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フジロックの魅力と夏
フジロックフェスティバルに行ってきた
野外フェスは久しぶりだ
信州の田舎に引っ越してから40年近く
野外フェスに行くことからすっかり遠のいていた
音楽に対する興味を失ったわけではない
ただいつのまにか人混みの中に出かけることが苦痛になっていた
いやそこに出かける事自体苦痛になっていたのかもしれない
コンサートホールでの公演では大手のプロモーターによる警備管理が厳しくなって自由に踊って楽しむことができなくなりつつあった
お金を支払う側の聴衆が管理されアーティストもまた管理されていく状況にだんだん気持ちが萎えてきていた
ロックは羊のようにおとなしく座席に座って聞く音楽ではない
もちろんどんな聞き方でもそれは自由ではあるけれども
前置きはさておいて私は会場の苗場スキー場に友人の取得した前売り券が一枚余ってしまった結果一緒に行くことになった
以前から一度は冥土の土産話に行っても良いかなと話していたので誘いがかかったのだ
前売り3日間通し券52500円
オートキャンプ専用のテントサイト券
(前売り券とセットで購入)車両1台20000円
キャンプサイト利用料金1人当たり5000円
2人で利用したので1人当たり67500円であった
決して安くはない
しかも前夜祭から3日間のテント生活だ
この日のために愛車の軽トラを少しばかりキャンピング仕様に改造した
流石にオートキャンプサイトに軽トラはこれ1台だけだった
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テントサイトは全体的にスキー場の斜面なので少し傾斜している
従ってテーブルの設置には工夫が必要だ
寝返りを打つと転がる危険性もある
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会場のゲート入り口までは苗場プリンスホテルの前を通って行列の中をダラダラ歩いて30分程の時間がかかる
会場の中はステージが森の中に点在していて
一日中タイムスケジュールを見ながら行ったり来たりすることになる
私達はよく歩いたのでスマホの歩数計を見たら一日3万歩だった
いい運動になった
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3日間大音響の中で過ごしたので少し難聴になったかもしれない
会場の中には飲み物や食事を提供する店
仮設トイレ、ゴミステーションなどが点在している
日陰で過ごしたい人は山の斜面や木の下に陣取っている
一日中ほとんど移動しない人もいる
それぞれ思い思いのスタイルだ
好きな音楽のステージを選んで移動するのは炎天下の中では体力勝負だが案外贅沢で楽しいものだった
夜は10時過ぎまで会場に居たので帰りは人の渋滞の中を1時間歩いてテントサイトに帰った
毎晩帰宅?は12時近くになっていた
それから冷えたビールをクーラーボックスから出してはささやかな酒宴となった
寝不足が蓄積した
熱中症で死者が続出する今日この頃
高齢者2人のやる事ではないかもしれないが
これもまた愉快であった
来たからには100%楽しむに限る
朝はいつまでも寝ているとテント内の気温がドンドン上がり仕方なく外に這い出すことになった
私はと言えばバケツを下げて近くの渓流に行き水浴びをするのが朝の日課となった
水はとても冷たかったが大自然の中で最高の思い出となった
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他の人達が長い行列に並んだ末にシャワーや風呂に入る様子を見るにつけとても気の毒に思えた
これも私流フジロックの楽しみ方だった
会場内は瓶と缶類は持ち込み禁止など
何かと制約があったのが残念だった
飲食ブースで提供される食事に関しては美味しいものもあれば不味いものもあった
椅子テーブル席は会場外のみだったので食べるのには皆さん苦労していると感じた
持ち運びの便利なサンドイッチ類が結局いいかな
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そして折りたたみのイスは必携
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肝心の音楽の事は何も書いていなかった
うーん良かったと感じたのは
HIROKO YAMAMURA
TEDDY SWIMS
ESNE BELTSA
METERS
あたりかな
何歳になっても好みは簡単には変わらないようだ
今まさに生きている音楽
アフリカ起源のエネルギーを感じさせる音楽
そして民族の伝統を感じさせる音楽が好きだ
全体的に巨大なディスプレイで客席の様子も交互に映す演出
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立体的なライティングなど
演奏者と観客が相互の作用で盛り上がっていく様子は新鮮であった
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対してガッカリは
KRAFTWERK
ALLMAN BETTS BAND
あたりかな
既に過去の音楽だと感じた
ただし私自身が高齢者となった今
これからどうやって社会と向き合っていけば良いのか
どう折り合っていくのが良いのか
ステージ上の彼らの薄くなった頭髪に自分自身を重ね合わせてしまう部分があり
単純に斬って棄てるような評価はできない
創造力の泉はいつか枯渇するのだ
引き際の美学も必要ではないかと老婆心ながら思う
人間いつまでも生きられる訳ではないのだ
いずれにしても冥土の土産にしては素晴らしく豪華な3日間であった
そして誘ってくれた同級生に感謝