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わたし、こけしでした。
「うれしいとき、本当にうれしい顔をするよね。」
そう言ってもらえて、すごくうれしい。
つくづく、言葉と表情は大事だな、と思う。
〜〜〜✂︎
4、5年前、ものすごく蔑まれていた時期があった。
「お前、ブスだな」と、よく言われた。
それまでの人生で「ブス」と言われたことがなく、すごくショックをうけた。
そりゃわたしは「美人」ではないかもしれないけど、、、!!!
と心の中で反論するのが精一杯だった。
(いまだったら、そんなこと言うなんておかしい!とかって絶対言い返してるけどね。)
近頃、当時のわたしを知っている人に再会すると、
「めちゃめちゃきれいになったね。」と、みんな、口を揃えて言う。
そんなにも見た目が変わったか?と、当時の写真を見返すけど、
静止画だと、特に大きく変わったようにはみえない。
(上京のきっかけになった「解放食堂」というイベントでの1枚。当時24歳。)
当時のわたしは、兄弟を亡くすというショッキングな出来事の直後で、
感情のスイッチが壊れきっていた。
24歳のときに上京して、最初に住んだ「リバ邸」というシェアハウスでは、
発言と表情が一致していない。と指摘された。
(でも彼らは、そんな私を「こいつやべー!」と笑った。その様子にいくばか救われた。)
リバ邸でつけられたあだ名は「こけし」だった。
名付け親いわく、黒髪ボブヘアーで、無表情だから。
けっして、いまになって、
「こけし」というあだ名が不服だったと物申したいわけではない。
むしろ「こけし」は当時、わたしのアイデンティティだったと思う。
だけど、「こけし」と呼ばれる所以となった背景には、大きな劣等感があったから。そういう意味では、払拭したいイメージだったことは否めない。
〜〜〜✂︎
リバ邸には、出会いがたくさんあった。
家にいるだけでも、年間1000人以上の人に会っていたはず。
出会いが多いぶん、恋もたくさんした。
だけど、その度、すきな人に邪険に扱われた。
「暗いし、固いし、おもしろくないんだよな〜。」
「お前、ほんとネガティブでめんどくさい。」
「もうちょっと笑えばいいのに。顔が怖い。」
いやいやいや、これ!
3行書いただけで、相当なボディブロー(泣)
こんな痛烈な言葉、よく受け止めてたもんだ(泣)
ふつう、すきな人にこんなこと言われないよ!?(泣泣泣)
でもさ、冗談じゃなく。
こういうこと、本気で言われていたし、言われるような子だったの。
あえて書かないけど、もっとひどいことも言われてた。
やっぱり、どん底にいるときって
自己肯定感が相当低いし、引き寄せる男も難ありだったりするし(そうじゃない場合もあるけどさ。)
なんかいろいろ、うまく行かないようにできてるんだろうね。
そのくせ、ひとりでいるのが耐えられないから、
恋愛で埋めようとしていたんだろうなあ。
頑張るのそこじゃないだろっていうね。ダメ発想にも、ほどがある。
そんな調子で、大事にされない恋愛ばっかり積み重ねて、
心無いこと言われてもしがみついて、
「ひどい!!!でも、すき!!!!!」
ってな具合に盲目で。
はーーーーーー。ほんっと、どうしようもないな(笑)
過去の自分に「それ、ダメな恋だよ!」って喝をいれてやりたい、、、
だけど、そのしょうもない時期があったからこそ、
壊れていた感情のスイッチが、徐々に操作できるようになったのは確かで。
自己肯定感が低い上に、さらに他人から叩かれるという経験は、
自分を大事にしなければ、誰にも大事にしてもらえない。
そして、誰かを大事にすることもできない。
と認識を改めるきっかけになった。
(まあ、頭ではわかっているけど失敗する期間も経て、いまにたどり着いてるんだけどね。まだまだ半人前です。)
自分なりの恋愛マニュアルができたことで、
男性にネガティブなことを言われても気にしないようになった。
恋愛以外のことにも目を向けて、日々が充実するようになった。
すると、少しづつ、自信がついていった。
上京して、2年ほど経った頃、
リバ邸によく遊びに来ていた男性に言われた。
「こけしちゃん、そんな風に笑う子だったの!?めっちゃいいじゃん、めっちゃかわいいじゃん!性格も明るくなったし、変わったねー!!!」
ブス、暗い、不快だからこっちみるな
そんなことばかり言われていたわたしが、「かわいくなったね。」って。
ほんとにほんとにほんとーーに、うれしかった。
表情ひとつで、印象はものすごく変わるんだなあと実感した。
〜〜〜✂︎
それ以降、男性に蔑まれるようなことはなくなった。
ときたまバカにするような人が現れても、相手にしないようになった。
すきな人には、
「表情が豊かで、みていて飽きない。」
「うれしいとき、本当にうれしい顔をするから、こっちまでうれしくなるね。」と言ってもらえるように。
人をよろこばせる言葉って、すごくいい。
うつむいていた花が、水をあたえられて、生き生きと空を仰ぐように。
正しくあたえられる前向きな言葉は、人を輝かせる。
自己肯定感が上がり、感情が豊かになり、余裕がうまれる。
浮き足立つようなほめ言葉をもらったときの、あの感情。
むずかゆくて、恥ずかしくて。でも、あったかくて、しあわせで。
いい気持ちがいっしょくたになった、あのなんとも言えない感情。
わたしも、そんな感情をあたえられる人になりたくて、
いいと思ったことは、面と向かって伝えるようにしている。
冗談言いながら笑う人、照れてうつむく人、目をそらして否定する人
反応はさまざまだけど、そのどれもが、どこか満足げで。
みんな、魔法がかかったみたいに、ぱあっと明るい表情になる。
言葉の力って、すごいんだなあ。って、思わざるを得ないよ。
いい言葉は、いい表情を。いい表情は、いい言葉をうむ。
それはとっても気持ちのいいこと。
他人のステキなところを、どんどんみつける。伝える。
そんな習慣を、続けていけたらいいなと思う。
24歳のわたしは、卑屈で暗くて、たしかに「こけし」だったけど、
29歳のわたしは、そうじゃない。
でも、ずっとお別れを言えていなかったから、いまここで言う。
さようなら。こけしだったわたし。
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