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ジョムソン街道 シヤン村

ジョムソンの標高は2720m
昨日の朝ムクチナートを出発してから一日で1000m下ったことになる
ベッドから起きた時空気が暖かく感じた
高山から里山に降りてきたことを実感した

いつものように朝食にりんごのポリッジとゆで卵を食べてマサラティーを飲む
午前7時少し前から飛行機の離着陸が始まっていた
それも朝食を食べる頃には一段落していた
小型のプロペラ機なのでうるさくは感じない

宿代の支払いを済ませて朝の街並みを歩き始めた
両側にはホテルが立ち並んでいる
前日に飛行機でジョムソンに到着したのだろうトレッカーグループの姿も見える
ホテルからバスやジープに乗って目的地に出発するのだ
賑やかな会話の声が聞こえた
私にとってこの街道を歩き通すことは
レダーで出会ったnakamuraさんからの宿題を果たすことになる

ポカラからジョムソンまで道路が全通して車で容易に行けるようになったのは2008年の事だ
歩いての旅から車で移動の時代に変化したのだ
それから16年の歳月が経っている
nakamuraさんはそれ以前の街道を歩いている
当時から見て街道の環境は大きく変化した事は私にも想像がつく
彼は今回もう一度街道沿いの村々を訪れようとしてネパールに来たのだが直前に家の事情で帰国を余儀なくされジョムソンから飛行機で戻られた
トロンラパスは無事歩いて越えられたと連絡があったので安心した
その時代に私も歩いてみたかった
それはもう叶わぬことで過去に戻ることは残念ながらできない
しかし自分には自分の旅があり未知の出会いがきっとある
そう考え直して歩くことにした
そもそも私はその忘れ去られた街道を歩きたくてトレッキングのスタート地点をベシサハールにしたのだった
正直に白状するとジョムソンからガーサまではバスで移動して時間を短縮しそこから再び歩く予定にしていた
この街道の情報を集めてもあまり魅力的な感想は見当たらなかったからだ
ただこの時点ですべて歩くことに変更してもカトマンズに戻って帰国するまでの時間は捻出できると判断した

マルファの村は是非訪れて欲しいと聞いていたのでそこに向かうために対岸のトレッキングルートではなく真っ直ぐに道路を歩くことにした
ジョムソンからしばらく歩いて橋を渡ると右手の高台に小さな村が見えた
SYANG村だ

急な階段を登ったら白い仏塔がありニルギリがよく見える展望の良い場所に出た
これが昔の街道なのだろう
老人が散歩に歩いてきたので挨拶をした
マニ車を回す様子に一日が始まる生活感を感じた

狭い通りの両側の家々の石垣の上には薪がたくさん積み上げてあった
日々の煮炊きに利用するのだろう
車が通るようになってスマートフォンが普及しても薪を使い洗濯は盥を使う生活が村には変わらずある
日本から来た私には不思議な新鮮さを感じるのだ

白い壁に朝日が当たる明るい雰囲気の村であった

両側にマニ車のついた門を出て村を後にした
小さな村であったが束の間のタイムスリップを味わったのだった

#ネパール #ジョムソン街道 #シヤン村 #トレッキング

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