海外ライヴ参戦の手引き(ドイツ編)
はじめに
観たいバンドがなかなか来日してくれない。来ないからこっちから行きましょうということで、海外でのライヴ参戦を決めた方への手引き書です。
手引きと銘打ってはいますが、私の個人的な体験を元にしておりますので、あくまでも「参考」としてお読みいただければ幸いです。
海外でのライヴはそこまでの道のりも含め、日本とは異なる体験だらけですが、心躍る素晴らしい瞬間も沢山あります。
安全を第一に、最高の思い出を作ってください!
【重要】この記事は私個人の体験をベースにして書いています。できるだけ正確を期するようにはしていますが、思い違いや間違った情報が含まれる可能性も多々あります。また、状況は常に変わることを念頭に置き、参考としてお読みください。
渡航に際しては、政府関係機関(外務省)、航空会社、現地公共交通機関、チケット販売元、ライヴ会場の最新情報を常にチェックするようにしてください。
下準備編
どこへ行く?
見たいバンドの公演がある場所になりますが、今回はドイツ編となります。
必要なもの
まずパスポート。これが無ければ出入国できません。申請方法は各地方自治体のHP等でご確認ください。
国によっては滞在許可証が必要ですが、日本のパスポート所持者はドイツでの滞在が6か月以内なら滞在許可証は不要です。
ライヴチケットはどこで買う?
いくつかのプラットフォームがありますが、ドイツではEventim、Live Nation、Ticketmasterの3社が大手でしょうか。
バンドのFC先行等を通じて購入する場合は、そこの提携先となります。
チケットの買い方
私が一番利用するのはEventimなのでEventimのシステムで説明します。(他の2社もほぼ同様です)
Eventim 公式サイト (英語版あり)
予めアカウントを作り、決済方法も登録しておくと便利です。
Eventimの公式サイトからバンドと公演日(※)を選び、「ベストシート(自動選択)」あるいは「座席表を見て手動で選択」となります。
なお、ドイツ式の日付の記載は、DD.MM.YYYYです。
例:12.03.2023 は、2023年3月12日です。
12月3日ではありませんのでご注意!
Eventimでの購入時、自分で好きな座席を選べます。これは大きいです。
早いもの勝ちなので良い席はどんどん売り切れていったり、超人気バンドだと売り出しが始まったと同時に売り切れ、ウェイティングリストに入れられて繋がるまで待つなんてこともあり得ます。
どこを選べばいいのかわからないという時は、座席カテゴリを指定して「ベストシート」を選びましょう。自動的に良い席を割り当ててくれます。
また、クラブハウス等、指定席はなく全て立ち見の自由席も多くあります。
チケット選択後(カートに入れた後)は一定時間、チケットは確保されます(大体15分ぐらい)ので、その間にクレジットカード等で決済をすればOK。
チケットは郵送(国際郵送料がかかります)かPDFファイルが送られてきて自分で印刷する方式があります。(無料)
公演によっては、フルカラーのキレイなチケットがあることもありますが、必要事項を印字されただけのシンプルなものの方が多いかもしれません。
航空券の購入方法
公演チケットが取れたら次は航空券です。
私の場合ですが、SkyscannerやGoogle Flightの比較サイトで調べてあらかたの目ぼしを付けてから航空会社のサイトで直接購入します。
旅行代理店は基本使いません。
理由は、代理店経由でも直接購入でも最終的な料金に差がないこと、直接購入だと欠航や遅延の時に直接連絡が取れること(旅行代理店だと代理店経由になる)、座席指定等が直接できること、などです。←要は自分で全部ババっと片付けたい💦
ドイツに就航している航空会社
ルフトハンザドイツ航空、日本航空、全日空の直行便があります。(フランクフルト、ミュンヘン)
アジア、ヨーロッパ諸国や中東諸国経由でドイツに入るのも可能ですが、乗り継ぎなので時間がかかります。その分チケットは直行便より安い傾向にあるようです。
外貨の準備
ドイツはユーロ圏内です。ドイツ語ではEURO=オイロ、と発音します。
現地での両替ですが、空港や駅にReisebankや両替所があります。しかしレートが悪かったり手数料を取られたりします。街中で両替所はまず見かけません。
私のお勧めはクレジットカードの海外キャッシングを利用することです。海外キャッシング枠がついていないカードもありますので事前にご確認ください。(暗証番号も!)
