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【競馬】2022クラシック候補TOP5を語る~牝馬編~

いよいよ今週から2歳G1がスタート。このタイミングで来春のクラシックの主役を務めるのは誰かという話をしておきたい。昨年も阪神ジュベナイルFを制したソダシが桜花賞馬になったし、コントレイルやサートゥルナーリアもホープフルSで2歳王者に輝いた後にクラシックの栄光を勝ち取った。もう来年への戦いは始まっているのである。

ざっとここまでの2歳戦の流れを最初に振り返っておくと、まずはディープインパクトとキングカメハメハの実質ラストクロップであることが開幕前からの話題に。今季は評判になっていた良血馬たちが比較的順調に勝ち上がっているようにも思う。
一方で風向きの変化を感じるのが、新種牡馬産駒たちの活躍。ドレフォン、シルバーステート、キタサンブラックがすでに重賞勝ち馬を輩出し、まさにこれから始まる種牡馬戦国時代の幕開けに向け一歩リードを果たした感。いずれの種牡馬も複数の活躍馬を出していることからも、まぐれとはまず考えにくいのでは。来季のPOG指名馬を検討する際にもチェックが必要。

牝馬路線に目を向けると、新潟で勝ち上がった馬のパフォーマンスが派手で目を引くものがあった。ただ、その後が今ひとつ順調さを欠くなどまだ混沌とした状況。その中でナムラリコリス、ナムラクレアの「ナムラ勢」や、武豊&幸四郎兄弟のタッグが送るウォーターナビレラ、老舗・千代田牧場産のサークルオブライフなどノーザンF以外の生産馬からも活躍馬が多数出現。全体的にはまだ混沌とした状況で、別路線から現れる新勢力がどこかに潜んでいる可能性も十分。

それを踏まえた上でTOP5を選出。見る目があるかどうかは来年の春に確認してもらえれば。

記事の内容はすべて2021年12月8日時点のものです

■ 5位 ゴールドローズ

出たよ、いきなり身内(?)からのチョイス。愛しのゴールドシップ産駒で未勝利戦をすぅーんごい脚で追い込んで勝ったゴールドローズにロマンを託す。
新馬戦で2着と好走したことで期待を持って見ていた前走だが、直線に入ってもまだ後方イン。追い上げる気配もなく「あれ..?」と思っていたら、急にエンジンがかかって内から猛追。ゴール前で前をきっちり捕らえた末脚は、あのエリザベス女王杯を連覇した英国の名牝スノーフェアリーを彷彿とさせるものがあった。
その後は一息入れられ、次のレースはどうやら年明けということになりそう。実績的にはまだ1勝を挙げたばかりだが、底知れぬ可能性を感じさせてくれる馬。血統的には桜花賞のみならずオークスまで楽しめるのは確実。どうかこの予感よ現実になってくれ。

■ 4位 ナミュール

今季の2歳戦を引っ張るもう一つの勢力が「ハービンジャー第二世代」。ディアドラやペルシアンナイトらの活躍があって良血牝馬と交配された世代が、まずまず期待通りの好成績を収めている。
その中でも際立ったポテンシャルを見せてくれているのがナミュール。ここまで2戦2勝、いずれも極上の瞬発力で連勝を決めている。新馬戦はラスト3F[ 11.9-10.8-10.7]の加速ラップを突き抜け、赤松賞はマイペースで逃げるパーソナルハイをあっさりと捕まえてみせた。いずれのレースもまだまだ余裕たっぷりの脚色で、まだ奥がありそうな印象。速いペースの経験がないのが現時点での課題にはなるが、「スロー専」で終わる器には思えない。
母母が97年の桜花賞馬キョウエイマーチということで、先月BCディスタフを制したマルシュロレーヌとは近親にあたる。勢いのある牝系を継ぐ者としてかかる期待も大きい。

■ 3位 サークルオブライフ

今週の阪神ジュベナイルFにも有力馬の一頭として出走するサークルオブライフ。前哨戦のアルテミスSは単勝7番人気の低評価ながら、大外一気の豪快な末脚で勝利した。それでもまだ半信半疑な雰囲気が残っているのは、血統面でそこまで強調材料に欠けるからかもしれない。父は今をときめくエピファネイアだが、母父はアドマイヤジャパンとマイナーな香りが。母シーブリーズライフもJRAで4勝を挙げた立派な成績の主ではあるが、繁殖牝馬としての実績は平凡。
それでも、未勝利戦では中山マイル戦を大外からマクって押し切る規格外の勝ちっぷりを見せ、アルテミスSも前残りの展開をなで切った器の大きさは魅力。デビュー戦では牡馬のクラシック有力候補であるイクイノックスにちぎられたとはいえ、あのレースは向こう正面からムチが入るなどまだ競馬をわかっていなかった感が強い。今ならもっと僅差の勝負になるのでは(勝てるとは言っていない
とりあえず2歳女王の称号を手にする可能性は十分にあると見ていい。あとは未対戦のメンバーとの力比べが来春どうなるか。

