命の値段は、５万円（！？）

自宅に現金。
現ナマを置くのは、宜しくなかろう。様々な所で注意喚起がなされているし、わたしも思う。
が、これから。
大地震が起こる、銀行が破綻して云々と言われているのを思えば、幾らか手許にの考え方にも頷ける。
難しいですなぁ。
と、妹。
近所に住む妹は、別の観点から、後者を支持しているようだ。５万円を、常に用意しておけと言う。

とある日の電話。
「万が一、そっちに強盗が押し寄せたとして」
「ふむふむ」
「柱に括りつけられ、縛られ＜金を出せ！＞ってなったとして」
「あ～っ、多いからねぇ、埼玉県は。ほうほう」
「５万円を出すのよ。＜これだけしかないんですぅ～っ。ご勘弁を～っ！＞泣きつきに泣きつく」
「命乞いをするのね。漫画みたいじゃん」
「確かに。だけど、このご時世、何があるか分からない。想像できなくもないでしょ」
「まぁ、ねぇ」
「５万円で命が助かると思えば、安いもんじゃん。ねっ、だからいつも５万円を携帯しておいた方がいいよ。茶封筒に入れてさ」
「う～ん」

三途の川の渡り賃は、６文銭と聞いたなぁ。令和５年現在のお金に換算すると、幾らぐらい？５万円前後、だったりして。

妹の考えも分かる。
ありがたいご提案ではあるけども、ビミョー。総合的に、ビミョーな気がする。想像してみよう。
わたし「５万円しかないんですぅ～っ。ホントにそれしか、ないんですぅ～っ」
強盗「ああ？ったく、どうしようもないな。５万で我慢してやるけど、消費税分がねぇじゃねぇか。５千円をプラスしろ。５万５千円をよこせ」

ここまで気が廻らない強盗であるのを望む。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜了＞

強盗に納得して貰えるだろうか？

#創作大賞2023