特に喪主の皆さん、心しませう。~葬儀での一番大変な事~
今秋七回忌を迎える父。
他界する前後から様々の中でも「通夜振る舞い」。
これが一番の大変さとして思い出される。
葬儀社の力を借り、本葬までをどうにか終了。
次は極めつけ。極めつけの「通夜振る舞い」だ。
「ここからは、ご遺族様が」
会場入り口付近。担当者が喪主のわたしに、そっと囁く。
(えっ、そうなの?)
焦ると同時に、急にどやどやと人が来る。葬儀自体は75人前後であったが、殆どの方がこちらにも参加下さる。ありがたく思う反面、迷う。
下戸以上に、振る舞い方が分からない。
(まぁ、いっかぁ。適当に廻れば)
社交的な妹がしっかりやってくれるだろう、勝手に思いを抱き切る。
酒類3、ジュース類2、寿司3、煮物その他が2の料理配分だ。
ビールを主に酒を兎に角、用意する。
「お寿司の残りは少ないです。皆さん、召し上がりますからね。煮物が案外、余るんです。テーブル一杯に出すより、一寸、隙間が空くのが宜しいかと。お酒が入りますものね」
テーブルに並べられた料理をぼーっと眺めながら、言われたのを思い出す。打ち合わせでの、担当者の言葉だ。
「お疲れさまでした」「ありがとうございました」
コンパニオンか?わたしは?ってぐらいに、頭を下げに下げ、礼を言い。「喪主でございます」「初めまして」
父の勤め先関係の方々にも、挨拶を重ねに重ね、ぐったりする。
ふと視線の先に、妹を発見。ご近所さん席を廻っている。
わたしも、勇気を持って近づき、労いの言葉を掛けに掛ける。
ビールをどれだけ継ぎ足したか、分からない。
ヘトヘトになっていると、「お姉ちゃ~ん」。
今度は、菩薩寺ご住職との会食(?)だ。
(はぁ~っ)
ヘロヘロではあったが、これでお寿司がつまめる、ジュースが飲める。
喜びにすら浸りきった。
思い出すまま書いたけど、葬儀で一番大変なのは「通夜振る舞い」。
つまり「酒席」。宴会(?)だ。
喪主の皆さん、余りケチらず降り舞いましょう。
<了>