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The Quarry~悪夢のサマーキャンプ~ -死に至らぬ傷は成長の糧となる-

■PS4、PS5、XBOX、steam
■1~8人用(一応)
■選択式パニックホラーアドベンチャー(マルチエンディング)
■10時間くらい

夏なのでホラー映画アドベンチャーをプレイ!
会社はアンティルドーンを作ったチームの作品。
一言でいえばパニックホラー映画の登場人物の行動と選択をみんなで決めて物語を作ろう!という遊び。
私はマルチエンディングアドベンチャーがめちゃくちゃ好きなのでまあもちろんこんなの楽しんでやりましたよ!

斜陽の美しい、湖畔のキャンプ場
こちらが惨劇の舞台です。

上はネタバレなしの感想、下はネタバレ込みの感想
ネタバレなしの感想エリアにマルチプレイのメモ(マルチでやろうと思ってる人向けのメモ)を置いてきます。




ネタバレなしエリア

邦題のダサさまで完ぺきなタイトル(概要)

このゲームは本当に昨今見かけなくなった「パニックホラー映画」っぽいストーリーで出来上がっている。
なんか昔懐かしい雰囲気とそれぞれキャラ立った8人の学生たち。
子供たちの面倒を見るメンター役として呼ばれた、学校も生い立ちもばらばらな8人が、どんな恐怖の夏を過ごすことになるのか…

上 ジェイコブ、ディラン、ライアン、ニック
下 エマ、ケイトリン、アビー、ローラ

ちょこっとでも「夏休み×ウェイ系学生×陸の孤島×パニックホラー」っていう組み合わせに「おっ」ってなったらぜひ遊んでほしい。


表現規制

いちおう
グロ △ (骨とか怪我、血と肉、軽い切断表現)
エロ × (ちゅーはしてる。セッッ表現はなし)
虫  △ (ちょっとある)

ごりっごりの表現規制ものがあるとかじゃないんだけど、ちょっとウェってなる表現があるシーンがまれにあるので注意。
日本語版だと規制されてるから下着をつけてるけど英語版だと多分全裸だと思うのと、もっとごりごりにグロい見た目になると思う。
steam版で普通にDLしたらちゃんと規制されてる控えめ表現になるので安心してください。

グロシーンはグロいほどよい!!というイケイケな方は…DLするときにsteamの国籍をアメリカとかにすれば突破できると思う。



アドベンチャー部分

ムービー途中のQTEもあります

のちほどちゃんと記載するけど、このゲームの基本はムービーと簡易な探索パートが交互に挟まっていって

探索パート
 各種収集品要素・ストーリーの深堀アイテム・証拠品(分岐に影響)
アドベンチャーパート
 選択肢、簡易なミニゲーム
ムービーパート
 QTE

この流れで各章を進めていくことになる。
とくに探索パートの収集品は分岐にも影響したりするので結構くまなく探したくなる。
分かりやすい別のタイトルを上げるとデトロイト ビカムヒューマンとかライフイズストレンジとか。
そういう感じで結構ぼんやりムービー見てるととんでもないミスをするのでご注意を。


こういう分岐もある
マルチだと多数決


マルチプレイについて


マルチはこちら

このゲームにはマルチがあるんですが
いくつか注意事項があって

1 モードがいくつかある

まず上の写真の「狼の群れ」は良くある部屋を立ててフレンドを招くモード。一瞬steam上には無料のクアリーがあったんですが今はもうない。一緒に遊ぶ人は購入する必要があります。
(…といいつつ実は別の遊び方もあると思うんですが後述…)


2 マルチといってもキャラクターを一人一人が動かすわけではない

私は友人と遊ぶまで勘違いしてたんですけど、このゲームのマルチは
・探索パートでキャラを動かすのは1人(ホスト)
・QTEや投票に参加する(成功率が50%を超えていると成功・選択される)

という形になる
つまり
部屋を立ててみんなで集っても操作する人は1人で、残りの人たちは見てる+QTEをこなすのみ、になる…ということ

私と友人たちはみんなで
「Aさんはディラン担当」「Bさんはエマ担当」…って決めたうえで、ディラン担当の人が決めた選択肢をみんなで選ぶ…ってやってたのと、探索したい場所とかは本人に決めてもらって操作したりしていたので楽しめたけど、ハナからそういうシステムになっているわけではないので注意

(正直このシステムならトゥギャザーとか使えば1人買えば全員参加してプレイするのは1人とかもできたのかもなと思うので、まあちょっと…やろうと思っている人はいろいろ試してみてください)


3 巻き戻せない

当たり前っちゃ当たり前ですが
システム上はオートセーブ&セーブデータは1つなので、細かくセーブしながら進んで死んだらリセット、なんてものはない。
死んだら死ぬ。当たり前ですが… そういうのもあってマルチでやるときは広い心でやった方がいいです。


そんなわけで、皆で「うわこれ後半でこんな感じで使うんじゃない?!」「ええええいまの選択肢そういうニュアンスなのかよ!」とか「ほらほらジェイコブどっち選ぶん???」って感じでわやわや言いながら映画見てる感覚で遊べたらめっちゃ楽しめるんじゃないかなあと思います。

個人的にはストーリーもしっかりしていて非常に好きなタイトルでした。





ネタバレありエリア


ワンクッションの3連ニック

一番最初の集合画像を作るのに没にしたニック
何度とっても変顔になるの何
この角度知らん人になる
もしかして写真へたくその民?


どの組み合わせがくっつくのか予想しようぜ!!

