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フィリピン自転車旅を振り返る

私は2024年2月4日から2月29日までの間約25日間フィリピン国内を自転車で旅行した
空港から走りだして1時間も経たないうちに高速道路不法侵入により罰金刑を受けるなど
波乱の旅の始まりかと覚悟したがその後は順調に進むことができた

首都のあるルソン島から南下してミンドロ島
ボラカイ島パナイ島ネグロス島ボホール島そして最後にセブ島からマニラまでフェリーで戻る旅程だった

旅の前半は地域的に乾季であり連日好天に恵まれた
反面昼間の暑さは連日30度を超え日射も激しく体力を消耗したのは事実だ
特に午前11時から午後3時まではとても暑くこの時間帯はなるべく頻繁に休憩を取り水分補給に努めた

フィリピンはサリサストアと言うミニコンビニ的な店があらゆる場所にありどんな田舎でも困ることはなかった
また食事に関しては何カ国もアジアを旅してきた経験から言っても一番自分に合っている国だと感じた
これは特筆しても良いと思う
これはベトナムやマレーシアで見かける経済飯店と同様でトレーや鍋に入った惣菜から好きなものを指差しで選んで最後にご飯を注文する
現地ではカレンデリアと呼ぶそうだ

地元の人達が日常的に利用する食堂であり値段も安くしかもとてもおいしい
庶民が普段何を食べているかもよく知ることができる
マサラップ サラマポ マアヨンブンタン
少しばかり覚えたタガログ語やセブアノ語で交流するのも楽しい
よく見かけるメニューは骨付き肉を煮込んだもの(これは牛豚鶏と何種類も並んでいた)カボチャやナスなどの煮物そして定番と言っていいのはゴーヤチャンプルーだ

煮物は驚くほど日本の味付けと似ていたのでどれだけ食べても飽きることが全くなかった
その他に魚やイカの煮付け
スープなど何種類もあった

炎天下の中体調を崩すこともなく無事旅行できたのも普段日本で食べている食事と大きく異なることがなかったことが大きい
アドボと呼ぶらしいが肉料理の90%は骨付き肉であった
細かく砕いて時間をかけて煮込んであるので柔らかく食べやすい
日本では骨付き肉と言うとスペアリブ、鶏手羽元、手羽先くらいが一般的でそれ以外は普通のスーパーの精肉売り場ではほとんど見かけることはない
骨付き肉を余すことなく使う料理は美味しくてしかも安い
これはフィリピンの素晴らしい食文化だと感じた
ただ気になるのはアメリカの植民地時代が長く続いた影響かフライドチキン、ハンバーガー、ピザなどのチェーン店や屋台など数多く見かけたことだ
フライドチキンの屋台店では必ずご飯も売っているのが面白く感じた

カロリー摂取が多いせいかTシャツを胸までたくし上げて立派な太鼓腹を見せている人をよく見かけた
しかしジョリビーのフライドチキンはとても美味しく魅力的だった

長々と食べ物の話を書いてしまった
旅の後半は3日間雨に降られた
強く降ることはなく霧雨で夜中から降り始めて午前中には必ず止む場合が多かった
合羽を着て走ることになる
場所によっては全身ドロドロになるのが辛い
気温が低いのが唯一の良いところだ
ほとんど島の外周を走るコースを取るので必然的に幹線道路であり交通量も多く大型トラックに追い越される時などは大袈裟ではなくしばしば身の危険を感じた
フィリピンが本当にサイクリストに優しい国になるのはまだ先の話ではないか
特にサイクリストが多かったのはマニラから南の高原避暑地タガイタイそして港町バタンガスに至るまでのルートであった
タガイタイはマニラから日帰り圏でもあり手軽なコースなのだろう
すれ違うときお互いに挨拶を交わすのはサイクリスト同士ならではの得難い経験だった

サイクリング文化が普及した要因として大きいのは首都圏の凄まじい交通渋滞があるのは否定できないと思う
コロナウィルスによるパンデミックで公共交通機関が長期間麻痺したのがさらに拍車をかけたとみる
実用としての自転車が通勤時間を短縮しさらに休日のリフレッシュにもなる
ただし私のように日本から来たサイクリストにとって慣れない右側通行とルールなき渋滞道路は旅行中かなり神経を使った
ジプニーやトライシクルの動きがわかってくるとそれは幾分楽になったけれども

全てを自分で手配する海外個人旅行はそれなりのリスクがあることは覚悟しなければならない
自転車を持ち込むことは更にそのリスクを増やす
それでもかけがえのないものを得られたと私は思う
実行するならそれは自己責任だ
以前仕事で知り合った自転車冒険家がロシア旅行中にトラックに轢かれて亡くなった記事を新聞の片隅に見つけたことがある
人の命とは余りにも儚く悲しい

記憶に残る場所として挙げたい所は
ミンドロ島北部のグラベルロード
サブラヤンのビーチ
パナイ島イロイロシティ
ネグロス島ドマゲティ
ダウィンの珊瑚礁
ボホール島のライステラス
アンダビーチ
美しい景色
苦労して乗り越えた道
ビーチと打ち寄せる波
夕陽
人との出会い
リラックスできた宿
美味しかった料理と食堂での交流
どれも鮮やかに私の記憶に刻み込まれた
私だけのオーダーメイドの旅だった

終わってみれば無事に帰国できて良かったとしみじみ思う
運に助けられた
人の助けも得られた
無理なくslow and safty
常に自分に言い聞かせ続けた言葉だったのだが
空港到着目前にして歩道の縁石に激突
自転車もろとも前転宙返りで舗装に叩きつけられた
奇跡的にほとんど無傷で済んだのが不幸中の幸いであった
最後まで油断してはいけない
人生で一番大切なことは謙虚であることなのに懲りない性格の私は
きっとまた自転車旅に出るだろう
曲がったハンドルの愛車と共に

#フィリピン #自転車旅 #フィリピン料理 #懲りない #フライドチキン #カレンデリア












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