■ 2位 ラスール

新馬戦で手綱を取ったルメールが「新しいグランアレグリア」と絶賛のコメントを残したのが、藤沢和雄厩舎のラスール。シャケトラの半妹でデビュー前から追い切りの動きも良好と注目を集めていたが、その初陣も鮮烈だった。スタートこそやや遅れ気味だったが、促されすかさず好位を確保。外からフタをされて追い出しを待たされる場面もあったが、いざエンジンがかかると後続をあっという間にぶっちぎって3馬身半差の完勝。レース後に飛び出したのが、冒頭のルメールの賛辞であった。
よくある話が「藤澤和雄調教師に最後のG1を~」のパターンだが、さすが馬優先を座右の銘としてJRA調教師として頂点を極めた男が今さら己の主義を曲げるようなことはない。阪神ジュベナイルFには目もくれずに調整が進められ、どうやら次はシンザン記念を視野に入れているとか。これはこれで強気の選択だが、荷が重いなどとは全く感じさせないスケール感を持っている。
牡馬ではイクイノックスが頭ひとつ抜きん出たキタサンブラック産駒だが、牝馬の初年度代表産駒はこの馬になりそう。今から次走が楽しみ。

■ 1位 ソネットフレーズ

栄光の第1位はこの馬、ソネットフレーズ。先程のラスールについてルメールがグランアレグリアを引き合いに出していたが、個人的にはこの馬の新馬戦を勝った時に思ったのが「これ、ちょっとしたグランアレグリアやろ」というもの。圧倒的なスピードで他馬を打ち負かす、ポテンシャルの塊といった印象を受けた。
ボーンシストを発症しながらも、調教のペースが上がるにつれメキメキと頭角を現してきた。デビュー前の追い切りから美浦南Wコースを爆走。ああこれは間違いなく走ると確信しての新馬戦があの強さ。POGドラフトで先に取られてしまったという因縁も忘れ、もう完全に魅せられてしまった。
そして2戦目に選ばれたのはデイリー杯2歳S。わざわざ関西圏の、牡馬相手の重賞にぶつけてくるこの自信と信頼よ。結果はわずかにセリフォスには及ばなかったものの、2着は確保し賞金加算には成功。レース内容も、もう少しスムーズに外に出せていればあるいは..と思えるものだった。
恐らくここを使った時点で阪神ジュベナイルFはパスするつもりだっただろう。現在は充電中、脚元の状態に不安を抱えるだけに桜花賞までは恐らくあと一走だけ挟むことになるはず。できれば決定的な強さを見せることなく本番へ進んでくれた方が、馬券を買う身としてはありがたいのだが果たして..w

はい、ということでTOP5はこんな結果となりました。

1位:ソネットフレーズ
2位:ラスール
3位:サークルオブライフ
4位:ナミュール
5位:ゴールドローズ

「この馬の方が活躍してるのにランクインしていないのはおかしい」というご意見もあるかもしれませんが、決してこれはレーティング順位ではなく将来性を見越したランキングなのでそのへんはどうかご理解を。

もちろん、他にも強そうな馬はいますよ。阪神ジュベナイルFにも出走するステルナティーアベルクレスタはすでに重賞でも好走しているし、アルテミスSで1番人気を背負ったフォラブリューテも立て直されれば巻き返しの可能性も十分。坂井瑠星とのコンビで2勝目を挙げたルージュラテールも脚質に幅が出て伸びしろを感じるし、ルージュスティリアも戦線復帰が叶えばあの瞬発力は脅威。
ただ、これらのメンバーと比べてもTOP5に入れた馬は勝るとも劣らない魅力を秘めている。オークスが終わった頃に「な、言うたやろ?」とドヤ顔でいられるためにも、みんなどうか頑張ってほしい。

<参考:2021年度のTOP5牝馬編>
1位:サトノレイナス
2位:レフトゥバーズ
3位:スノークォーツ
4位:ソダシ
5位:アカイトリノムスメ

見事にロマンを追いかけて撃沈した形跡しかないですねw
レフトゥバーズの新馬戦とか輝いてたのになあ..クイーンC除外で全てが狂ってしまった感。
ソダシも結局、桜花賞まで勝たれてしまったのでこちらの完敗。ゴールドシップ産駒のユーバーレーベンをアルテミスS大敗で見限ってしまい、スノークォーツを選んでしまったのもさすがに無理があったw
ただサトノレイナスがオークスに行っていれば勝てたとは今でも思ってるぞ!

<追記>牡馬編もアップしました。


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