みどり

谷戸亮太さんが好きです

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松本稽古企画公演「まうしずむ」感想-悲劇を消費することに向き合う-

果たして、彼の人に罪はあったのか。 本noteは、松本稽古企画公演「まうしずむ」を阿墨恵一という男の〈罪〉という観点から感想を記していくものである。 一切配慮せず、ネタバレし放題で好き勝手書くので見ていない人は作品を見てから読んでいただきたい。 なお、私は関西在住のため、本公演は配信(11/15、19:00〜の回)で視聴した。めっっちゃ後悔している。現地で見るべきだった………。 ※ちなみに、配信は12月1日までアーカイブが残っているので見ることができる方は見てみてください。

    • CCCreationリーディング劇「女中たち」感想 -開いて、閉じる。現実と虚構-

      CCCのリーディング劇、「女中たち」を観劇してきました。 あやめ十八番の堀越涼さんが演出、吉田能さんが音楽。その時点で期待大。 もちろんその期待を裏切らない、最高の観劇体験ができました。 私が見てきたのは9月21日12:30からの部。クレールを大沢健さん、ソランジュを松田洋治さん、奥様を谷山知宏さんが演じた回。 クレールの不思議な儚さと強さ、ソランジュのたおやかさ、奥様の存在感。三人の俳優様方それぞれの魅力が相乗的に重なり合って、能舞台独特の雰囲気もあり、ここにしかない「

      • 谷戸亮太さんワークショップ感想〜言語を超えてゆけ〜

        2024年9月21日に開催された、最強で最高の私の推し俳優様、谷戸亮太さんのワークショップに行ってきました。 感想を一言で言うと、タイトル通りです。言語にとりつかれた私たちに、身体の可能性を気づかせてくれる。そんな場所でした。 日々漫然と身体を動かしていないか?言語にとらわれて視野が狭くなっていないか?そんなことを考えさせられます。 呼吸、身体の動かし方、イメージの方法…ワークショップではそういったものを学びます。 ゆっくりと身体を動かす、筋肉を意識する、呼吸による肺の

        • 生きている人を“推す”ということについての自分語り

          人間を「消費」している。たまに、自分の行動をそう評価してしまう。光輝く“推し”の姿はとてもかっこいい。そのかっこよさをただ漫然と受け止める、そんな自分の姿に時折疑問を抱いてしまうのだ。 “推し”は芸事をしている人間であるため、その芸を楽しむことが私たちにできる唯一のことである。私たちはその芸事に対し金銭を払っていて、そこには生産者と消費者の健全な関係性があるように見える。 しかし、生きている人間を“推し”ていると、その言動、生活全てが愛おしく思える瞬間がある。芸事をしていな

        • 松本稽古企画公演「まうしずむ」感想-悲劇を消費することに向き合う-

        • CCCreationリーディング劇「女中たち」感想 -開いて、閉じる。現実と虚構-

        • 谷戸亮太さんワークショップ感想〜言語を超えてゆけ〜

        • 生きている人を“推す”ということについての自分語り

          舞台 遊劇体「微風の盆」感想 -筋書きだけでは成り立たない世界について

          うだるような暑さの7月末。汗だくになってたどり着いたE9KYOTO。若干枚数の当日券を勝ち取り観劇。外の暑ささえも味方につけた良い演劇でした。来年は戦後80年。この夏に、見れて良かった。 【!】以下、観劇初心者の稚拙な感想です。特に今回のような小劇場で行われる演劇は全く触れてこなかったので頓珍漢なことを言っていたらごめんなさい。 平場にハギレと箱?がいくつか置いてあるだけのシンプルな舞台。シンプルだけに俳優さん方の身体で魅せる部分が多かったように思う。 特に“マリア”を演

          舞台 遊劇体「微風の盆」感想 -筋書きだけでは成り立たない世界について

          イメコンって令和の価値観にあってるの?-自己肯定感とルッキズムから考える-

          はじめに-イメコンとは- 洋服や化粧に興味がある方なら、イエベ春、とかブルベ冬などの言葉を聞いたことがあるだろう。パーソナルカラーや骨格、顔タイプやPDなど、イメコンの枠組みや流派は様々であるが、そのどれもに共通しているのが、その人の見た目を複数のうちその人が似合う一つ(診断によっては二つ以上)のタイプに分類するというものである。また、大半のイメコンはその人が「似合う」ものを診断し分類されるだけでなく、より個人的でその人オリジナルのアドバイスをもらえる。自分だけのために作ら

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          観客側として「演技」に恐怖を感じたという話

          はじめに、私は演者ではない。ただ鑑賞し消費するだけの人間である。そんな私が「演じる」ことについて語るのは不快に思う方も多いと思う。足りない点、現実に即していない点も多いと思う。 ただ、1消費者としてこう思いました、という話として読んでほしい。 演技とは何なのか。人によって様々な答えがあると思う。私はそれを、「自分とは違う存在になる」ということだと捉えている。 私はとある役者さんを応援しているが、舞台の上の彼は演技をしていない時(勿論ファンである私の前である以上ある程度は仮面

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          舞台白蟻感想-AIと人間の境界を考える-

          はじめて複数回現地で見た舞台。でも何度見ても新しい発見があって最高でした。 見たのは7日19:00〜、8日19:00〜、9日12:00〜、16:00〜の計4回。キャストはどちらのパターンも2回ずつ見たことになります。あと9日16:00〜は配信も買いました。 はじめて見た時から必ず泣いてしまうのは勢堂父と母AIの最後の会話シーン。「料理が上手くて、優しくて。時々俺を叱るじゃないか。」「機械でもいいからそばにいてくれ。」そこにはたしかに愛があり、別れがある。母AIが、「高度な技術

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