例えばドイツ銀行やコメルツ銀行等のATMでクレジットカードを使ってユーロ札を引き出すことが可能です。この場合、一日当たりの限度額は数百ユーロ程度に設定されているようです。
出発前に日本の空港等で両替する場合は、現地に着いてすぐに必要になりそうな分+アルファで1万円分ぐらいでいいんじゃないかなぁ…と思います。
基本的に、クレジットカードは小売店やレストラン、スーパー等で使えますが、カード使えないお店もままあるので、現金も同時に持ってた方が良いかも。(大量に持ち歩く必要は無いけど)
現金が必要なのはタクシーや公共交通機関(カードも使えますが、よく壊れていたりするので)や、飲み物や軽食を買ったりするときぐらいじゃないでしょうか。カードのブランドはVisa、Masterが良いでしょう。出来れば2枚持ちすると片方が使えない時も安心。
海外旅行傷害保険
必ず入ってください。海外で病院にかかるのは物凄くハードルが高いです。
ホテル予約は?
私はBooking.comやExpediaなどを適宜利用しています。
大事なのは、終演後(平均して23時前後。フェスなどは深夜に及ぶことも!)にホテルまで戻る交通手段があるかということ。
Googleマップとにらめっこで、会場からホテルまでの交通(最悪歩いてでも帰れるとこ)を調べて予約しています。
日本だと駅近が繁華街という印象がありますがヨーロッパの都市は駅の周辺は意外と何もなかったりします。場所によっては駅周辺の治安が良くないこともあるので口コミを参考にするといいかも。
ドイツのホテルは概ね清潔で、部屋や設備が古くてもキチンと清掃、メンテナンスされていることが多いです。クーラー、バスタブ付きの部屋はあまりありません。
旅行代理店の利用もおすすめ
忙しいし時間もないし、全部ひとりで準備できない。
漏れや不備がないか心配…なら旅行代理店で航空券とホテルがセットになった「フリープラン」のパッケージを購入するのも一つの案です。
パッケージプランだから旅がつまらない、個人手配旅行だから旅の感動が増すというわけでもありません。頼れるものは頼りましょう。
さぁ出発です!
パスポート、ライヴチケット、航空券、ホテル…手配が済んだら出発の日を待つのみ。
この準備の間がワクワクするんですよね~♥
持ち物とパッキング
重要
パスポート
航空券(E-Ticket)
ライヴチケット(Home Printなら印刷しておく)
クレジットカード、日本円(クレジットカード紛失・盗難の際の連絡先も控えておく。ただし、暗証番号をメモ等に残してはいけません!!)
旅行傷害保険証
ドイツ鉄道チケット/ジャーマンレイルパス(後述)
常備薬(日常服用しているものがあるなら忘れずに。特になくても鎮痛解熱剤ぐらいはあると安心かな。)
モバイル系
スマホ(充電器)
モバイルバッテリー(充電器)
Wifiルーター(海外用レンタル)
SDカード、ケーブル類
変換プラグ(ナニゲに最重要かも。これが無いと充電も何もできません。ドイツはタイプC)
服装
現地の天気予報などを見て判断し、準備してください。
ライヴに行くならバンドTも忘れずに!会場でも買えます!
季節によりますが、朝夕の冷え対策にユニクロのウルトラライトダウンが一枚あるといいかも。(厳寒の冬には向きませんが💦)大きいコートなどは有料のクロークに預けなければならず、モタモタしている間に場所取りに出遅れてしまいます。
ウルトラライトダウンは軽くてかさばらず、着ない時は付属の袋にコンパクトに仕舞えるのでいいですよ!
