稽古会0514

5月14日、稽古会を参加者の皆さんと1日じっくり行いました。
今回は『いつかやってみたいと思っている企画を実験してみる会』でした。

ウィリアム・バロウズ著『裸のランチ』という作品があります。
この作品はカットアップという手法を使って創作されました。
カットアップとは簡単に言うと、文章をバラバラに切ったものをつなぎ合わせて完成させる、という手法です。
そのため、突然人が現れたり場面がすぐ切り替わったり、支離滅裂で夢のような、奇想天外な小説になっています。
かねてから、このカットアップの手法を演劇でやってみたいと思っていて、今回はその実験をしてみることにしました。

今回、以下の手順で演劇作品をつくりました。

①テーマを決めて、はぎわらを含めた参加者でリレー小説を書く。
②書き上がった小説を元に、はぎわらが20分〜30分程度の戯曲の形に書き起こす。
③完成した戯曲をセンテンス(台詞、ト書き)ごとにバラバラにし、ランダムに組み合わせる。
④そうしてできた戯曲を皆で立ち上げてみる。

最初から皆で戯曲の形式でリレーをすることも考えましたが、台詞などの文体の統一感が出るよう、このような手法を取ることにしました。
また、テーマを決めて書けば、ランダムに文章を組み合わせたとしても破綻した中での統一感が出るのではないかなという目論見があります。
ランダムに組み合わせた戯曲を実際に立ち上げてみたら、思わぬ新しい文脈が生まれたり、面白い演出ができるのではないか…と思っています。

以下、参加者の皆さんと書いたリレー小説と、それをもとに私が書いた戯曲と、それをカットアップして仕上げた戯曲を公開いたします。
下記のリンクからそれぞれ閲覧可能です。

【参加者の皆さんと書いたリレー小説】
https://docs.google.com/document/d/1EkzySfsgDpQepNBo3CN1bPvAa_eglNQq9SBWb31lhNM/edit?usp=sharing

【リレー小説を元に書いた戯曲】
https://drive.google.com/file/d/1oSumDJnX0X2FoqKm9w2-zeOs-9KD0Edm/view?usp=sharing

【リレー小説を元に書いた戯曲をカットアップした戯曲】
https://drive.google.com/file/d/1hPnnFOp-RS85NArMtRfD9h2iPdgD707t/view?usp=sharing


実際に作品を立ち上げてみて、改めて、演劇の可能性や自由度を感じることができました。
文脈が確立されている戯曲に普段慣れているけれど、それを一度壊してみると、戯曲はいかようにも読解できるという根源的なことをすごく感じることができて、俳優も演出家も、すごくいいワークというか稽古ができると思いました。
すごくいい稽古方法だなと、しみじみ発見でした。
今後もやりかたをブラッシュアップしつつ、いつか実際に劇場での企画としてやってみたいな、と思っています。

一週間ほどは稽古〜発表の生配信の様子をアーカイブで残すので、
ぜひ作品がどうやって立ち上がっていったのかをご覧くださいませ。
↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=M7_gOKAKKd8&t=19338s


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