どう感じているの?
お盆のシーズンは実家に毎年帰省し、両親や弟家族と過ごす。今回も8歳の姪が泊まりに来るので、彼女と長い時間を過ごしながら成長ぶりを感じるのが楽しみ。彼女が5歳の時から私が実家に行くと必ず1人で泊まりに来るのだけど、両親から離れて夜を過ごすなんてずいぶんしっかりしている。
彼女ぐらいの歳の頃、うちの父は戦争で爆弾がしょっちゅう降ってくるようになった大阪の家から、田舎の方に母親と兄弟と疎開した。田舎暮らしはとても刺激的で虫とったり、魚とったり、楽しかったようだ。そんな歳なので、色々記憶していることがある。日本は戦争に勝っていると親からは聞かされていたが、子供の頃から疑い深いのか父は勝っているのにこんなにたくさん敵がきて、爆弾落とていくのはおかしいんじゃないか、と言って親から怒られたそうだ。子供は鋭い。
しかも驚くことに、戦闘機から子供が好きそうなおもちゃも落としていたそうだ。子供がそれを拾って、動かすと爆発して拾った子どもが悲惨な怪我をしたというシーンを目撃したことがあるそうだ。子供達にまでそんなことをしていたなんて残酷すぎる、、、姪も一緒に聞いて怖がっていた。終戦後GHQは日本に入ってきて爆弾付きおもちゃの代わりに、ガムやチョコレートを子供たちに配っていた。戦後子供達がGIVE ME CHOCOLATE!とアメリカ兵によっていったとの話は聞いたことがあったが、爆弾おもちゃの話は初耳だった。父は爆弾おもちゃは拾わなかったけど、ガムやチョコレートはもらいに行ったらしい。戦前と戦後両方の時代を生きている人の話は価値感が大きく変わる(変えられる)状況を体験してとても興味深い。
このシーズンになると戦争関係の特集が増えてくるが、直接聞く父親の実体験は生々しい。今まで父の子供の頃の話といえば、虫や魚をとり、先生が嫌いだからとクラスの子引き連れて授業サボって怒られたりという話しか聞いていなかった。そんな戦争体験をしているとは思わなかったけど改めて聞いて、もしあの時代に自分が今のように大人で姪の面倒を見る立場だったとしたらどんな話をしていただろうと思いを巡らす。
私が読書しているのをみて、姪も一緒に本読むということで齋藤孝先生監修の「生きかたルールブック」という本を読んでいた。読み終わったというので、その中でどのルールが一番心に響いた?と聞いてみたら「相手を追いつめすぎない」と「未来の自分は幸せになると信じる」の2つと答えた。何故この2つなの?と聞いた時にははっきり答えなかったけど彼女が絵日記に書いている内容を読んで、なんとなく見えてきた。
彼女はとても気が強く、なんでも勝ちたがる。というか負けん気がすごく強い。だから相手を追いつめすぎない、というルールを見た時自分が相手を追いつめないってことなのかと思ったら、自分が追いつめられた立場が描かれていた。何かあって悲しい気持ちになったことがあるんだね。負けてよほど悔しい=悲しい思いをしたんだね。
さらにもう一つのルールに関しては、「けんかや争いのない平和な世界を目指すために自分の幸せを信じたら、みんなも幸せになっていろんな人と仲良くなれる」と絵日記に書いてあった。彼女が書いている順番が良いなと思う。まずは自分があって周りの人がある。
絵日記の締めくくりには、戦争のない平和な世界を目指します、とあった。父(彼女からみたらおじいちゃん)の話が印象強かったようだ。ちゃんと話を理解して、どうなったら良いのかという想像力が働いている。また「平和な世界になってほしい」と他力本願ではなく、「目指します」という書き方に彼女の意思の強さを感じ、自分でやるという自主性にとても感動した。