雑貨類
歯磨きセット…普通、ホテルには備え付けがありません。
シャンプー、リンス(コンディショナー)、ボディソープ…ホテルにあるのは全身用のが一つだけ、だったりするので使い慣れているものを持参するのをお勧めします。ドイツは硬水でとても乾燥しているので特に女性は肌がカサカサ、髪がゴワゴワになりがちです(悲しい)。
スリッパ…使い捨てのでいいです。機内やホテルで使えます。
その他
ライヴ会場によってはバッグの大きさが制限(A4サイズ以下など)されているので、ライヴ時に持っていくバッグを用意するのをお勧めします。大きなリュックなどは有料のクロークに預けさせられたり、そもそも入場できないこともあるので注意が必要です。
日本の味が恋しくなった時のために、ティーバッグの日本茶、カップラーメン(お箸忘れずに)、お湯を注いで食べるフリーズドライ食品、お腹に溜まるおせんべいやカロリーメイトみたいなのがあるといいかも。たった数日の旅行にそんなの要らないよ!と言う方もいらっしゃるでしょうが、ドイツのライヴ終演時刻はおよそ22時半~23時すぎ。その後何か食べたいと思っても店が閉まっていて何も買えないことがあるので、携帯食を用意しておくのを個人的にお勧めします。
ドイツは日曜祝祭日は商店はすべて休みです。コンビニはありません。
パッキングについて
・預け入れ荷物(スーツケース等)…利用する航空会社の規定に従ってください。会社により重量や個数の制限が異なります。
・機内持ち込み荷物…国際線の機内持ち込み荷物には重量や大きさだけでなく「液体物の持ち込み」制限があります。参考動画を貼っておきます。
私が機内持ち込みにするものは、
・貴重品(財布、航空券、パスポート等)
・スマホ、タブレット、PC、ケーブル類(預入れできません)
・モバイルバッテリー(預入れできません)
・筆記用具
★歯磨きセット
・化粧落とし(シート状)
★メイク道具(最小限)
★リップクリーム、保湿クリーム
★コンタクトレンズ(保存液入りの容器)、メガネ
・マスク(予備も)
★鼻炎スプレー(何故か機内では鼻水ダラダラになる💦)
・酔い止め、鎮痛剤など…言えばもらえますが慣れたものが良いでしょう。
・生理用品…言えばもらえますが慣れたものが良いでしょう。
・アイマスク(あれば)
・ヘッドレストがついてない機材の場合、ネックピロー
・羽織物、厚手のソックス(着圧ソックスでも可)、使い捨てスリッパ
・暇つぶし用の雑誌、文庫本…などなど。個人用モニターがあれば映画など見れるけど外資系エアラインだと日本語対応少ないです。
★印のものは液体物とみなされますのでジッパー付きポリ袋に入れて別にしておきます。
これらを機内持ち込みサイズのキャリー、貴重品等はハンドバッグに入れて持ち込んでおります。
いざ出発
空港にて
航空会社や旅行会社から出発●時間前までにお越しください、などと案内がありますのでそれに従ってください。
ものすごいザックリしてますけど、JALの場合はこんな感じ。
機内での過ごし方
直行便でも10時間以上はかかるので服装はきついデニム等は避け、お家でリラックスする時のような恰好が良いです。私は、ワンピースか上下ゆったり系の服に厚手のソックス(着圧レギンス)、寒さ対策にパーカーを羽織って足元は使い捨てのスリッパに履き替えます。
個人用テレビで映画などを見たり、音楽を聴いたりも出来ますが、座りっぱなしは身体によくない(エコノミークラス症候群)し、とんでもなく脚がむくむので、時々立ち上がって機内後方に散歩がてらギャレーで飲み物やスナックをもらったりトイレに行ったり、窓から景色を眺めたりしてます。
余談ですが、JALの青竹踏みが無くなってたのはショックです。あれ気持ちよかったのになぁ💦
