頑張れ、沙奈ちゃん!~「有閑みわさん」(たかの宗美著/竹書房刊)~
主人公の魅力以上に、脇のチカラ。
出てこないと強化に影響、「イマイチ」となっえしまう登場人物。女優で言えば松金よね子や戸田菜穂、みたいなキャラクター。それらを作るのも漫画家の大事な要素かと思う。
森沙奈(もりさな)。名前が綺麗だ。発音しやすい。
が、イメージとは裏腹に、やってる事は反比例。
「旦那を奪う」「自分を振り向かせる」。「有閑みわさん」の主人公、みわさんの旦那、広司くん。沙奈ちゃん曰く「音無さん」。現代的な女子高生の、生きる目的(?)だ。
或る時は「フォーリンLove」、或る時は「プリプリ」、或る時は「みずみずしーい」自己紹介も目まぐるしい沙奈ちゃんは、しかし気配を察し、先手、先手で防御しまくるみわさんに、いつもやられてばかりである。
にも拘わらず、めげない。何かかわいい。健気で、応援したくなるキャラクターだ。
「負けませんわッ!」のイツ子さん。みわさんを一方的に敵視している(?)イツ子さんの存在も面白いけど、「恋」。
森昌子の「せんせい」ではないけれど、同世代を飛び越えて、おじさんにひた走る感覚が、たっぷりとしたお間抜け振りで表現されている。
イツ子さんも、どこかしら抜けているけど、そういうものが、完璧のようでいて、どこか抜けてる(?)みわさんとうまくゆくのであろう。
沙奈ちゃんに、ちょっかいを出しながらも、好きをアピールする並川くんもいい。この手の人物設定の巧みさに、たかのの秘密を知りつつ「頑張れ、沙奈ちゃん!」小声で応援したくなってくる。
余談だが、みわさんは25~28歳ぐらいだろうか?
音無くんは、32、33歳辺り?連載から20年近く経っているらしい。と、夫婦共に50歳過ぎ?お若いですね、音無夫妻。