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奇跡を飲み込んで (5月の記録)


・お前に続くみちしるべ

ノリの分からない人生だった。

流行りの番組がわからない
パロディがわからない
元ネタがわからない

複数のグループで面白がられるパロディから、この年代の子どもに流行るフレーズを推測して元ネタを想像し、あたかも見たことがあるかのように自慢げに母親に説明する人生だった。

「俺は高校生探偵 工藤新一」からはじまる冒頭部分を注意深く聞いて要点を押さえ、インターネットで得た情報を組み合わせてあたかもアニメを見たことがあるかのように腕を組み、コナン映画を嗜む、そんな人生だった。

しかしここからの人生は違ってくる。

なんてったって同期がコナンの漫画を貸してくれたのだ。

1冊。1巻。

在りし日に小さな手で、だんだん大きくなるオタクの手で、何度も何度も捲られたであろう赤茶けたページ。反り返る表紙。同期のノスタルジーが私の未来をつくる。

ようやく時代が私に追いついたかと思ったが、私が時代に取り込まれたんでしょうかね。ビルとビルの間を出勤して退勤してたまに空を見上げて、そうかようやく資本主義の傘下におじゃましたか、とそれはそれで嬉しい感覚。

🦋


・放電

知らない街へ来て知らなかった人と過ごす。憧れの土地へ来て2ヶ月が経った。目線と言葉の交流が増えたぶんだけ、物理的に人に触れていないぞということに氣がついてくる。

電氣が溜まっている。

溜まると悲しい。

下はコンクリートだし裸足で歩くのは氣もちよくないから、どうしても流したい時は花や木に触っている。紆余曲折話して伝えるほど拗らせてはいないから、植物に聴いてもらうのが最適だったりする。花は宙に散らしてくれる。木はストンと落としてくれる。当たり前に解決する詰まりではあるけれど、自分を抱きしめるだけでは巡りきらないくらい大きなものを貯めておけるようになったこれを成長とよぶのなら、成長なんてしなくていい。

実家にはちびがいた。4さいと10さいが毎日飽きもせずペトペトピタピタとくっついてひっついて引っ張りあった。馬も猫もヤギもいた。みんな触ってた。親はリハビリやマッサージを仕事にしていたし、優しく体を摩り合うことが癒しだとみんな知っていた。

もっと触れ合ったらいいんじゃないのニッポン。
おはよう、おつかれのハイタッチとかしたい。今日もよく頑張ったねって上司部下関係なくハグとか素敵じゃないかしら。好きな生きものと手を繋いで歩きたい。手じゃなくてもいい。しっぽが生えてたらいいな。少し距離を空けて、本とか読みながらしっぽの先はちょんと握りあっているの。

誰かの手に触れたいです。
ビリビリすると思う。最近よく会社のパソコンが固まっちゃうのは帯電しすぎてるからかしら。

🦋

・姪北 心音 華月 よかろうもん

わたしが5歳から高校生になるまでずっと近くで見守ってくれた和太鼓の師が亡くなった。学区内では誰もが知ってる名物じいちゃんだ。
校区のイベントには必ず出現、祭りと聞けば太鼓を持って隣町まで囃しに行く。地域活性化じいちゃん。歩く公民館。そんな師が引き連れる小さな相棒が小学生のZENちゃんだった。

大学生になって久しぶりに会った時、師は私がデザインした和太鼓ポロシャツをまだ着ていた。先生が作った「華月」という曲をモチーフに、四季の花と月と和太鼓を叩く女の子を切り絵にして、プリント屋さんで作ってもらったもの。稀に見るどぎつい黄色は師の存在感を必要以上に強めていた。何度マルキョウの店内で発光していたことか。

しばらく生の松原の雲の上が黄色いと思います。きっと天界のお祭りで締太鼓を叩いていらっしゃるだろう。そちらにいる太鼓仲間とうる覚えの華月を奏でていてほしいな。聴きたいな。

🦋


・ウェイト

働いているがしかしデコの目をふつうに開けている。

これが両立しているのは私の今世史から見るとかなり驚くべき状況である。
なんとこの会社のひとたち、全然オーラ見ながらでも会話できるのだ。
むしろそうした方が相手の本意(ほい:かねてからの願い:時間軸に限らず)を汲み取ることができスムーズに事が運ばれる。五次元でのやりとりと言葉のやり取りの相違がほとんどないから、デコを開いていた方が氣分がよいまである。
それだけ、ここにいる人間は本来の姿からズレていない。魂の意図と展開している思い込みが、合致している。
さすがとしか言えんです……。さすが宇宙が可愛いわたしのためにご用意してくれた場所だ。こんなにも美しい人間がこんなにも集まる所がありますか。あるんです。⇽会社の宣伝として完璧すぎる。

ジャンジャン開けていこうと思う。ただ開けすぎると足首に括りつけるウェイトが必要になってくるからバランスが大事だ。イベントの現場でも軽やかに開けられるようになったら本物だな。そうなったらイベンターじゃなくエンターテイナーだ。

社長の胸あたりを環状にまわるラベンダーと薄若草を見るたびに、私はここへ来てここへ居るのだと、奇跡を飲み込んでいる。

読んでくれてありがとう。

5月はこんなことを感じていました。
6月は、あついよ。みんなたくさん栄養とって水飲んで寝まくって遊んですこしはたらこ。そうしよう。

追伸 おともだちへ あそびにきて

2024.6.1 ZEN

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