白かったです。

私が特に好みだったのは「親友」。
依頼人はエリスの有能な助手・メープル(小4女児)の同級生・上條隼太くん。
この話では依頼人がメープルちゃんの同級生というところもあり、普段子供らしさを感じさせないメープルちゃんの小学生らしい一面を見ることができて嬉しかったです。

話の結末は明るいものではなかったけど、隼太くんの芯がしっかりしていて安心感もあるラストだったと思います。

それにしてもこのシリーズ、気になることがまだまだあり過ぎて、この先も楽しみです。ずっと読み続けていきたい大好きなシリーズです。


四冊目:岸田奈美『もうあかんわ日記』

あらすじ(単行本そで部分より引用)

父は他界、弟はダウン症、母は車いすユーザー、からのコロナ禍に生死をさまよう大手術。
間に祖父の葬式が挟まって、ついには祖母がタイムスリップ。
——残された長女(作家)にすべてのタスクは託された。

岸田奈美さんのエッセイはよくnoteで読んでいて、書籍で読むのは今回が初めてでした。

語り口が軽やかなので思わず笑ってしまうのですが、書いてある内容はそこそこにヘビー。私ならきっと乗り越えられない程に。

笑いを誘う語り口なのに時折泣けてきてしまう部分があるのは、相当に相当に相当にしんどい状況の部分(公にできる範囲での)なのではないのかな、と思いました。

どんなに状況が辛くしんどくても、それを読者を楽しませる文章として昇華できる能力に脱帽です。

岸田さんは同い年なんですが、自分とは比べ物にならないくらい、とてもカッコイイです。尊敬します。


五冊目:姫野カオルコ『リアル・シンデレラ』

あらすじ(文庫本裏表紙より引用)

童話「シンデレラ」について調べていたのを機にライターの<私>は、長野県諏訪市に生まれ育った倉島泉くらしませんについて、親族や友人に取材をしてゆくことになる。両親に溺愛される妹の陰で理不尽なほどの扱いを受けていた少女時代、地元名家の御曹司との縁談、等々。取材するうち、リッチで幸せとは何かを、<私>が問われるようになるドキュメンタリータッチのファンタジー。

姫野カオルコさんの小説は『整形美女』以来、2冊目です。

泉の人生を泉自身は不憫だと思っていないかもしれないし、他者から不憫だと思われることを嫌がるかもしれない。
でも彼女自身が作中で自らの生い立ちを嘆き悲しむことをしないので、せめて私が泉の分まで嘆きたいと思う物語でした。

泉の母である登代の過去パートを読んでなんて理不尽なんだ、と。年老いて記憶が曖昧になっているのは仕方ないとしても酷い言い草だなと思ってしまいました。

物語の背景は全然違うのですが、登代が『氷点』の夏枝のように思えてしまい、嫌悪感が凄かったです。

最後、生まれ育った地元から事故を思わせる状況を作って泉は姿を消します。
あとがきに泉が書いたはがきの画像が添付されているので、泉はどこかで慎ましく生きているのでしょう。彼女の幸せを願ってやみません。


さいごに

11月は5冊中3冊が積読でした。コツコツ消化して偉かったですね。

12月はまだ読了冊数ゼロです。何だか読書に気持ちが向いておりません。

理由は明確です。推しが活動休止を発表したから。発表以降全然集中できない。

でも、現実逃避も兼ねてぼちぼち読んでいきたいです。

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