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ボホール島パイラーのライステラス
ボホール島中央部にチョコレートヒルズの景観で知られるパンガスフォールズと言う小さな町がある
そこに昨夜は宿を取ったのだがあまりにも鄙びた町だったので6kmも通り過ぎてしまった
引き返すと右手にお椀を伏せたような山が見えた
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地図を頼りに幹線道路から細い道に折れ少し進むと右手にその家はあった
農家の敷地内に建てられた民宿のような感じであったが造りはしっかりした建物だ
物腰の優しい奥さんが出てきて応対してくれた
すぐに2階に案内された
狭い部屋でトイレシャワーは共同だが清潔な部屋だった
周辺の宿もだいたい500から600ペソ位の安い料金だ 要するに民泊である
農村地帯だから一日中鶏の鳴き声がけたたましい
田舎に静かさを求めるならば別の意味で騒がしい
安眠を求めるなら耳栓は必需品かもしれない
食事も夕食と朝食を頼んだ
サイクリストなのでご飯をたくさん食べますからとリクエストしておいたら本当にボリュームたっぷりだった
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町の食堂よりもたっぷりで美味しかった
翌朝支払いで食事代の安さにまた驚いた
精一杯のもてなしの気持ちが嬉しい
夜半過ぎに雨の音で目が覚めてから
もう一泊しようかどうか私は迷っていた
そこに丁度息子さんが出てきて挨拶を交わすと彼もサイクリストで数ヶ月間のツーリングもした事があるそうだ
自転車という共通の話題があると話が弾む
何だか勇気をもらって背中を押された気分になった
そして出発することにした
見送りの挨拶をされて(息子さんの母だ)
合羽を着込み走り出した
まもなくチョコレートヒルズ展望台への登山口が見えた
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霧雨でガスっていたのが残念
しかも緑の樹海の中で山だけが茶色くなるのはまだ先の季節4月の事だ
100ペソ払ったガッカリ展望台を後にして
きょうの目的地アダンに向かった
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車の往来も少なくて走りやすい道だ
稲刈りのシーズンで多くの農民が刈り取り作業に忙しく立ち働いていた
10時を過ぎたころには雨もどうやら上がり合羽を脱いだ
雨上がりの稲田も瑞々しくて美しい
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この辺りはパイラーの棚田で知られている所だが自転車で走っているだけで充分美しい景観を味わえる
つい何度もペダル漕ぐ足を止めたのだった
小さな村の教会からは聖歌の合唱が聴こえてきた
今まで比較的大きな島の交通量の多い道路ばかり走ってきたのでここに来て初めてフィリピンの農村の魅力に触れた気がした
日本と同じ稲作文化の国だから棚田を観ると懐かしくもあり南国ならではの樹々を見ると逆に不思議な新鮮さを感じた