見出し画像

【一人旅日記】草津温泉

2024年12月29日

東京駅からバスで5時間ほどかけて草津バスターミナルに着く。バスのなかでうとうとしている間に、いつの間にか雪が降り始めていた。
ターミナルから坂を下ると5分くらいで湯畑に着いた。雪も湯気も白い。人ごみと雪が億劫になってきたころに行き当たった店で昼食にした。肉がでーんと出てくる、湯畑を見下ろす店だった。

湯畑の周辺。翌日撮影したもの。

熱乃湯で湯もみショーを見たり、うろうろしている間に夕方になってきたので、宿に向かうことにした。
ところがなんと、宿に着いてみると予約がされていないと言う。予約したと思い込んでいたが、予約がとれなかった旨のメールを見逃していたらしい。スタッフさんが親切にもその場で近い価格帯・場所で草津高原ユースホステルというところを調べ出してくださった。(泊まっていないけど絶対いい宿だと思いました。KOTODAMAというゲストハウスです。)電話してみると空きがあるというので心底ほっとした。
湯畑を挟んで反対側なので、バスを勧められたけれど、調べるのが億劫で歩くことにした(外は気温-5℃くらいだったけど、なぜか東京の0℃ほど寒くないのが私を強気にした)。とはいえだんだん車だけがとおる山道にさしかかるとちょっと不安になってくる。しかもGoogleマップでも宿周辺の道がちょっとふわっとしているのだ。ここを曲がれば少なくとも近くには行けそうだ、と思ってた曲がり角に、リゾートホテルの看板が出てきたときにはちょっと絶望しかけた。リゾートホテルの入口からユースホステルに着けるものなの?着けなかったら泣くからね!と架空のだれかを脅しながらしばらく歩くとありました!部活の合宿で泊まるような感じの建物です。(部活の合宿行ったことないけど)。
雪のなかを歩いて湯畑周辺に戻る気力はなかったので、隣のリゾートホテルに行くことにした。温泉の日帰り利用が可能だったからだ。露天風呂に入って上を見上げると、雪と湯気が混然一体となって夜の空に散ってゆくのが面白かった。小さな女の子が、隣の男湯にいる兄弟だか友人だかにそっちも雪見える?と叫んでいた。夕食にすべく、ホテルの土産物店で温泉饅頭を買ってユースホステルに帰った。

2024年12月30日

翌朝は快晴だった。宿を出るとき、スタッフさんがいってらっしゃい、と言ってくれる。それがずいぶん心のこもった感じで、なんか嬉しかった。
西の河原露天風呂に入りたくて来た道を戻る途中見つけた、片岡鶴太郎美術館併設のカフェで朝食をとった。朝8時からやっているので、早くからうろうろしたがる私のような人間におすすめです。パンケーキはシロップがしみしみで美味しかった。
西の河原公園はそこから歩いてすぐだった。上の方から流れてくる川の水はすべて温かく、あちこちから湯気が立ち上っている。

西の河原公園

緩やかな坂道を10分くらい歩くと、露天風呂が現れる。洗い場はなく、脱衣所を出たところでかけ湯だけして入るスタイルだ。かけ湯の間は寒い寒い寒い!と心の中で騒ぎまくっていたが、一歩湯に入ると寒さでこわばっていたからだが一気にほぐれる。周りは360℃雪山で、頭上にはぱっかーんと青空が広がっている。これまでに入った露天風呂のなかで、一番露天風呂らしい景色だった。

その後、「裏草津」と呼ばれるエリアに行ってみた。湯畑の混雑から、細い階段を上っていくと、最近整備された洒落たエリアが出現するのだ。迷い込んでみた感じがあってとても楽しい。湯畑から離れるとはいえ、それなりに人はいるが、足湯なんかも一人くらいならまだ入り込めるな、という瞬間が結構あった(入った)。

階段を上りきったところにあるデッキからの景色

また、草津には地元の人に無料で開かれた共同浴場がいくつもあり、一部が観光客にも開放されているのだが、ちょうど裏草津にも地蔵湯というのがあったので入ってみた。木造の建物で、がらがらと鳴る引き戸を開けると仄暗い脱衣所・洗い場・湯舟が同じ空間にある。天井は梁がむき出しになっていて、上の方に採光部があるようだった。そこに向かって湯気が立ち上っていくさまがきれいだった。