「なあ磯野!!僕は
  ケイトリン&ジェイコブ
  ディラン&ライアン
 を押すよ!!!!」

何べん見てもディラン&ライアンがくっつかないの納得いかない。
なんか わかる… わかるでしょ?!既プレイの人たち!!!!!!

最近の若い子が集う系アドベンチャーのゲーム、だいたいどっかに同性カップル1組はいるせいで本当に普通にディランはゲイなんだと思ってたしライアンもノンケなんだなって思ってたよ
最後の最後まで納得できなかった唯一の要素かもしれん。

一緒に探索に行くときやたら「友好的に」「好意的に」「茶化して」みたいな
選択肢ばっかだったじゃん…!!!!!!うそつき!!!!!

なんていうかすごい懐かしい空気感のあるパニックホラーでなんかこう…「夏だ」と思わされるいいゲームだった。
前作のアンティルドーンは結構グロメインというか、まあなんかこうね…そういうものを売りにしていたタイトルだったから今作もそんな感じかなって身構えてたんだけど、結構すんなりちゃんとパニックホラーでとてもよかった。
個人的にはグロってこの程度でいいなっておもうわけ…(過剰なグロ表現はちょっと…笑えてきてしまう)

危険生物がいるかもしれない湖で夜中に泳ぐ顔のいいカップルノルマもちゃんと満たしてるし、しょうもないびっくり表現もあるし、やたら粘着質な視線を投げてくる外野、都合よくある銃とかも本当に「B級パニックホラーのド定番!!」みたいなのが出てきてめっちゃ面白い。

かと思う一方で、ちゃんと最後まで「あの謎はそういう事だったのね!」「ああなるほど、これがアレにつながるのか」という要素も残されていて、最後までちゃんと謎解き(推論ゲーム)させてもらえるのも非常に好みだった。
とくにこういうのって「まあそういう事だよね」となってしまって興味がうせてしまったらその時点で終わってしまうと思うんだけど、そういうテンプレをなぞりつつもちゃんと各キャラクターたちがそれぞれの事情や信念に基づいて行動していたり、二週目でようやく「ああここのセリフってキャラ的にはこういう事を懸念して口をついて出ていたんだ」とかが分かってくるのも非常にいい。

B級パニックホラー!といいつつもアドベンチャーゲームとしてはかなり出来がいいんじゃないかなと思う。


システム的な

個人的には「マルチできるならだれがだれを操作するのかとか、プレイ途中に同じ部屋にいる人に操作権渡せてもいいんじゃないの…?」とかはおもった。
もちろん、都度やる面倒さとかはあるけど、そういう機能があったらもっとマルチ感があって楽しかったのになと思う。

とはいえ「アドベンチャーゲームでマルチプレイ」というのが非常にうれしい。みんなでワイワイ言いながら映画を見るのが好きなので(どうしてウォッチパーティ無くなってしまったんだ)マルチがあるというのが既にかなりデカイ。

でも一方で「探索じっくりしたい人とサクサク進めたい人」が出たときに時間がかかってしまったり、右の道を行くか左の道を行くかで意見が割れるときとか…
そういったシーンで結構どちらかにストレスがかかってしまう所はあるなと思っていて(それこそTRPGとかやってても思うし、バルターズゲートでも似たようなことでストレス感じている人がいるのを見ているので)

話し合いしなよといいつつ、実際その話し合いをしないといけないという状況自体がプレイを阻害していると思うんですけど。
今作みたいに「キャラクターが複数いて、それぞれにキャラクターの行動を一任する(全体で意見合わせをして進める、ではない)」というのは非常にいいなと思う。

じっくり探索していたことでロストしてもその人のせいだし、逆に空気を読まない選択肢を選んでもその人の選択でしかなくてこちらに深く影響がないっていうのも非常にね…個人的にはかなりいいなって思う。(そして何故か微妙に全員がそういう空気を読まない選択肢を選んでも違和感がないっていう…絶妙な感じがある)

アドベンチャー、もっとマルチで遊べていいんですよ。


トロコンしたい人へ

まあ
厳しいと思いつつ。

ムービースキップ機能がね、ないんですよ
2周目になってもないんですよ。
チャートもないんですよね。

まあチャートはね…デトロイトくらいシンプルな選択式だったら用意してほしいんですけどクアリーは結構複雑に派生している…と思う。
デトロイトってAの行動の結果がBorC→Bだった場合はD/Eへ…って感じで結構選択肢の要素としては1・2個が絡んできてその結果が吐き出される感じだと思うんですがクアリーはもっと条件が複雑で、なんなら「この選択肢何www」みたいなものを選んだうえでさらに条件BCDを踏むとこの結果になる(トロフィー)ってパターンがすごく多い。
それで苦しいのがセーブデータが一つしかないのと各章の頭からプレイしないといけない+その状態で先に進んでいかないといけない
っていう…
1プレイ10時間くらいと書きましたが、おおむね同じストーリーをスキップなしで周回するのって結構厳しいなと思うわけで。

私は今2周めやってますが、3周めやるかはちょっと怪しい。
デトロイトにもムービースキップなくて評価下がっている側面があると思うVSじゃあスキップってどこまでスキップすんねん(QTEとかの直前までスキップすんの?とか探索パートどうすんのとか)

この辺はまあデザイン次第ですが、すべてが便利になっているゲームってどうしてこうないんでしょうね…


感想

個人的にはかなり評価がいい
というか滅茶苦茶面白かった。絶妙にみんなポンコツで、映画のような「ええぇえ…」もあって、真剣すぎなくていいシーンと真剣にやらないといけないシーンが分かれていたのがとてもよかった。
面白そうだなと思ったらぜひ遊んでみてほしい。
ひと夏の力を抜いたどっきりが味わえる、いい作品でした。

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