通過儀礼
通過儀礼
通過儀礼(つうかぎれい、rite of passage)とは、人間が出生してから成人し、結婚などを経て死に至るまでの成長過程で、次なる段階の期間に新しい意味を付与する儀礼。イニシエーションの訳語としてあてられることが多い。(Wikipediaより引用)
今回お話しする通過儀礼は
「初マクドナルド」
である。
皆さんはいつからマクドナルドを一人で注文できるようになりましたか?幼い頃から通っていたので自然と?まあ、そういう人もいるでしょう。だがしかし、それとは反対に「幼少期に身近になかった」という少女がいたとします。
彼女は田舎住まいの「ハンバーガーには悪い物が入っている」という父の教えの下育てられ、食べるのは悪くてとっても楽しいこと。と感じていた。たま〜に母とこっそり隠れて食べるマクドナルドがなんとも言えない背徳感と優越感があったからだ。
そんな彼女は高校を卒業し、無事大学に進学。大学から40分ほど離れた駅にマクドナルドが1件ある場所だった。それゆえ、あまり日常的にマクドナルドに触れないまま19歳の夏を迎える。
19歳のある日の夏。
地下アイドルイベント帰りの東京、お台場。男性3人と彼女1人でお腹が空いたー!と遊び疲れた体が訴えてきたと同時に「マックいこ!」と1人の男性が言う。それを聞いた残りの男性達は賛同する。
彼女は戸惑ってしまった。
マクドナルド!?そんなもの食べていいのかな!?それに、注文の仕方が分からないなんて恥ずかしくて言えない。
戸惑いながら空気を合わせて「いいね!」と言ってみた。結局彼女ら4人はマクドナルドに吸い込まれていった。
彼女は店内に入るや否や、座ろうとすると止められる。「注文は?」と聞かれてテンパってしまい、マクドナルドを自分で注文したことがなく、流れがわからないと白状した。
皆は驚いた様子を見せながら、メニューは見てすぐわからないと思うから、とスマホでメニューを見せてくれた。
四番目に並ばせてくれて、同じように注文すれば大丈夫と合図もくれた。
ようやく自分の番が来た。緊張の一瞬だ。
「ご注文はお決まりですか?」
この後の記憶はあまり定かではない。
かなり頭が真っ白だった。
記憶に残ってる感情といえば
「セットの内容なんだ!?」
「ポテトとナゲットが選べる!?」
「ナゲットソースも選べる!?」
「飲み物はメニューのどこに書いてある!?」
「持ち帰りません!!!」
だけだった。
マクドナルドの通過儀礼