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【競馬】幸運は紙一重のところでやってくる/桜花賞振り返り

インコースが止まらない馬場に加えてスローペース。こうなると正攻法の外差しでは並の馬は間に合わない。だいたい予想通りのレースになりました。

◎ウォーターナビレラはもう文句のつけようがない競馬。馬体減と聞いた際にはちょい不安になったけれど、パドックでは細くも見せなかったしイレ込みもなし。武幸四郎厩舎が最高の仕上げを施してきた。
好発を決め内からカフジテトラゴンを行かせると、出入りのない穏やかな序盤に。もうこの時点で好走は確信できた。余裕たっぷりの手応えで直線に向き、一瞬はセーフティリードに近いほどの差をつけたのだが..

スターズオンアースの強襲に屈し、惜しくも2着。

武兄弟と長年のお付き合いのある山岡オーナーのチームでクラシック制覇..母系に流れるキングヘイロー、マヤノトップガン、トウショウボーイの血が成すロマン..そしてハシスポさんの単勝馬券..それらの夢が打ち砕かれた。この無慈悲さこそ川田将雅よ。

とはいえ、「ここしかない」というルートを突いた人馬のファイトはお見事でした。好枠かつ人気薄の立場だからこそできた騎乗でもある。そういう意味ではここまで勝ち切れずに来たのが、本番で大胆な策に出られたとも考えられる。何が奏功するかわからんもんだ。
そもそも川田将雅が空いてたってのも幸運ですよね。あれだけいい新馬を任される立場にありながら、お手馬が思うようにステップアップできなかった結果がこうなるとは。お互いラッキー。

あとは社台ファームが久々の中央G1勝ちということで。もはやノーザンFとは競争にもならないレベルで水を開けられてしまったが、先般のサウジアラビア・ドバイでの国際競走では存在感を発揮。ダートや長距離戦での活躍が目立っていたが、クラシックで一矢報いる形に。
余談ながらぐりちゃの生産者インタビューに、セレクトセールの名司会者としても知られる長浜卓也さんが出演されており、相変わらずの口調でスターズオンアースの下たちの宣伝をしていたのがおもしろかったので社台ファーム勢はどんどん勝って長浜さんの出番を増やしてください。

3着のナムラクレア、5着のピンハイあたりも内枠とスローペースを存分に活かしての好走。特にピンハイは少し狭くなる不利もあってのもので、実はめちゃくちゃ強い説まである。406kgの小柄な馬体に秘めたポテンシャルに今後も注目。

人気どころの差し馬にとっては厳しい戦いに。ナミュールは悪くない位置を取れたが、そこから弾けきらなかったのは状態面の問題もあったか。権利取りがかかったトライアルを経由してこれだと、近年のぶっつけ作戦が正解なのかもしれんなと考えさせられる。

そんな中、最後まで脚を鈍らせることなく追い込んできたサークルオブライフはオークスで最有力視したい。最終追いも3頭併せでみっちり消化、さらに長距離輸送を経てもプラス6キロで出てきて体質面の強化を感じさせた。パドックではもっとうるさかったのに落ち着いていたし、2歳女王の成長を見た。もともとマイル特化型でもないので、次は絶好でしょう。近年やたらとオークスで強いミルコも頼もしい。

馬券は馬連をどうにか引っ掛けただけでちょい勝ち。ウォーターナビレラの単勝が当たっていればもう少し満足できたんですけどね。まあゴール前で「ユタカっ!!」と声援を送ったのも随分と久しぶりな気がする。楽しかったです。

◯ラブリイユアアイズは思い通り先行はできたけれど、直線でバッタリ。さすがにぶっつけでは万全とはいかなかったか。

京都競馬場の改装が続く来年も桜花賞は「イン先行重視」が使えると思うので覚えておきましょう。それを意識しながら2歳戦を見ておくと、よりフィルターの精度が上がるはず。

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