【読書記録+講演会感想】2024年12月

新年明けましておめでとうございます。今年もゆるゆると更新していきたいと思います。本年も宜しくお願い致します。

さて、2025年最初の更新は12月の読書記録と『保健室経由、かねやま本館。』シリーズの作者・松素めぐりさんの講演会に行ったときの感想です。



1冊目:下村敦史『法の雨』

あらすじ(文庫本裏表紙より引用)

「逆転無罪」。有罪率99.7%の日本で、無罪判決は死も同然。看護師による組長殺人事件の無罪判決を受け、担当検事の大神護おおがみまもるは打ちひしがれた。裁判長が判決の直後に法廷で倒れた。これは偶然か。さらに、無罪となった看護師が死んだと知り、病床の裁判長を訪ねると、さらなる謎と事件が見えて……。検事、弁護士、被害者と加害者、刑事、そして判事。複雑に絡み合うリーガルミステリー。

下村さんの小説は『黙過』以来久しぶりに読みました。『黙過』は医療系ミステリーでしたが、こちらはリーガルミステリーです。

この小説では「後見人制度」が出てきます。制度名を聞いたことあるなあ~程度だったので、その制度の非情な現実に嘉瀬一家同様に打ちひしがれてしまいました。
この小説で触れられているのは勿論制度のいち部分だけなんだと思いますがメリットを一つも見つけられませんでした。後見人制度のメリットって何なんでしょうね。
こうやって社会の仕組みを知りたくなる小説でもあります。(『黙過』を読んだときは臓器移植について知りたくなりました)

本筋のミステリーも面白いです。


2冊目:辻村深月『鍵のない夢を見る』

あらすじ(文庫本裏表紙より引用)

どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう? 放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の放火」) 夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破壊(「芹葉大学の夢と殺人」)。 他、地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。

地方で生活する女性たちにスポットを当てた短編集。

私も地方出身の地方在住なので、各物語に出てくる女性たちの抱えている鬱々とした気持ちに心当たりがないわけではないのですが、それらへの共感よりも、ドン引いてしまう気持ちの方が大きかったです。

どの話も最後までスッキリとはせず、最後までどこかモヤモヤが残ってしまうのが「ドン引き」の原因かもしれません。

個人的には気持ちの良い小説ではなかったです。


松素めぐりさん講演会感想

12月15日(日)杉並区中央図書館で開催された松素めぐりさんの講演会に行ってきました。

ひと言で感想を言うと、とてもとても楽しかったです。

松素めぐりさんはほんわかした雰囲気のチャーミングな女性でした。

幼少期のエピソードは個性大爆発!といった感じで、こういう方からあの面白い物語が紡がれるんだなあ……と感動してしまいました。

『かねやま本館。』シリーズを書いたキッカケが「中学時代ツラかった自分のために物語を書こう」だったと知り、『かねやま本館。』シリーズがあの頃ツラかった今の大人(私)に刺さった理由がわかった気がしました。

私はあのシリーズを読んで過去の私を抱きしめているのだと思います。

お話は最初から最後までずーっと面白かったし、最後に最高のお土産までいただけて、遠出した甲斐があったなあと思いました。

これからも応援します!
今月末に第8巻が発売されるということで、そちらも楽しみです。

7巻のラストが不穏だったので、8巻の展開が不安だなあと思っていたら講演会の中で「バッドエンドはないです」的なことを明言してくれていたのでとても安心しました。

簡単ですが、以上感想でした。


おわりに

12月は全然読めませんでした。
年明けは読めているかというとそんなこともなく……読みたいとは思っているのですが相変わらず集中ができません。

そのわりに積読は増やしています。

2025年は年間60冊くらいは読みたいですねぇ。読めたらいいなあ。

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