あと、現地到着前に、到着後の入国手続きビデオを見て予習しておくといいかも。
現地交通手段
ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)
ドイツは鉄道網が発達しており、ドイツ鉄道(Deutsche Bahn、以下DB)はドイツ国内や隣国とを結んでおります。
DBの利用法について詳しく説明されているサイトがありましたのでご紹介します。
多分日本から来て一番驚くのは「改札がない」ことじゃないでしょうか。
長距離列車のみでなく、Uバーン(地下鉄)Sバーン(近郊電車)にも改札がはありません。時々、検札が来て無賃乗車がバレると問答無用で罰金となります。
都市によっては買ったチケットを打刻しなければいけない場合もあります。
例えばミュンヘンはチケット売り場やホームに行く前に打刻機があるので、チケットを買ったら打刻機に差し込んで打刻しておきましょう。検札が来た時に「旅行者なので知らなかった」と言っても通用しません。
Uバーン、Sバーン、トラム、バス、タクシー、UBER
ホテルやライヴ会場への移動は、Uバーン(地下鉄)、Sバーン(近郊電車)、トラム、バス、タクシーなどが主な手段となるでしょう。
ただ、チケットの買い方が都市ごとに異なる上、駅によっては券売機がなかったりアプリ上での購入しかできない事もあるため、私は現地に着いたら手っ取り早く乗り放題(電車、バス、トラム共通)の一日券(Tageskarte)を買うことが多いです。
タクシーはタクシースタンドから乗るか、ホテルのレセプションに呼んでもらうなどしましょう。行き先は住所を伝えればOKです。
UBERも便利ですが、場所や時間帯によっては全然ないこともあるので事前予約すると良いかもしれません。
ライヴ時の持ち物
・バッグ…あまり大きくないもの(会場によってはA4サイズ以下と制限がある)
・ライヴチケット(最重要)
・耳栓(重要)
・現金とクレジット/デビットカード(小さな財布に入れる)
・スマホ
・モバイルバッテリーとケーブル
・ティッシュペーパー
・折りたためるエコバッグやビニール袋(買ったものを入れるため)
※ミーグリに参加する時は、プレゼントやサインをもらうための私物も持参します。
ライヴ後の帰宿問題
非常に大きい問題と思います。ライヴが終わるのが平均して23時頃と遅く、大都市はともかく小さな地方都市だと交通手段がないことも。
私がすることは、
1.ライヴ会場とホテル間の交通を確認…先述のホテル選びでも触れていますが、事前にGoogle mapなどで交通手段含めて確認。値段や口コミ評価を気にしないなら会場近くのホテルを予約するのが無難でしょう。
2.公共交通機関のサイト(都市ごとにあります)で行き方、帰り方を入念にチェック。日曜祝祭日は本数が減ることもあるので注意。
3.何もなければタクシー、UBERを予約。UBERはアプリから時間と場所指定で事前予約。たまに予約してない人が乗っていく事例があるそうなので、指定した時間には絶対その場にいた方がいいです(一度やられそうになった)タクシーは会場周辺にないことも多いので、利用を前提とするなら事前予約がベター。
余談…イギリスのリーズにあるクラブでライヴを見終わった後にタクシーで帰ろうとしたらタクシースタンドがない。クラブの人に「タクシー呼んで貰えますか?」と尋ねたら「courtesy phoneで呼んでね」と言われ、自分で呼ぶ方式でした。
受話器を取ると自動的にタクシーの配車サービスに繋がるので今いる住所(施設名)と行き先を告げたら5分位で来てくれたかな。
しかしカード払いNG、現金支払いのみだったのでドライバーに相談したら「途中のガソリンスタンドにATMあるからそこで現金引き出したらいいよ」と言うことで、ガソリンスタンド経由で帰りました💦