セブ島 ボタニカルガーデンを訪れる
セブシティから山に向かって500m程登ったところにある庭園Terrazas de flores Botanical Gardenに行ってきた
麓の食堂で朝食を食べている間に雨が降り出した
しばらく休んで様子を見る
ビサヤ地方に来てからだいたい朝は雨が降るけれども長くは続かないことがわかってきた
雨脚が弱くなったのを見計らって腰を上げる
両側商店の続く通りを進みしばらくすると曲がりくねった急坂の続く道が始まる
かれこれ20日以上自転車で旅している
最初の頃は坂に差し掛かるとあっさり押して歩いたものだが今は何ともない
確実に脚力が付いたことを実感する
展望台への峠を過ぎて少し下ったところにそこはあった
道路からは本当に目立たない看板で危うく通り過ぎてしまうところだった
狭い急坂を自転車を押して登った先にカフェがあり入園料を払って園内に入る
山の斜面を巧みに利用した庭園だ
標高が高く風があるので市内と違って涼しい
空気も乾燥している
谷を隔てて向こう側の山もよく見える
ボーダーを通り過ぎて突き当たりには小さな
東屋があり左右の白いカーテンが暗がりに浮かんでいた
小さなギャラリーがあった
地元セブの画家達の作品だろうか
熱帯の植物達が生き生きと育っていた
階段を降りると目立たないところに文字の書かれた板があった
Fidel Castro
少し歩くともう一枚見つけた
聖書コリントの信徒への手紙の一節
この庭園を造った園主の思いが込められている
どんな人だろうかと想像する
庭園とはただ美しい花々を植栽すればそれでいいと私は思わない
例え意識しなくてもそれぞれの民族の宗教観なり倫理観
そういったものが自然に表出される気がする
色彩感あふれたイングリッシュガーデンもたくさん日本にはあるがちょっと違う気がする
それは海外で赤い鳥居のある日本庭園を見た時の違和感に近い
ここは目を引くような見所や仕掛けのある庭園ではない
平日でもあり他に誰も訪問者はいなかった
ゆっくりと散策した
セブで他に観光したところはない
私にはこんな場所が一番ふさわしい
ガーデンスタッフが黙々と園内で作業をしていた
人の気配のないカフェのカウンターを通り静かに庭園を後にした
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